叢生 21歳 女性 治療期間:1年5ヶ月
上顎前突 20歳 女性 治療期間:2年6ヶ月
歯の矯正で顔が変わる!?横顔や輪郭の変化について
「歯科矯正で顔が変わった」
このような話を聞いて本当なのか気になる人もいるでしょう。
「目が大きくなった」「エラがスッキリした」とポジティブなものもあれば、「人中(鼻の下)が伸びた」「ブサイクになった」とネガティブな情報もあり、本当の答えがわからず不安になってしまいますよね。
矯正専門歯科医院の視点から、歯列矯正で顔が変わるとされる理由や、変わりやすい人の特徴などについてご説明していきましょう。

歯列矯正で顔が変わるとは
そもそも、なぜ歯列矯正で顔が変わると言われているのでしょうか。
歯列矯正というのは、悪い歯並びを本来あるべき理想的な位置に戻るよう動かしていく治療です。
歯並びが悪いと往々にして歯が外側に飛び出ていたりするために、歯の上にある顔の肉も外側に押し出されることで鼻から顎までのフェイスラインが膨れたり長くなったように見えるような状態になりやすくなります。
歯並びが正されるに伴い、その影響がなくなった場合、結果としてフェイスラインが整い顔の印象が変わるため、「顔が変わった」ように見えるのです。
勿論、歯並びの矯正ですので、変わって見えるのは鼻から顎までのみ。しかしながら、口周りは印象を強く与える部分のため、きれいに整った結果目が大きく見えたり、小顔に見えたりと、顔全体の印象が変わる人もいることとなります。
具体的には、以下のような理由により、歯列矯正により顔が変わったような変化が現れます。
-顎の位置の変化
矯正治療により、顎の位置が正しくなることで、顔全体のバランスが改善されます。特に、下顎が前に出る「受け口」や、上顎が前に出る「出っ歯」の場合、顎の位置が変わることで顔の輪郭が大きく変わることがあります。

-歯並びの改善
歯の並びが整うことで、口元の見た目が改善されます。歯が揃うことで笑顔がより美しくなり、口元の形も整うことがあります。
-かみ合わせの改善
矯正によりかみ合わせが正されると、顔の筋肉の使い方も正しく変わります。これにより、筋肉の緊張や不均衡が解消され、顔のシンメトリーが良くなることがあります。
-唇の位置と形の変化
矯正装置や歯の移動により、唇の位置や形も変わることがあります。特に、前歯の位置が変わることで、唇の突出感が軽減され、自然な唇の形になります。

-顔の骨格の発達への影響
成長期における矯正治療は、顔の骨格の発達に影響を与えることがあります。正しい位置に矯正されることで、顔全体の骨格がバランス良く成長することが期待されます。

-顔まわりの輪郭(プロファイル)の改善
顔まわりのライン(プロファイル)も変わることがあります。特に、前歯が引っ込むことで、鼻と顎のバランスが取れ、すっきりとした印象になることがあります。よく美しさの例で挙げられるのは「Eライン(イーライン)」「フェイスライン」「スマイルライン」などがあります。

—Eラインが整い、横顔が美しく見える
横から見て鼻先から顎先を結んだラインは「Eライン」と呼ばれ美しい横顔の基準の一つです。
日本人の場合、Eラインに口先が触れるくらいが理想的とされています。しかし、前歯が出ていたり、下の歯やあごが出ていたりすると、唇がEライン上から外れてしまうためEラインが崩れてしまいます。
そこで、歯列矯正により歯並びを整えれば、唇の位置が整い、Eラインに近づけられるため、口元がすっきりして見えます。それにより、顔のバランスが整い、横顔も美しく見えるようになります。
—フェイスライン
顎の位置が適切に矯正されることで、顔全体のバランスが向上します。咬み合わせが正されると、顔の筋肉の使い方が均等になり、顔の左右のバランスが良くなります。
これにより、顔が対称的で美しい印象になります。正しいかみ合わせはフェイスラインだけでなく、食べ物を効率的に咀嚼できるようにするため、消化機能が向上し、顔色が良くなることもあります。
—スマイルライン

ニコッと口角を上げた時に見える上の前歯の先端に沿った線のことを「スマイルライン」と言います。
このスマイルラインが下唇のラインに沿って緩やかなUカーブを描いていると、微笑む時に顔全体の印象が良くなります。
歯並びが悪い場合、ガタガタしていたり、歯と歯の隙間が多いと、スマイルラインが崩れた状態の場合もありますが、歯列矯正を行うことで、スマイルラインが整えられ笑顔が美しく見えます。
また顎の位置の調整で、顔の筋肉の緊張が解消され、今までうまく動いていなかった表情筋が正しく使われるようになると、口角が上がりやすくなることもあり、微笑みやすくなると言われています。
そのほか、内面的な意味では、歯並びや顔の形が改善されることで、自分の見た目に自信を持つことができるようになります。自信がつくことで、表情や姿勢が良くなり、全体的な印象も向上します。
—エラ張りの改善

耳の付け根から顎にかけてのラインが横に広がって顔が四角く見えてしまうことを顔のエラが張っていると言います。
食いしばりが強い方の場合、咬筋という顎の筋肉が強く作用し、筋肉が硬くなることでエラが張ります。歯列矯正でかみ合わせが整うと余計な筋肉がなくなってエラ張りが解消されることがあります。
また、かみ合わせが正常になることで、顔や首の筋肉がリラックスし、長年の筋肉の緊張や疲労が和らぐことがあります。これにより、顔の表情が柔らかく見えることがあります。
ただし、骨格が原因であった場合には矯正だけでは治すことはできません。
-全体的な健康の向上
矯正治療により歯並びやかみ合わせが改善されると、食べ物を効率的に咀嚼できるようになり、消化機能が向上することも。これにより、顔色が良くなるなど、全体的な健康状態の向上が見られることもあります。
歯列矯正で顔が変わるのはいつから?
治療内容や個人差はありますが「顔が変わってきた」と感じるのはおおむね歯が動いたと実感しやすい約半年から1年後の場合が多いです。特に出っ歯など外側に広がった歯を整えた場合、変化を早めに感じやすいようです。
歯科矯正で歯を動かすペースの目安は1ヶ月に0.3~1mm程度と少しずつのため、すぐに輪郭の変化を感じることはありません。
歯列矯正による望ましくない顔の変化
このように嬉しい顔の変化がある一方で、望ましくない顔の変化もあります。
-ほうれい線が目立つ
出っ歯が原因で、いわゆる口ゴボの状態だった場合、歯列矯正で口元の突出感が解消されると、今まで前歯で引っ張られ持ち上げられていた皮膚が緩み、その結果ほうれい線が目立ってしまうこともあります。
(ただもちろん、加齢によるお肌自体の張りの低下、ダイエットなどによる体重減少に伴うたるみなど、矯正以外の原因でも起こりえます)

