
子どもの指しゃぶりやおしゃぶり、かわいいけれど将来の歯並びに影響するのでは…?と、親御さんなら心配される方もいらっしゃいますよね。
確かに、指しゃぶりは 、日本人に多い出っ歯(上顎前突)や開咬(かいこう) といった不正咬合の原因になることがあります。
本記事では、指しゃぶりが歯並びに与える影響と、やめる時期やサポート方法、矯正が必要になるケースについて分かりやすく解説します。
指しゃぶりが歯並びに与える影響とは?
出っ歯(上顎前突)になりやすい理由
指をくわえると、上の前歯や上あごに常に前方向の力が加わります。その結果、前歯が徐々に前に傾き、口元が出て見える「出っ歯」になってしまうことがあります。

開咬(かいこう)のリスク
長期間指しゃぶりやおしゃぶりをしていると、前歯が上下で噛み合わずにすき間ができる「開咬」になることもあります。これにより、
- 食べ物を前歯で噛み切れない
- サ行やタ行が発音しづらい
といった機能的な問題が出てしまいます。
指しゃぶりは 見た目の問題だけでなく、噛む・話すといった生活機能にも影響 する可能性があるのです。

指しゃぶりをやめる時期と親のサポート方法
自然にやめる子も多い
3歳くらいまでの指しゃぶりは自然な発達過程の一部です。多くの子どもは成長とともに徐々にやめていきます。
4歳を過ぎても続く場合は注意
乳歯列が完成する4歳以降も習慣が続くと、歯並びやあごの発育に影響しやすくなります。このタイミングでサポートしてあげることが大切です。
親ができるサポート方法
- 代わりの安心アイテムを用意する(ぬいぐるみやタオルなど)
- 手遊びや外遊びで気を紛らわせる
- 「やめなさい!」と叱るのではなく、できたときに褒める
心理的に安心できる環境づくりが成功のポイントです。

矯正が必要になるケースとは?
指しゃぶりをやめても、すでに歯やあごに影響が出ている場合があります。というのも、そもそも出っ歯には先天的なものと後天的なものの2つがあると言われています。
先天的な出っ歯
「先天的」とは、”生まれたときから備わっている”という意味です。骨格はご両親もしくは祖父母の遺伝を受けるので、近い祖先に出っ歯の人がいる場合はその影響を受ける可能性があります。
骨の大きさや位置など骨格に由来する出っ歯は2つのタイプに分けることができます。
①上顎が大きすぎるため顎ごと前に出ているタイプ
主に芸能人で例えると…
「あばよ!」や「いい夢みろよ!」の決めセリフとともに「警視庁24時」や「甲子園」などの1人ネタシリーズが有名なY澤S吾さん

②下顎が小さく上顎に対して下顎が奥に入りすぎているタイプ
”アン”ではじまる二人組のお笑い芸人で、痩せていて独特な話し方が特徴のT中さん

後天的な出っ歯
「後天的」とは”生まれた後から身に備わる”という意味。骨格的(顎の骨の大きさや位置)には問題がないものの、前歯が前方に突出している状態を「後天的」な出っ歯と言います。
主に芸能人で例えると、「奇跡の一枚」と言われた写真の拡散によって、”1000年に1人の逸材”として注目を集め有名になったH本K奈さんなどが挙げられます。

後から出っ歯になってしまう原因は、指しゃぶりはもちろんのこと、舌や下唇を前歯で噛む、舌で前歯を押すといった舌癖、爪を噛む、口呼吸、頬杖といった日常のクセ。
ほかにも、親知らずの萌出(後から生えてくる親知らずは歯列を前方に押します)歯周病(歯周病が原因で歯が抜けてしまうと、歯は前方に傾斜するので出っ歯になってしまいます)があります。
出っ歯の原因は様々なところに潜んでいて、無意識のうちにご自身で出っ歯の原因を作っているかもしれません。
特に、”歯並びを悪くする日常のクセ”は改善されないままだと、せっかく矯正治療をしてきれいな歯並びになっても後戻りの原因になってしまうので注意が必要です。
そのため、指しゃぶりのくせが改善されても、次のようなときは矯正相談をおすすめします。
- 前歯が大きく前に出ている
- 上下の前歯の間にすき間があり、噛み合わない
- 口を閉じにくく、いつも口が開いている
こうしたケースでは、早めに歯科医に相談することで 成長期を利用した治療 や 軽度の矯正装置 で改善できる場合もあります。
まとめ
指しゃぶりは、かわいい仕草である一方、長引くと 出っ歯や開咬の原因 になってしまいます。
3歳くらいまでは経過観察で問題ありませんが、4歳を過ぎても続く場合はサポートが必要です。すでに歯並びに影響が見られる場合は、早めに矯正専門医に相談すると安心です。
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