矯正中に歯周病が悪化しやすいのはどんなケース?進行を防ぐために意識したいポイント

2026.04.20UPDATE:2026.04.15

矯正治療と歯周病の関係

歯列矯正を検討されている方の中には、歯周病との関係性について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

矯正治療と歯周病には深い関わりがあります。矯正治療は、歯並びを整えることで清掃性の向上につながる場合があります。ただし、治療中の口腔環境の変化により、一時的に歯周病のリスクが高まる可能性があることも事実です。

矯正治療を成功させるためには、歯周病との適切な向き合い方を理解しておくことが大切です。

矯正中に歯周病が悪化しやすいケースとは?

ブラケット装置周辺のプラーク蓄積

表側ワイヤー矯正を選択された場合、歯の表面に装着される「ブラケット」や「ワイヤー」が、プラーク(歯垢)の蓄積を招きやすくなります。

ブラケット周辺は複雑な形状をしているため、通常の歯磨きだけでは汚れを完全に除去することが難しくなります。プラークが溜まったままだと歯肉が炎症を起こし、進行する可能性があります。

歯の移動による一時的な歯周組織の変化

矯正治療で歯を動かすメカニズムは、矯正装置の力によって歯の根っこの「歯根膜」に負荷がかかり、歯の周りの骨を壊しながら動き、歯が動いた後方の骨を作りながら移動していきます。

この過程で一時的に歯周組織が不安定になり、細菌が入り込みやすい隙間ができることがあります。既に歯周病がある状態で矯正治療を始めると、歯周病の細菌がこの隙間に入り込み、症状が悪化してしまう恐れがあります。

歯周病が進行している状態での矯正開始

歯周病が進行していると、歯の動きが速くなるばかりか、歯を支える骨が作られないままとなり、歯がグラグラ動いて抜けてしまう恐れもあります。

そのため、矯正治療を開始する前には、歯周病の治療を行って口腔内の歯周病の原因となる細菌を減少させ、歯や骨の状態を安定させることが優先されます。状態によっては、矯正治療の開始が難しい場合があります。

あわせて読みたい

矯正中のお口の変化が気になる方は、抜歯後の経過や注意点についてもあわせて確認しておくと参考になります。

矯正で抜歯した後はどれくらい痛む?痛みのピークと回復までの経過とは

矯正治療前に必要な歯周病治療

基本となる歯周病治療

歯周病の基本となる治療は、歯や歯根に付着しているプラークや歯石、重度の場合は膿などの毒素を取り除くことです。

歯科医院でのプロフェッショナルケアとして、機械あるいは手動の器具で歯の表面や歯周ポケットの入り口に付着しているプラークや歯石を取り除く「スケーリング」を行います。歯の表面を磨いて汚れを付きにくくします。これと並行して、毎日のご自身での歯磨きの両方でお口の中の環境を守ることが大切です。

重度の場合の外科的処置

歯周病基本治療を行っても取り除けない奥深く潜んでいる汚れには、外科手術を伴うこともあります。

歯周ポケットの奥深く骨にまで細菌が入り込んだ重度の状態では、骨が溶けていき歯を支えられなくなり、やがて抜歯が必要になる可能性があります。そのため、適切な外科的処置が必要になる場合があります。

矯正開始のタイミング

歯周病治療後、口腔内の状態が安定してから矯正治療を開始します。

治療開始時期は、歯周病の進行度や治療内容によって異なります。歯科医師が歯や骨の状態を慎重に評価し、適切なタイミングを判断します。焦らず、しっかりと歯周病を改善してから矯正治療に臨むことが、長期的な成功につながります。

矯正中の歯周病予防法

装置に合わせた適切なブラッシング方法

ワイヤー矯正の場合、ブラケット周辺は特に念入りに磨く必要があります。

通常の歯ブラシに加えて、「ワンタフトブラシ」(先端が細い歯ブラシ)や「歯間ブラシ」を使用し、ブラケットとワイヤーの隙間、歯とブラケットの境目を丁寧に清掃することが重要です。歯磨きの時間は、矯正前よりも長くかかることを想定しておきましょう。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリット

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、ワイヤー矯正と比較して清掃しやすいというメリットがあります。

食事や歯磨きの際には装置を取り外すことができるため、通常通りの歯磨きが可能です。装置自体も洗浄できるため、口腔内を清潔に保ちやすくなります。7〜14日でマウスピースを交換し、少しずつ歯を動かすため、ワイヤー矯正より違和感が比較的少ないと感じる場合があります。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は1週間に1度マウスピースを交換し、1ヶ月で約1mm(1週あたり約0.25mm)ずつ歯を移動させます。そのため、ワイヤー矯正と比べて違和感が比較的少ないと感じる場合があり、通院頻度も少なくなる場合があります。

定期的なプロフェッショナルケア

矯正治療中は、定期的に歯科医院でのプロフェッショナルケアを受けることが大切です。

自分では取り切れない汚れや歯石を専門的な器具で除去してもらい、歯周病の早期発見・早期治療につなげます。歯科衛生士から正しいブラッシング指導を受けることで、日々のセルフケアの質も向上します。