-人中が目立つ・顔が面長に見える
また、上記の理由で、ほうれい線と同様に正面から見た時、鼻の下が長く見えたり、鼻と上唇の間にある「人中」が伸びて見える可能性があります。
それから、治療中は食事中に固いものをかみにくいこともあり、表情筋を上手に使えず衰えてしまい、頬が下がると、顔が長く見える可能性もあります。
-出っ歯になった
叢生(歯のガタガタ)などで、歯を抜かないと口の中に歯列をきれいに並べるためのスペースが確保できないにも関わらず、無理に歯を抜かずに治療を行った場合、足りないスペースを補うために歯列全体を拡大して以前より出っ歯になる、ということが起こり得ます。
歯列矯正で抜歯の提案があった場合には、なぜ必要なのかをよく確認し、抜くべきかどうかを判断するようにしましょう。
-頬がこけてしまう
歯を動かす時の痛みや装置への違和感から食べ物を噛む回数が減少すると、口回りの筋肉が衰え、頬がコケてしまうことがあります。
痛みに敏感な方、装置を不快に感じそうという方には、ワイヤー矯正よりマウスピース矯正装置(インビザライン)のほうが安心かもしれません。
そもそもどのような矯正であっても、装置の種類に関係なく、痛くて食事に支障が出るような場合は、歯科医師に相談しましょう。
残念な顔の変化への対応策
しかしながら、歯並びを整えるスペースがなくて「出っ歯になる」以外は、顔の筋力が衰え、皮膚がたるんでしまうことが主な要因であるといえます。
歯列矯正と同時に、「あいうべ体操」などで表情筋を鍛えるトレーニングをしたり、フェイスマッサージを行ったりすることで、矯正終了後の望ましくない顔の変化を防ぎます。(通院中に気になる方は当院にてご相談いただけます。)
口腔筋機能療法についてはこちら
矯正すると顔が変わりやすい歯並び
出っ歯(上顎前突=上の前歯が下の前歯を大きく覆っている状態)や受け口やしゃくれ(下顎前突=下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態)と呼ばれる歯並びです。
歯列矯正をすることによって、あご周りがスッキリし、顔のバランスが改善されることが期待できます。
抜歯を伴う治療となることが多くありますが、以前まであった歯が少なくなり、前面に出ていた歯が理想の位置におさまることで、フェイスラインが整っていきます。
歯並びが原因で口元が閉じなかった方も閉じるようになり、スッキリした印象を与えるようになり、唇の突出感などもなくなって、Eラインが整う可能性が高いです。
まとめ
患者さまの骨格による個人差もありますが、歯並びによって、歯列矯正で顔の印象が大きく変わる場合があります。
大宮SHIN矯正歯科では、矯正治療で歯並びだけでなく、顔周りの印象も変化する可能性がある患者さまには顔の変化のシミュレーションも治療前に作成しております。
これから矯正治療を始めようとしている方も、すでに矯正中の方も、歯並びだけでなく顔周りの印象を大切に思う気持ちは当然のことです。どうぞ恥ずかしがらずにご相談ください。
大宮でエンジェルアライナーに対応|マウスピース型矯正装置の特徴とメリット
日経のウェブサイトなどにも取り上げられている中国開発の矯正治療器具、エンジェルアライナーをご存じでしょうか。
歯並びを整えるための専用のマウスピースで、中国をはじめアジア・ヨーロッパ・アメリカなど、世界50カ国以上で使用されているグローバルなマウスピースによる矯正システムです。おおよその仕組みとしては、アメリカのマウスピース矯正装置(インビザライン)と同じイメージです。
マウスピース矯正装置「エンジェルアライナー」とは?
「エンジェルアライナー」は、2003年に設立された中国の企業「Angelalign Technology Inc.」によって開発・提供されている新しいマウスピース矯正器具です。
設立当初から透明アライナーの開発に注力し、2006年独自のクリアアライナー技術を中国にて特許取得の上商品化を開始。
中国内でで7割の市場シェアを得ており、売上高は毎年3倍のペースで増えています。というの知名度はアライン社の(インビザライン)と並ぶほどとなり、2021年6月に香港証券取引所に上場も果たしています。
マウスピース矯正装置「エンジェルアライナー」が中国で広まった背景
中国の歯列矯正事情
近年経済発展を果たし、IT関連でも先進的な技術力について評価をされている中国ですが、意外なことに14億超の人口に対し、歯科医師が少なく、さらに、矯正専門医においては約5,000人強しかいません。
ちなみに、日本は人口1.2億人に対して矯正専門医は約3,000人ほどです。
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先にお伝えした通り、中国は世界有数の14億超の人口があり、顎の比較的小さなアジア系であるため、歯並びの悩みがある人口も多く、不正咬合の全体的な有病率は2000年に67.82%。これは、中国国民の10人に7人が不均一な歯を持っていることを意味します。
矯正専門医の数が足りず慢性的にサービスの供給不足である状態です。また、中国も近年の世界的な潮流にもれずSNS文化も浸透しており、審美的な需要「矯正中と知られず歯並びを直したい」も当然高いです。
当然歯列矯正をしたいというニーズが人口比で多くあったにもかかわらず、それに十分対応ができていない状況が続いていました。

需要の高い「マウスピース矯正装置」
エンジェルアライナーの場合、患者さまのデータがあれば矯正の主要な計画は歯科医師ではなくエンジェルアライナーを提供しているAngelalign Technology Inc.が作成をしてくれます。
歯列矯正専門でない歯科医師でも、治療過程はマウスピースを定期的に順番に交換していくだけですから、仕組みだけで見れば希望する患者さまに矯正治療を施すことができるのです。
また、中国は比較的外資系よりも自国法人へ国として後押しをする傾向もあり、比較的販路の拡大がしやすい土壌を作りやすい環境もあります。
そのため、一般歯科医でも取り入れられる目立たないマウスピース矯正装置で、尚且つ国産企業の「エンジェルアライナー」は、中国内で人気も高まるのは必然であるといえるでしょう。
他のマウスピース矯正装置との違い
マウスピース矯正装置「エンジェルアライナー」の治療の流れ
①精密検査(3D口腔内光学スキャナーiTeroおよび側面頭部X線規格写真(セファロ)など)
②スキャン結果を矯正装置メーカーに送り、メーカーはデータから歯型を3Dプリントします。
③定期的な通院により矯正治療を行う。
患者さまにとって治療を始めるに当たっての手順は、一般的な他のマウスピース矯正装置でも見られる手順とほぼ同様となっております。しかしながら、違う部分が2つあります。
プラン設計の実施に関して
アライン社のインビザラインを利用する場合は、クリンチェックと呼ばれる機械的なシミュレーションを元に歯科医師が手を加え、アライン社にマウスピースの作成を依頼します。
理由としては当然に、シミュレーションと実際の矯正治療は異なるということです。過去の症例などを元に作成された機械的なシミュレーションに手を加え、常に治療の際に微修正を加える技術があり、初めて安全で美しい矯正治療が完結します。
エンジェルアライナーの場合も同様にメーカー側がプランを作成しますが、歯科医師がそのプランを柔軟に変更できるそうです。
その他にも、エンジェルアライナーは側面頭部X線規格写真(セファロ)をクリンチェックに反映したり、クリンチェックのゴールからVTOシミュレーションを瞬時に確認できて、矯正専門医がより使いやすい仕様になっているそうです。
ただし、中国のメーカーなので国政や日中関係によっては、エンジェルアライナーにも影響が出る可能性があり、それがデメリットのようです。
通院頻度
マウスピース矯正装置(インビザライン)を利用している当院の場合はおよそ1~3か月ですが、エンジェルアライナーの場合も通院頻度はそこまで変わらないそうです。
マウスピースの素材の違い
見た目はほぼ同じです。透明なマウスピースにどちらも独自のアタッチメントがついています。どちらの素材も耐久性と審美性に優れており、日常生活で目立たずに使用することができます。ただ、マウスピースの素材が異なるようです。
①マウスピース矯正装置(インビザライン)の場合
アライン社が開発した特許取得済みのSmartTrackという素材を使用しています。この素材は、柔軟性が高く、歯にかかる力を均等に分散し、特に快適性と効果的な歯の移動を促進するために開発されており、多くの臨床研究でその効果が証明されています。
②マウスピース矯正装置(エンジェルアライナー)の場合
エンジェルアライナーの素材も快適性と効果を重視していますが、具体的な臨床データや素材の詳細についてはあまり公開されていません。
独自のプラスチック材料: エンジェルアライナーも高品質のプラスチック材料を使用していますが、具体的な素材名や詳細は公開されていないようです。

マウスピース矯正装置「エンジェルアライナー」のメリット
それでは、このマウスピース矯正によってどんなメリットがもたらされるのでしょうか。
主な内容は次の通りとなります。
治療費が低価格
当院の場合、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療費は860,000〜920,000円(税込946,000円〜1,012,000円)です。(2024年6月現在)
エンジェルアライナーは24,000~40,000元(約432,000~720,000円)ほど。中国でのインビザライン治療は40,000~80,000元(約720,000~1,440,000円)とのことなので、およそ半額と割安で治療ができています。
※2022/3時点・1元=18円強
審美欲求の高い中国の若者にとっては、やはり治療費が安価というのは手が届きやすいものでしょう。
マウスピース矯正装置(エンジェルアライナー)で治療ができる医院は?
大宮SHIN矯正歯科では、エンジェルアライナー(Angel Aligner)による治療が可能です。エンジェルアライナーは、世界的に導入が進んでいるマウスピース矯正装置のひとつですが、日本ではまだ導入している歯科医院が限られている装置です。
なぜ対応医院が少ないのか?
エンジェルアライナーは、日本ではまだ導入している医院が多くない理由としては、
- 導入にあたって歯科矯正の一定の知識・経験が必要
- 医院ごとの治療設計力が重要
- 海外発のシステムである
といった背景があります。まだ日本では導入医院が限られている矯正システムですが、適切に使用することで、幅広い症例に対応できる可能性があります。
大宮SHIN矯正歯科では、エンジェルアライナーを含めた複数の選択肢の中から、患者さまにとって適した治療をご提案しています。
【参考文献】
「見えない歯科矯正」中国トップブランド 時代天使(6699/HK)」ボルゾイ
「世界の子どもの歯科事情②」みろ歯科ブログ
「中国のクリアアライナー技術市場の将来」デンタルリソースアジア
子どもの歯列矯正 【一期治療】だけでやめられる?
子どもの歯列矯正は、治療を開始する時期によって「一期治療」と「二期治療」と二つの段階に分かれています。
簡単に説明すると、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に始める矯正が「一期治療」永久歯が生え揃った段階から始める矯正が「二期治療」です。

よく聞く、子どものうちに矯正した方が、大人に比べると治療期間が短く治療費も安くすむ、といったメリットは本当なのでしょうか。
また「一期治療」だけでやめるということはできるのでしょうか。
一期治療と二期治療のちがい
一期治療と二期治療は、治療の目的や矯正の方法が異なります。
①開始時期の違い
一期治療は一般的に6〜7歳ごろ(ただし、歯並びによっては6歳まで待たずにもっと早い時期に開始できる場合もあります)二期治療は小学校高学年にあたる10〜12歳ごろから開始します。
これは歯並びの違いにあり、永久歯が生えそろう前で顎が成長期にあり動きやすい時期が一期治療、永久歯が生えそろい、ほぼ大人と同じ状態となっている時期が二期治療と考えられます。
永久歯が生え揃うのは、第二大臼歯(いわゆる12歳臼歯)が生える、小学校高学年から中学生(12〜14歳)ですので、二期治療はそれ以降に開始することになります。

②治療目的の違い
一期治療は乳歯と永久歯が混在している混合歯列期のあごの成長が盛んなこの時期を利用して、お子さまの歯並びが悪くなる原因のひとつである、あごの大きさや上下のバランスを調整して、永久歯がきれいに生えるように、骨格の土台作りを行うことが主な目的です。
永久歯になるとあごの成長が止まってしまうので、抜歯や外科手術が必要な症例も、この一期治療であればその可能性がなくなります。
二期治療は一期治療であごの骨を整えた後、歯を1歯ずつ正しい位置へと移動させ、最終的に歯並びを整えることが目的です。
経過観察の期間を挟み、永久歯が生え揃ってから開始します。ワイヤー矯正やマウスピース矯正装置(インビザライン)など、大人と同じ矯正装置を利用し、同じように治療を行います。

③治療方法の違い
一期治療はあごの大きさや上下のバランスを調整して、永久歯がきれいに生えるように、骨格の土台作りを行うことが主な目的です。そのため、歯並びの土台となる顎や骨格を動かす装置を使用します。
歯並びによって、顎を広げる「拡大床」・上下の顎の筋肉の力を利用して成長期の歯と口の周りの組織を正しい位置に誘導し、噛む力を均等に分散させる「バイオネーター」・既成の子ども用のマウスピース型矯正装置(プレオルソ)などを使用します。そしてその後、ワイヤー矯正を用いることもあります。
それと同時に、歯並びへ悪い影響を及ぼす、舌癖・口呼吸・指しゃぶりなどの、口周りの悪習慣を改善するために、トレーニングを行うこともあります。
二期治療は、永久歯が生えそろっているため、歯にブラケットを装着しワイヤーを通すワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置(インビザライン)など、大人の歯列矯正と同じ装置を使用して治療を行います。

④費用の違い
一期治療は418,000〜462,000円(税込)、二期治療は440,000〜462,000円(税込)です。当院の治療費用については治療費のページに詳しく記載されています。
⑤治療期間の違い
治療期間の目安は、一期治療の治療期間はおおむね1年半、2期治療の治療期間は2年程度、来院間隔は1ヶ月に1回です。一期治療後、二期治療開始までの間には、永久歯が生えそろうまで3~6ヶ月ごとに保定しながら経過観察の期間もあります。
とはいえ、治療期間や経過観察の期間は、治療を始めた年齢や歯の状態に合わせて一人一人異なります。この経過観察の期間において、二期治療を行う必要がないと判断されると、一期治療のみで治療が終了する場合もあります。
同じく二期治療後にも、移動させた歯が後戻りしなくなるまでの期間、保定しながら3~6ヶ月ごとに経過観察を行います。
一期治療で終わる人はどのくらい?
子どもの矯正を一期治療だけで終了できる人の割合は、一般的には比較的少なく、全体の2〜3割程度とされています。ほとんどの場合、やはり一期治療終了後に二期治療に進むこととなります。
できれば、子どもの矯正ははじめから一期治療と二期治療を含めて1つの矯正治療であると考えていただいた方が良いでしょう。
しかし、当院では本当に一期治療だけで終わる方を含め、子どもの矯正を開始した6割の方が何らかの理由で一期治療のみでやめてしまいます。二期治療に進まれる方は4割くらいです。