歯周病に配慮した矯正治療の選択肢

マウスピース型矯正装置(インビザライン)の特徴

歯周病に悩んでいる方に、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を選択肢の一つとして検討されることがあります。

目立ちにくい、違和感が少ないとされる場合がある、清掃しやすい、通院頻度が比較的少ないといった特徴があります。特に歯周病予防の観点で清掃しやすい特徴があります。取り外し可能な装置のため、食事の際の食べ物の詰まりや引っ掛かりも少なく、プラークコントロールがしやすいお口の環境を維持できます。

ワイヤーとマウスピースの併用治療

マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独では難しい症例には、ワイヤーとマウスピースの併用治療が適用されます。

比較的難しい歯並び・かみ合わせを、まずワイヤーで改善してからマウスピースに移行することで、矯正治療を無駄なく、効率的に治療を進められる場合があります。この方法により、治療の各段階で状態に応じて装置を選択し、歯周病リスクに配慮しながら治療を進められます。

部分矯正という選択肢

費用を抑えるために部分矯正を希望される方もいらっしゃいますが、部分矯正は決して簡単な治療ではありません。

全体のかみ合わせや骨格を加味して治療を行わないと、後戻りしたり、歯茎が下がったりというトラブルも想定されます。当院では、後戻りしにくいかみ合わせを加味した治療、歯と骨格のバランスが取れるように計画を立て、正面、横顔共にバランスのとれる矯正治療を行っております。

大宮SHIN矯正歯科の歯周病対策へのアプローチ

専門性の高い治療体制

当院では、状態に応じて矯正治療の方法を検討しています。抜歯を伴う症例や、他院で治療を受けた後の再治療についても、状態に応じて治療方法を検討しています。

患者さま一人ひとりの状態や希望を踏まえた治療方針

患者さま一人ひとりで歯並びや噛み合わせ、生活背景は異なるため、状態や希望を踏まえて治療計画を検討します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療に対応しています

抜歯を伴う症例についても、状態に応じて治療方法を検討しています。大宮駅西口から徒歩2分で、土日も診療を行っています。

まとめ

矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。
矯正治療中に歯周病が悪化しやすいケースは、主にブラケット周辺のプラーク蓄積、歯の移動による歯周組織の変化、既存の歯周病がある状態での治療開始の3つです。

適切な予防策や治療方法の選択により、これらのリスク軽減につながる可能性があります。矯正治療前の歯周病治療、装置に合わせた丁寧なブラッシング、定期的なプロフェッショナルケア、そして歯周病に配慮した装置選択が重要なポイントとなります。

特にマウスピース型矯正装置(インビザライン)は、特徴の一つとして清掃しやすさが挙げられます。矯正治療は、歯並びを整えることで長期的な歯周病予防にもつながる治療法です。不安を感じている方は、まずは歯科医師に相談し、ご自身の状態に応じた治療計画を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

大宮SHIN矯正歯科では、歯周病に配慮しながら、患者さま一人ひとりの状態や希望を踏まえて治療計画を検討しています。詳しくは、大宮SHIN矯正歯科 矯正をご覧ください。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)について

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)において承認を受けていない医療機器です。

本装置は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、インビザライン・ジャパン社を通じて、歯科医師の判断のもと入手しています。

日本国内にも、マウスピース型矯正装置(インビザライン)として薬機法の承認を受けている医療機器が複数存在します。

なお、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、米国食品医薬品局(FDA)により医療機器として認証を受けています。

また、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

歯ぐきの腫れや出血が気になる方へ

矯正中は装置の影響で清掃が難しくなり、歯周病が進みやすい場合があります。初診ではお口の状態やセルフケアの確認も行います。

LINEで相談する

次の一歩

進行を防ぐには、早めの確認と日々のケアが大切です。気になる変化がある場合は無理をせず相談してください。

相談予約はこちら

著者情報

大宮SHIN矯正歯科 院長 矢野 晋也

経歴

2001年 日本大学歯学部卒業

2006年 日本大学歯学部矯正科大学院卒業

2008年 日本大学歯学部矯正科専修医

2010年 日本大学歯学部矯正科助教

2013年 大宮SHIN矯正歯科開業

2016年 医療法人社団バリュースマイル

     大宮SHIN矯正歯科理事長就任

 

資格・所属学会

歯学博士

日本矯正歯科学会認定医

日本矯正歯科学会会員

日本舌側矯正歯科学会

日本顎変形症学会

日本口蓋裂学会

日本成人矯正歯科学会

東京矯正歯科学会会員

さいたま市立植竹中学校 校医

日本歯科医師会

埼玉県歯科医師会

大宮歯科医師会

日本医師薬専門学校 非常勤講師(審美矯正学)

日本大学歯学部歯科矯正学講座 同門会 理事

指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)

顎口腔機能診断施設

歯科矯正診断指定施設

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

ブログ一覧へ

初診相談予約 電話 LINE 初診相談とは?
初診相談予約24時間OK 症例を見る LINE予約ご相談OK 初診相談とは?