一期治療だけでやめるとどうなる?
二期治療が必要とわかっていても、一期治療でやめてしまうこともあるかもしれません。その場合には、どのようなリスクがあるのでしょうか。
二期治療に進まずに途中でやめてしまうと歯並びが元の状態に戻りやすく、歯や顎の正しい発育を守るうえでもお薦めはできません。
そもそも、一期治療は、歯を綺麗に並べるための土台作りにあります。顎周りを広げ、永久歯が生えるスペースを広げることが目的です。その後、二期治療で一歯ずつ正しい位置へと移動させ最終的な歯並びへと整えていきます。
そのため、一期治療でやめてしまうと、希望されていたキレイな歯並びまでたどり着くことができない可能性があります。
一期治療で終わる歯並びはどんな歯並び?
とはいえ一期治療後、経過観察になりやすい歯並びもあります。
①前歯の軽度の不揃いや1歯だけの不揃い
前歯の軽度の不揃いや1歯だけのクロスバイト(交叉咬合)の場合、骨格や歯の大きさに問題がない場合がなければ、治療後の後戻りはほとんどありません。
②顎が小さいことで前歯がでこぼこだったのが、改善された場合
歯が並ぶスペースが不足しており前歯にでこぼこ(叢生)があるタイプ。十分に拡大後も戻らないように矯正装置は使用し続け、問題がなければ永久歯が生え変わり終わった際に終了となります。
さらに審美的に細かな仕上がりやかみ合わせも仕上げたい方は、第二期治療に進むこととなります。
③受け口(反対咬合)、出っ歯(上顎前突)、上下の歯がかみ合わない歯並び(開咬)
受け口(反対咬合)、出っ歯(上顎前突)、開咬といった症状は、「一期治療」で改善後も下あごの成長観察があるため長期の経過観察が必要になってきます。
女子の成長期ピークが14歳、男子はさらに長く17歳のため、装置の使用期間も長くなります。
子どもの矯正を途中で(一期治療)やめてしまっても再開できる?
矯正治療を途中でやめてしまっても、再治療はできます。しかしながら、時間が経過すると、子供の顎は柔軟な分、すぐに歯並びも元の位置に戻ってしまい、再開というよりは再び一からやり直し、ということになります。
同じ歯並びを、大人になってから矯正するのと二期治療で矯正する場合を比較すると、二期治療の時期の方が治療期間が短く、費用も少なくすみます。
子どもが矯正をやめたいと言った時
子どもの矯正治療を、引越しなどなんらかの家庭の事情で中断するのではなく、お子さま自身が”矯正をやめたい”と言うこともあるかもしれません。子どもの矯正は当事者であるお子さまの前向きな治療参加が不可欠です。
一方的に押し付けるのは、結果として治療終了まで完走は難しいと思ったほうがよいでしょう。
とはいえ、子どもの矯正は大人だと抜歯や外科手術を伴う場合でも、子どものうちに土台を改善することでそれらを回避するなどのメリットもあり、またそれができるのも小児の間の短期間のみでもあります。

「装置が合わない、かっこわるい」
「歯が痛い」
「矯正する価値がわからない」
「歯医者が怖い」
子どもの気持ちを尊重しながら、なぜ途中でやめたいのか、丁寧に子どもなりの意見をまず聞いてあげましょう。しっかりと向き合うことで、心を落ち着け、親子で冷静に問題点をさぐり、よりよい解決をすることができるかもしれません。
必要であれば、医院で素直に担当医に気持ちを伝えていただくのもよいでしょう。お子様の歯並びや矯正のタイミングなど、わからないことがあれば是非当院の初診カウンセリングにお越しください。ご希望など伺いながら、丁寧に説明をさせていただきます。
歯の矯正をしたら人中が長くなった!?原因は?人中は短くなる?
歯列矯正で、顔の「人中」が短くなる方がいる一方で、「伸びた」「長くなった」と感じる方がいらっしゃるようです。また、初診カウンセリング時に「矯正で人中が伸びるって本当ですか?」と聞かれることも少なくありません。
歯の矯正で口元にどんな影響が出るのか、今回は「人中」についてお伝えします。
そもそも「人中」とは?
人中とは、鼻の下、上唇の上の「みぞ」の部分になります。この部分は顔の中心に近く、よく動く口元に近いので、顔周りの印象にかなり作用します。

-「人中」の平均的な長さとは
頭の大きさは個人差があるものの、日本人の人中の平均的な長さ(人中の起点にメジャーを当て、上唇の山のくぼみまでの長さ)は約1.5cmとされています。
いわゆる「長い」とされるのは2cm以上です。
ちなみに、お顔が美しく見える口元の黄金比として、鼻~口(人中):口~顎先が1:2となるのが理想的であると言われています。

では、なぜそもそも人中が長いと困る人が多いのでしょうか。それは先に挙げたように、口周りの印象が顔の見た目印象に強く影響をするからです。
①顔が平面的で長く見える(面長)
人中が長いと、その分顔のパーツが広がって見えるため、全体としてのっぺりとした面長に見えやすくなります。
②老けて見える
人は年をとると、自然と皮膚が下がり、人中も伸びてきます。その印象が無意識に働き、人中が長い→老けた人という印象を与えがちになります。
③口元が強調される
鼻の下から上唇までの距離が長くなることで、顔の下半分の割合が大きくなり、口元に目がいきやすくなります。出っ歯など歯並びに不安がある場合、より口元が目立ってしまうことになります。
-人中が長くなる原因
このように、人中が顔の見た目に影響を与えやすいため、最近では人中を短く見せ、小顔に見せるようなメイクも流行っているようです。
では、人中はなぜ長くなってしまうのでしょうか。その原因も様々です。
①遺伝
顔のパーツの中でも遺伝要素が大きいと言われているのが鼻の高さ、唇の形、輪郭の3つと言われています。
そのため、親族に人中が長い方がいた場合は、骨格からの遺伝による可能性が考えられます。
②歯並び
上の前歯が前方に突出している「上顎前突」いわゆる出っ歯の歯並びの方は、上顎や前歯が前方に突き出てしまい、鼻の下の皮膚が引っ張られて人中が長く見えている状態となります。
③表情筋の衰え・退化
私たちの顔には目や鼻、口などを動かすために30種類以上の筋肉が存在しています。
しかし、表情筋は日常生活の中で30%程度しか使われておらず、加齢や生活習慣によって衰えやすい筋肉と言われています。
特に口周りの筋肉が衰えると、たるみやしわが目立つようになり、人中も伸びたように見えてしまいます。
歯列矯正中の方にも、歯並びが整うにつれて、貼りだした歯が引っ込むことで、下がった分口周りの肉がたるんでしまい、対策せずにでそのまま老け印象になってしまうこともあります。
④噛み癖
無意識でやってしまう、唇の噛み癖です。頑張っている人ほど唇を内側に巻きみやすい傾向にあるので気をつけましょう。
また、歯並びが気になる方も、隠そうとして無意識に唇を噛んでしまい、人中が物理的に伸ばされてしまうこともあります。

歯列矯正で人中は長くなる?短くなる?
成人すると、歯列矯正したからといって、この部分の骨格が勝手に伸びたり縮んだりすることはなく、長さが変化することはありません。それでも歯列矯正で人中が短くなったり、長くなると感じるのはなぜでしょうか。
-歯列矯正で人中が長くなる場合
–矯正装置により口元にボリュームが出る
矯正期間限定ですが、表側ワイヤー矯正の場合、装置を歯の表面につけるために、その厚み分口周りが外に広がり、人中も広がって見えてしまうことがあります。一時的なため、治療が終わり装置が外れると、人中の長さももとに戻ります。


–表情筋の衰え
矯正期間は歯の痛みのために柔らかいものをよく食べるようになったり、ワイヤー矯正の方であれば装置が目立つことを嫌い、口周りをあまり動かさない方もいらっしゃいます。
そのため、咀嚼筋や表情筋が衰え、人中も伸びやすくなる場合もあります。
その場合には表情筋トレーニングやマッサージなどで適切なケアを行えば、防ぐことができるでしょう。
–上顎前突(口ゴボ)が改善されたため
出っ歯の方が矯正で歯が適切な位置に移動し口周りの突出感がなくなったことで、今まで引っ張られていた皮膚が緩み、結果として人中が伸びてしまう可能性もあります。
しかしこの場合、人中だけを見ると長くなったように感じるかもしれませんが、横から見た時、口元の突出感はなくなり、Eライン(横顔の美しさの指標)上におさまっており、お顔全体で見た時のバランスは整っているはずです。
人間の皮膚なので、成人すると人中の部分が勝手に伸びたり縮んだりすることはなく、見え方によって人中の長さが変化しています。


【関連ブログ】矯正治療をしたら、鼻の下が伸びる?【人中伸びた?】
–適応症例でない非抜歯矯正や部分矯正
ガタガタや歯列から飛び出てしまった歯を綺麗に並べるためにはスペースが必要です。
スペースを確保するには、歯の横の面を削ったり、歯のアーチを広げたり、奥歯を後ろに移動したりと、様々な方法があります。
しかしながら、歯列全体を移動する必要があったり、抜歯をしないと歯を並べるためのスペースが足りない症例の場合、部分矯正や歯を抜かない矯正は適した治療方法ではありません。
にもかかわらず、費用や治療期間が短いというメリットを優先して部分矯正や非抜歯矯正を選択した場合、前方に歯列を広げるしかありません。
結果として、正面から見た歯並びは綺麗になっても、口を閉じると口周りがもっさりした印象のロゴボ状態となり、引っ張られた人中が伸びたように見えることとなります。
-歯列矯正で人中が短くなる場合
歯列矯正で人中が短くなった症例を紹介します。
–出っ歯の改善


- 主訴:口元が出ている
- 診断名:上下顎前突
- 初診時年齢:20歳
- 治療装置:表側矯正(ワイヤー矯正)・矯正用アンカースクリュー
- 治療期間:2年6ヶ月
- 費用:968,000円(税込)
- リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り

この患者さまは、意識しないと口を閉じても歯が見えている状態でした。

歯列矯正で前歯が後ろに下がり、唇に力を入れなくとも自然に口が閉じられるようになります。結果的に、鼻の下が引っ張られることがなくなり、「人中」が短くなったように感じさせます。
人中を短くする方法
歯列矯正以外で人中を短く見せるにはどのような手段があるでしょうか。
一般的には「メイク」「顔トレ」「美容整形」などが挙げられます。
-「化粧」で人中を短く見せる
メイクで人中の長さの印象を変えることができます。「小顔メイク」や「人中短縮メイク」という名称で呼ばれ20〜30代に流行っているくらいです。少しでも小顔印象に近づきたいですよね…。
唇や人中の印象を変えるためには、そのパーツだけでなく顔全体のファンデーションの色を細かく変えたり、シェードを入れたりなど工夫が必要となります。
「整形メイク」「ワンホンメイク」などとも言われ、ネットを検索すると色々参考になります。
-「顔トレ」で人中を短く見せる
表情筋のたるみや衰えの自覚がある場合には、表情筋トレーニング、いわゆる「顔トレ」で口周りの印象を変えることができます。歯科医や整体師の考案のものもありますし、顔ヨガなど昔からあるものもあります。
VoCE 自力で人中を短くする方法|整形級のトレーニングを紹介【歯科医監修】
anan beauty+ 気になる“人中”を短縮!【小顔管理士直伝】1日2分でできる「すっきり顔トレ
-「美容整形」で人中を短くする
美容整形の場合、外科手術を必要としない「唇ヒアルロン酸注射」「人中短縮ボトックス注射」によるものと、メスを入れる「人中短縮手術」などが一般的です。
「唇ヒアルロン酸注射」は、唇にヒアルロン酸やボトックスを注射することで、唇のボリュームを増やすことで人中を短くし、「人中短縮ボトックス注射」はボトックスを人中に注射することで短くする方法です。双方とも施術効果は3か月〜半年程度と一時的なものとなります。
「人中短縮手術」は、鼻の下部分を切開し、人中が短くなるよう縫合する方法です。物理的に短くなり、効果も永続的ではありますが、一方で切開をしてしまうため、印象がイメージと違った場合にも、元に戻すことはできません。
また、口周りの癖で顎に梅干し皺がある人には、この手術が向かない、といった説もあります。
リゾナスフェイスクリニック東京
「【超危険!?】人中短縮で口が閉じないくなってしまう方の特徴を徹底解説!!」
歯列矯正で後悔しないようにするには
歯列矯正で実際の人中の長さは変わりませんが、見え方によって長くなったり、短くなったように感じることは事実です。
歯列矯正で変化するのは歯並びだけではありません。口元の印象も変化します。
そのため、治療を始める前に、矯正の方法や期間だけではなく治療後の口元への影響を相談できる歯科医院で歯列矯正を行うことが大切です。
大宮SHIN矯正歯科では、治療を始める前に患者さまと矯正を行う歯科医師との間で、治療後の歯並びと口元の明確なイメージを共有することが重要であると考えています。
頭蓋骨のセファロや歯のレントゲン、歯型のデータなど精密検査時に採得した、患者様の詳細な情報をもとに、歯並びやかみ合わせのシミュレーションだけでなく、治療後の口元の変化を視覚化することも可能です。
歯列矯正を検討しているけれど、人中のリスクが気になる、という方はぜひ一度初診カウンセリングへ相談にいらしてください。
【大人乳歯】大人なのに乳歯が生えている!?歯の矯正はできる?
最近、ネットニュースで「大人の乳歯」の記事を見かけました。
実は子供の時に抜けてしまうはずの乳歯が、大人になってもそのまま残っている人は意外と多く10人に1人の割合だということです。(日本小児歯科学界の2011年3月発表の調査結果より)

(ちなみに蛇足ですが、このニュースのサムネイルの丸く囲ってある歯は乳歯ではなく、矮小歯(わいしょうし)です…)
当院でも、「大人の乳歯」がある患者さまから、歯の矯正ができるのかご相談をいただくことがあります。
先に結論を出してしまいますが「矯正はできます」その理由は後程ご説明いたします。
では、なぜ大人になっても乳歯が生えていることがあるのでしょうか。
乳歯はいつまでに生え変わる?
乳歯は個人差はありますが、一般的に6歳から12歳の間に生え変わります。
発育の過程で顎が育っていく中、乳歯の歯根が顎や永久歯の栄養として吸収されていきます。
根っこのなくなった乳歯は土台がなくなるため、ぐらぐらと動いて抜けてしまい、そのあとに永久歯(大人の歯)が生えてくるのです。
乳歯が抜けた際には成長を喜び、お祝いをする風習が世界各地にあるように、乳歯は一般には子供時代だけの歯というイメージが強くあります。

大人なのに乳歯が生えているのはなぜ?
しかしながら、先に記載した通り、意外と大人になっても乳歯が生えている人はおり、近年増える傾向にあるともいわれています。
乳歯が一般的な時期に抜けず、歯列に残っている原因としては、以下の内容が挙げられます。
-先天性欠如歯(けっそんし)

生まれつき、乳歯の下にあるはずの永久歯が存在しないことを先天性欠如歯と言います。
本来、永久歯が生える際に、乳歯の歯根が溶かされて吸収され自然に抜けるのが一般的ですが、この場合、乳歯の歯根が吸収されないため、乳歯がそのまま残ります。


日本小児歯科学会の調査によれば、上顎(約.4.37%)より下顎(約7.58%)の発生頻度が高く、部位的には左右共に第二小臼歯(5番)と側切歯(2番)に多いとされています。
この先天性欠如歯の明確な原因は、今のところわかっていません。
-乳歯が歯茎に沈む
歯の生え変わりで歯根が吸収された際に、乳歯が歯茎に食い込んだり、沈んでしまい、抜けずに残っていることがあります。
-癒合歯(ゆごうし)
隣あった2本の歯が、歯が形成される時期にくっついて1本になった歯のことを言います。乳歯にも永久歯にもみられますが、乳歯が結合したものの方が多くみられます。
2本の乳歯が癒合していると「乳歯は1本」とみなされて、その下にある永久歯が生える時に、癒合歯の歯根部分がうまく吸収されず、抜けずにそのまま残っていることがあります。


大人乳歯があると歯並びに影響する?

大人になっても乳歯が残っている場合、歯並びに影響を与える可能性があります。
乳歯は永久歯と比べると小さいため、すきっ歯になる可能性があります。
また、歯の生え変わり中に乳歯が残っていると、周囲の永久歯が乳歯の位置に合わせて移動しようとすることがあります。このため、歯列全体が歪んだり、歯並びが乱れたりすることがあります。
歯並び以外にも大人乳歯は、将来的に歯の健康や機能に問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
-かみ合わせの問題
乳歯が残っていると、正常なかみ合わせができず、特に、上下の歯がかみ合わない場合、噛む力が均等に分散されず、歯や顎の問題を引き起こす可能性があります。
-口内環境の影響

乳歯は、永久歯に比べエナメル質が弱いので虫歯になりやすく、また一度虫歯になると進行が早く、治療して保存することも難しい歯です。
そもそも、乳歯は永久歯が生えるまでの、子供時代の短い期間、子供の小さい顎に合わせて生える歯です。
そのため、乳歯自体が歯根が短く、大人の歯(永久歯)のように、長期間使えるようにできておらず、脆く壊れやすいものです。
多くの方は老齢前に乳歯が虫歯になるなどして抜けてしまいますが、可能であるならば、口内トラブルが起こる前に、かかりつけの歯科医院にて処置を行ってもらうことをお勧めします。
乳歯が残っていても歯列矯正できる?
さて、乳歯が残っていても歯列矯正はできるのでしょうか。先にお伝えした通り、「矯正はできます」
大人乳歯があっても、歯周病や歯肉の状態が問題なく口内環境が健康であれば、歯列矯正が可能です。
-乳歯を抜いて歯列矯正


こちらの症例は、下顎の左右の第二乳臼歯(写真赤丸)を抜歯して、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)を併用して治療を行なっています。

- 主訴:ガタガタと八重歯が気になる。かみ合わせが良くない
- 診断名:叢生(そうせい)
- 初診時年齢:26歳・女性
- 治療装置:マウスピース矯正装置(インビザライン)・ワイヤー
- 抜歯箇所:下顎左右E
- 治療期間:現在治療中
- リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
- 費用:946,000 円(税込)
-乳歯を抜かずに歯列矯正





この患者様は、上下左右のE(第二乳臼歯)が残っていました。永久歯が下に埋まっていたので、上顎の左側の乳歯(写真青丸)のみ抜歯してマウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いて治療しました。


- 主訴:上下の歯のすき間が気になる、親族に指摘された。
- 診断名:叢生(そうせい)
- 初診時年齢:16歳・男性
- 治療装置:マウスピース矯正装置(インビザライン)
- 抜歯箇所:上顎左側E
- 治療期間・通院回数:3年6ヶ月・28回
- リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
- 費用:957,000円(税込)
乳歯の状態、上下のかみ合わせのバランス、患者様のご希望を踏まえ、乳歯を抜いて治療することもあれば、抜かずに治療する場合もあります。
ただし、乳歯は歯根が短く、永久歯と比較すると割と早い段階で抜けてしまう可能性が高い歯です。
抜歯に抵抗があり、非抜歯で歯列矯正の治療を行なったけれどやっぱり抜けばよかったと後悔する方もいらっしゃいます。詳しくはこちらのブログをご覧ください。
大人乳歯が生えていて歯列矯正を考えている方は、歯並びによって治療方法が異なりますので歯科医院で直接相談することをお勧めします。
【口臭と歯並びの関係】口臭の原因は歯並び?矯正治療中に口が臭くなるのはなぜ?
歯列矯正中の患者さまから「口臭が気になる」「以前よりも口の臭いが強くなった」「歯磨きしても治らない…」という相談を受けることがあります。
そこで今回は、口臭の発生する要因や歯列矯正との関係、その予防方法などをご紹介します。
口が臭いと感じるのはなぜ?
口臭を感じる時は多岐に渡りますが、日本口腔外科学会によると大きく分けて5つの種類があるといいます。
-生理的口臭
起床直後、空腹時は唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるため強めになります。
その他、女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)もあります。

-飲食物・嗜好品による口臭
ニンニク、ネギ、酒、タバコ等による口臭は一時的なものです。

-病的口臭
鼻やのどの病気、呼吸器系など内臓が原因で起こる場合もありますが、歯周病、むし歯、歯垢、歯石、義歯(入れ歯)の清掃不良など90%以上は口の中にその原因があると言われています。
特に「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる、舌に白い苔のような物がついていると、強い口臭の原因になります。

-ストレスによる口臭
緊張時なども、ストレスにより唾液の量が少なくなるため口が臭くなる可能性が高いです。

-心理的口臭
自臭症とも呼ばれ本当は臭わないのに、自分自身で口臭が強いと思い込んでいる状態を言います。
一番臭いが強く出るのが、朝の起床時の「生理的口臭」、寝ている間に口内細菌が増殖するためです。
矯正治療中での口臭の要因としては、やはり、口の中に矯正装置をつけた状態であるため、歯磨きがしづらいことによる「病的口臭」によるものが多いです。
自分の口臭を確認する方法
では、自分自身の口臭が気になるとき、どうやって確認をすれば良いでしょうか。素朴ではありますが、簡単な方法をご紹介いたします。
-唾液でチェック
手をきれいに洗って清潔な状態にした後、舌の上や歯と歯ぐきの溝部分などを指で触ってみて、付いた唾液の匂いを嗅いでみてください。唾液が臭いと、それが乾燥して口臭の原因になります。
出先でも簡単にできる口臭チェックの手段です。
-息でチェック
清潔なコップやビニール袋を用意し、自分の息を吹き込んで貯めた後、密閉してから臭いを嗅いでみてください。息が匂った場合は口臭がある、ということになります。しかし、朝起きた直後は誰でも「生理的口臭」が強めに出ますので、日常の口臭とは区別してください。
-口臭チェッカーでチェック
家族や知り合いから「臭い…」と指摘されても、自分自身では実感のわかない方もいらっしゃると思います。口と鼻はのどの奥で繋がっているので、口の中のニオイ(口臭)は、常に嗅いでいることになります。 そのため嗅覚が口のニオイに順応してしまい、自分では自分の口臭が分かりにくくなるのです。
口臭を調べるためのアイテムとして、口臭チェッカー(ブレスチェッカー)というものがあります。
歯科医院で使用しているものと精度は違いますが、市販の口臭チェッカーもあります。客観的に数値が出ますので、他のチェック方法で判断がつかないような方にはおすすめです。
強い口臭は対人関係に悪影響を及ぼすこともあります。口が臭いけど自分ではわからない方は上記の方法で客観的に調べてみるのも良いかもしれません。

歯磨きしても臭いのはなぜ
自分自身ではしっかり歯磨きしているつもりでも、口臭が気になるという方は、口腔ケアを行なっていますか?「歯磨き」だけではケアとしては残念ながら不十分です。
-歯間のケアをしていない
「歯ブラシを定期的に交換し、毎食後しっかり磨いている!」口内ケア意識が高くマメであっても、意外と歯間のケアをしていない方が見受けられます。歯の間の汚れは歯ブラシだけでは落としきれません。定期的にデンタルフロスで歯間のケアをするようにしましょう。
-舌苔がついている
舌には「舌苔」というよごれがこびりついてしまうことがあり、舌苔を取り除くだけで口臭が改善する場合もあります。
舌苔は食べかすやお口の中の古い細胞がこびりついたものといわれていますが、細菌の好物であるため、舌苔を放置すると臭いが酷くなることも考えられます。
舌は粘膜であり「味蕾」という味を感じるための組織もあるためデリケートです。歯ブラシでもよいのですが、専用のクリーナーなどを使って優しく磨いてください。
-口が乾いている
口呼吸などで口が開いていると、口の中が乾燥し、唾液の量が減って臭いやすくなります。対策としては殺菌作用のある緑茶を飲んだりガムをかんだりすると効果があります。
-胃からくる口臭
胃の調子が悪くなると、食べ物が消化されにくくなって、胃で発酵が起こります。その発酵臭が肺に入って、息が臭くなります。
胃に異常があると、“臭い息”が出やすくなります。
また、胃の内容物がこみ上げてくる「逆流性食道炎」の場合、胃液が食道に上がってくることで、酸っぱい臭いになります。
・ゲップが出る
・胸焼けを感じる
・咳が出る
・酸っぱい液体がせり上がってくる感じがする
・喉に違和感がある
上記症状があり、歯磨きやフロスなどこまめにしても状況が改善されない場合は、「逆流性食道炎」の可能性もあります。気になる方は専門医への受診をおすすめします。
また、胃腸がトラブルを起こすと食べたものが消化不良のため体内に長くとどまることになり、やがて腸内で異常発酵しはじめます。
異常発酵の過程でうまれた悪臭の成分が、腸内環境が悪化して悪玉菌が増加すると、より悪臭成分が発生します。
その悪臭成分が腸で吸収されて血流に溶け込み、体をめぐり肺に辿りつき、息として口から外に出ていくため口臭となります。
この口臭が、胃腸の不調により体内で発生した悪臭が口臭となるメカニズムです。
腸内環境のバランスが乱れ悪玉菌が増えると、さらに悪臭成分が増えることになります。
暴飲暴食を避け、適度に運動し、発酵食品・食物繊維など、善玉菌が好む食品を意識的に摂り腸内環境を整えると改善されていきます。
歯並びと口臭の関係は
歯並びの悪さと口臭も強い関連性があります。
-ガタガタの歯並び
歯並びが悪いということは、頑張って歯磨きをしても、重なり合った歯の隙間に汚れがたまりやすく、そこから口腔内の環境の悪化につながり、細菌が増え、悪臭の要因となります。
また、噛み合わせも悪い場合も、それが口臭発生の原因になることがあります。
-出っ歯口臭

出っ歯の方はわずかではあっても「常に口が開いている」状態になる方がほとんどです。
基本的に呼吸は鼻で行うものですが、口が閉じきらない状態だと口内の乾燥が進み、それが口臭発生のもととなってしまいます。
-受け口口臭

受け口は、反対咬合と呼ばれ上下のかみ合わせが逆の歯並びです。
このかみ合わせは、食べ物をかみづらくなるため、唾液の分泌量が低下し、自然と口内は乾燥しがちになってしまいます。
出っ歯の場合と同じように、口臭発生のもととなってしまいます。
-開咬(かいこう)口臭

開咬の方も唇が閉じにくいため、ドライマウス(口のなかが常に乾燥した状態)になりやすく、唾液の分泌量が減少し、口臭発生のもととなってしまいます。
歯列矯正をすると口が臭くなる?
矯正治療中は様々な要因から口臭が気になるという方もいらっしゃいます。矯正治療中に口臭が気になる要因をご紹介します。
-装置についた汚れ
ワイヤーであれマウスピースであれ、口内で利用しているため、歯と同様に汚れます。しっかりケアしたつもりであっても、装置の隙間に食べ物が残っていたため、そこから細菌が繁殖し、口臭発生のもとにつながることになります。
マウスピースの洗浄方法についてはこちら
-歯磨きがうまくできていない
装置があることで、装置のまわりや歯の表面との境目には汚れがたまりやすく、そして歯ブラシの毛先も届きにくいため、なんとなく磨いているだけでは汚れがしっかりと落ちません。特にワイヤー装置の場合は装置の下まで磨きにくいので、磨き残しができやすくなります。
マウスピースであれば、歯磨きの際外すことができるので、歯磨きがしやすいです。
-口が乾いている
口の中の装置が気になってつい口を開けてしまったり、装置があることで口自体が閉じにくくなり、乾燥しやすくなり、口臭発生のもとににつながりやすくなります。
矯正治療中の口臭はどうすれば治りますか?
口臭を防ぐ目的もあって歯列矯正をしているのに、治療中の口が臭いのは本末転倒ですよね。
矯正治療中の口臭対策方法についてお伝えします。
-こまめな口腔ケア
何かを飲んだり食べたりしたあとには、かならずこまめに歯ブラシなどを利用して汚れを落とすようにしましょう。矯正装置が口内にあるため、少しの汚れでも臭いのもととなる細菌が繁殖原因や虫歯のもとになりやすい状態です。また、まめにケアすることで歯の着色汚れも抑えることができます。
【矯正治療中のセルフメンテナンス】歯の磨き残しを防ぐ3つの方法
-デンタルフロスや歯間ブラシなど、口腔ケア用品を活用する
自分なりに、どんなに口内ケアを頑張っていても、どうしてもブラシの毛先が届かない場所や磨きにくい場所はあります。そのような箇所にはデンタルフロスや歯間ブラシなどを活用し、磨き残しの無いように努めましょう。舌苔が強い人は、さらに舌もブラッシングしてにおいのもとを断ちましょう。
また、外出先などで食後すぐに歯磨きができない場合は、洗口液を利用するのもおすすめです。外出先だけでなく、歯磨きの後にも洗口液でうがいをするのも効果的です。
矯正中の外出時に便利な歯磨きグッズはこちら
-口の中の乾燥を防ぐ
口内の乾燥は臭いのもとにつながります。まめに水やお茶などを飲んだり、できるだけ口を閉じて鼻で呼吸するように気を付けましょう。
-歯科医院でクリーニングしてもらう
矯正治療中の口臭予防は自宅でお手入れが大前提ですが、どうしても磨き残しがあるなど、セルフケアでは限界があるのも確かです。
矯正中は歯科医院に定期的に通院します。その際に歯のクリーニングを行ってもらうのもおすすめです。
クリニックの専門的な機械や薬品を利用するため、歯と歯の間だけでなく、歯と歯茎の間や歯と矯正器具の間、矯正装置の洗浄など、セルフケアできないできないところでもしっかり汚れを落とせます。
また、セルフケアに役立つ情報が得られたり、歯科のみで販売されている歯磨き粉や歯ブラシなどを手に入れることもできます。
矯正治療中の歯のクリー二ングについてはこちら
子どもの口臭が臭い
矯正治療中のお子様の口臭のご相談を受けることもあります。
起床直後の臭いに関しては、唾液が少ないと大人も臭いますので、そのあとの歯磨きなどで臭いが消えるならば問題はありません。
しかし、ずっと口臭が気になる状態であるならば、いくつかの原因があります。まず疑われる原因は以下の通りです。

-お口のケア不足・むし歯
矯正治療中は歯磨きが上手にできないと、口の中に食べカスが残ります。その食べカスが細菌の繁殖を促進し、口臭の原因となります。
また、食べカスが口の中に残っていると、口腔内のpH(酸)が変化しむし歯の原因となり、これも口臭の原因となります。
お子様自身のケアが怪しい場合はご家族が仕上げチェックをしたり、歯のケア用品を増やしてみましょう。
-口呼吸・ドライマウス
口呼吸は、鼻から息を吸う代わりに口から息を吸うことを指します。口呼吸をすると、口の中が乾燥しやすくなります。口の中が乾燥すると、唾液の量が減り、口の中の細菌が増殖しやすくなります。この細菌が増えると、口臭の原因となります。
また、口呼吸をすると、鼻腔での濾過や加湿が十分に行われず、細菌や異物が喉や口の中に直接入りやすくなります。これも口臭を引き起こす可能性があります。
さらに、口呼吸を続けると、口の中やのどが乾燥するため、口の中の細菌が酸を作りやすくなります。この酸は、歯や歯茎を傷つけ、口臭を引き起こす原因になります。
そのため、口呼吸を改善し、鼻で呼吸できるようになることが重要です。
鼻呼吸を習慣づけるためには、鼻詰まりの原因を取り除いたり、口呼吸が慢性的な問題である場合は、口周りの筋肉を強化して鼻呼吸を促進するための訓練を行ったりすることが役立ちます。
–消化器系の不調など
まれではありますが、便秘など胃腸の病気、鼻や喉の病気も炎症や潰瘍に伴う嫌な臭いの原因に。鼻詰まりの原因を取り除いたり、専門家に相談して適切な対処方法を見つけることが重要です。
口臭が全くない人はいないため、気にし過ぎるのは良くありませんが、口臭トラブルは防ぎようがないものではなく、ちょっとした心がけで口腔内を清潔に保てるように気をつけることで口臭予防になるでしょう。
歯列矯正を検討している方は口臭トラブルに見舞われないためにも、歯並びを改善し、口内ケアをしっかりと意識しましょう。
もし当院で矯正治療中で、口臭が気になった場合は来院時にお気軽にご相談ください。
「歯の矯正をしたらブサイクになった」を防ぐ【VTO】視覚的治療目標とは
歯の矯正治療が終わり、歯並びはきれいになったのに矯正する前より「ブサイクになった」と感じる方が一定数いらっしゃるようです。
そこで、大宮SHIN矯正歯科では、患者さまが矯正治療後にブサイクになったと感じることを防ぐために治療を始める前に、歯並びのシミュレーションだけでなく、VTO(顔面的な治療計画の予測)を立ています。
なぜ、歯並びが変わると顔つきも変化し、最悪の場合「ブサイクになった」と感じてしまうのか、また、VTOとは?聞き慣れない言葉だと思いますが、歯列矯正におけるVTOについてご説明します。

歯の矯正で顔つきが変わるのはなぜ?
歯の矯正治療による顔つきの変化は個人によって異なります。目立った変化が見られない場合もありますが、歯の矯正治療が終了すると顔つきに変化が見られる場合があります。
これは主に以下の要因によるものです。
顎の位置の変化
歯の矯正治療は、歯を移動させるだけでなく、顎の位置が調整されることもあります。
わかりやすい例を挙げれば、子どもの歯列矯正です。治療開始時期と終了時期で、およそ1~2年はかかりますが、その間子どもは身体はもちろん、頭自体の大きさも変われば、顎周りの環境も変わっています。
そういった骨格の変化を捉えたうえで、治療終了時に無事正しい歯列となるよう、綿密な計画を立てることが重要となります。
大人の矯正でも、歯並びが変わることで上顎や下顎の前後方向の位置が変化し、顔の長さの比率が変わることがあります。この変化により顔つきが変化します。

顔の輪郭の変化
歯列矯正治療によって歯並びが整い、噛み合わせが改善されると顎の筋肉や組織が適切に働くようになります。張っていたエラがなくなったり、顎下のたるみが緩和され、顔の輪郭線も変化することがあります。
これらの変化は個人によって異なりますが、歯列矯正治療によって顔の輪郭が変わることで、よりバランスの取れた顔の形状や輪郭が得られるといわれています。

口元のバランスの変化
歯の位置や噛み合わせの改善により、口元の形状や口角の位置が変化することがあります。例えば、前歯が突き出していた場合にその突出が軽減されることで、口元がすっきり見えるようになります。

歯の矯正をしたらブサイクになったと感じる原因

歯の矯正治療が終了した後にブサイクになったと感じる場合、一般的には以下のような顔の変化に関連している可能性があります。
顔の長さの割合の変化
歯の矯正治療が終了すると、歯並びが整い顎の位置が調整されることで、顔の長さが変化する場合があります。しかし、個人の美的感覚によっては、この変化が不自然に感じられ、面長になってしまったと感じられることがあります。
口元のバランスの変化
歯の位置が変わることで、口元のバランスも変化する可能性があります。
出っ歯の場合、いわゆる口ゴボと言われる突出した口元が歯列矯正により引っ込んだことで、以前とは異なる口元の形や表情になります。
具体的には、鼻の下が伸びたと感じるようになったり、逆に口元が引っ込んだことでほうれい線が目立つようになる場合があり、それがブサイクに見えると感じることがあります。
顔全体の印象の変化
歯列矯正のために歯を抜くか抜かないかで、顔全体の印象が変化する場合があります。
適応でない非抜歯矯正の場合、歯を並べるスペースが足りないのに歯を抜かずに矯正したことで、前から見た歯並びは整っているけれど、口を閉じた時や横から見た口元のシルエットは突出してしまい、かえって出っ歯になったと感じることがあります。
自己認識の変化
矯正治療が終了すると、以前とは異なる自分の姿を見ることになります。そのため、自己認識が変化し、不慣れで違和感を感じることがあります。
VTO(Visual Treatment Objectives)とは
VTOとは「Visual Treatment Objectives」の略語で、視覚的治療目標という意味です。
矯正歯科医が治療の目標や方針を設定する際にVTOが使用されます。患者さまの顔の形や歯の配置などを考慮して、治療後の予想される顔の外観をシミュレーションし、最適な治療計画を立案するのに役立つツールです。
治療後の歯並びのシミュレーションだけでなく、VTOによって作成された予測画像を患者さまと共有することで、より明確な治療ゴールについての理解を深めるられるコミュニケーションツールとしてVTOが活用されます。
VTOはどうやって作成するの?
顔写真と精密検査で採得した頭部のレントゲン画像と歯型のデータを元に作成されたセファロ分析とクリンチェックによって算出された数値を、専用のソフトウェアやコンピュータープログラムに入力します。
すると、AIが顔のプロポーションや歯の位置を自動的に調整し、治療後の顔の外観をシミュレーションしモーフィング画像を作成します。


VTOはどこでできるの?費用は?
VTOは大宮SHIN矯正歯科で精密検査を受けていただいた方に作成しています。基本的には、上下顎前突など横顔が変化する可能性のある歯並びの症例の方に行っています。
※2024年4月以降に精密検査を受けていただいた患者さまにお見せしています。それより前に検査を受けた方でVTOをご希望の患者さまは歯科医師またはスタッフにお声がけください。
費用は、精密検査代¥33,000~¥66,000です。費用の詳細はこちらをご覧ください。
VTOで作成される顔の外観ははあくまで予測のため、実際の治療結果はシミュレーションと異なる場合があります。
しかし、お顔のイメージを視覚的に把握できるため、治療前に担当医と患者さまの間でどのような変化が期待できるかを明確に理解できることがメリットです。
VTOを活用することで、歯列矯正における顔貌の変化のイメージが伝わりやすくなり、治療後にブサイクになったと感じる患者さまの後悔を未然に防げると考えています。
【関連リンク】
矯正前診断 CT検査により安心で最適な治療法を
https://shin-ortho.com/blog/5478/
口腔内スキャナー(iTero Element アイテロ エレメント)とは?
https://shin-ortho.com/itero-element/
上下顎前突 23歳 男性 治療期間:2年8ヶ月
叢生 27歳 男性 治療期間:2年1ヶ月
叢生・上顎前突 30歳 男性 治療期間:2年10ヶ月
ガタガタと出っ歯を気にして来院された患者様です。抜歯(上下左右第一小臼歯)で、表側矯正(ワイヤー)を使用し、ガタガタと咬み合わせを改善しました。
主訴:ガタガタと出っ歯が気になる
診断名:叢生・上顎前突
初診時年齢・性別:30歳・男性
治療装置:表側矯正(ワイヤー)
抜歯or非抜歯:抜歯(上下左右第一小臼歯)
治療期間:2年10ヶ月
リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
費用:82万円程度(税別)
詳細はこちらをご覧ください


