マウスピース型矯正装置が向いていないのはどんな人?判断の目安を整理

2026.04.18UPDATE:2026.04.15

透明で目立たず、食事や歯磨きの際に取り外せるマウスピース型矯正装置(インビザライン)は、近年多くの方に選ばれる矯正治療法です。しかし、すべての歯並びに適応できるわけではありません。

臨床の現場では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)には適応の違いがあると考えられています。

この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)が適さないケースや、その判断基準について詳しく解説します。自分の歯並びがマウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療に適しているか、気になる方はぜひ参考にしてください。

目次

マウスピース型矯正装置(インビザライン)の基本的な特徴

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、透明なプラスチック製のマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。

特徴の一つとして、装置が目立たないこと。接客業や営業職など、人前に出る機会が多い方でも比較的取り入れやすいと感じる方もいます。また、食事や歯磨きの際には取り外しができるため、従来のワイヤー矯正と比べて衛生管理がしやすいとされています。

ただし、1日20時間以上の装着が必要となります。装着時間を守れないと、計画通りに歯が動かず治療期間が延びてしまう可能性があります。

通院頻度は1〜4ヶ月に1回程度で済むため、忙しい方でも継続しやすいと感じる方もいます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)が向いていない7つのケース

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は選択されることが多い治療法の一つですが、すべての症例に対応できるわけではありません。ここでは、適応が難しいケースを詳しく見ていきます。

重度の叢生(歯のガタガタ)がある場合

叢生とは、歯が重なり合ってデコボコになっている状態です。

重度の叢生であっても、マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独で治療が検討される場合があります。

一方で、かみ合わせが深い出っ歯で抜歯を伴う症例や、歯の重なりが比較的少ない場合でも抜歯が必要となる上顎前突・上下顎前突などでは、マウスピース単独よりもワイヤー矯正を併用することで、効率的に治療を進められる場合があります。

重度の上顎前突(出っ歯)がある場合

上顎前突、いわゆる「出っ歯」は、上の前歯が前方に突出している状態です。

骨格的な問題が原因で重度の出っ歯になっている場合、歯を動かすだけでは改善が難しいことがあります。特に、顎の骨の大きさや位置に問題がある骨格性の上顎前突では、外科手術を併用した矯正治療が検討される場合があります。

また、見た目には軽度に見える場合でも、治療方法の選択に注意が必要なケースがあります。

例えば、

・歯の重なりが少ないものの、抜歯が必要となる上下顎前突(口元の突出感がある状態)
・前歯の前後差(ジェット)が大きく、かみ合わせが深い過蓋咬合

といった症例では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独では対応が難しい場合があり、ワイヤー矯正を併用することで、より適切に歯の移動やかみ合わせの調整を行えることがあります。

重度の受け口がある場合

受け口は、下顎前突とも呼ばれ、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。

骨格的な問題が原因の重度の受け口では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけでの治療は困難です。下顎の骨が過剰に成長している場合や、上顎の成長が不足している場合には、外科的な治療を併用する必要があります。

ただし、歯の傾きが原因の軽度な受け口であれば、マウスピース型矯正装置(インビザライン)でも改善が見込まれる場合があります。

複数本の抜歯が必要な症例

歯を並べるスペースを確保するために、複数本の抜歯が必要な症例では注意が必要です。

抜歯後は歯の移動距離が長くなるため、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけでは治療が困難な場合があります。特に、上下左右で4本の小臼歯を抜歯するような症例では、ワイヤー矯正のほうがスムーズに治療が進むことが多いです。

当院では、抜歯症例でもマウスピース型矯正装置(インビザライン)で対応できるケースが多くありますが、必要に応じてワイヤー矯正を6〜10ヶ月ほど併用することもあります。

埋伏歯がある場合

埋伏歯とは、歯が歯茎の中に埋まったままで、完全に生えてきていない状態を指します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)単独では、埋伏している歯の移動に対応しにくい場合があります。埋伏している歯を正しい位置に導くためには、ワイヤー矯正などの他の治療法が必要になります。

特に、親知らず以外の犬歯や小臼歯が埋伏している場合には、専門的な技術と特殊な装置が必要となります。

複数のインプラントが入っている場合

インプラントは、人工の歯根を顎の骨に埋め込む治療です。

矯正治療では、歯根の周りにある歯根膜という組織が伸び縮みすることで歯が動きます。しかし、インプラントには歯根膜がないため、矯正力を加えても動かすことができません。

複数のインプラントがある場合、周囲の歯の移動が制限されるため、治療計画どおりの歯の移動が難しくなる場合があります。このような症例では、セラミック矯正など他の治療法を検討する必要があります。

中程度から重度の歯周病がある場合

歯周病が進行していると、歯を支える骨や歯茎が弱っています。

このような状態で矯正治療を行うと、歯が動きすぎたり、歯周病がさらに悪化したりするリスクがあります。マウスピース型矯正装置(インビザライン)に限らず、矯正治療自体がリスクを伴う可能性があります。

まずは歯周病の治療を優先し、歯茎や骨の状態を改善させることが重要です。軽度の歯周病であれば、定期的な口腔ケアと歯科医師による管理のもと、矯正治療が可能な場合もあります。

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マウスピース型矯正装置だけでは判断が難しい場合は、ほかの治療法との併用について知っておくのも参考になります。

マウスピース型矯正装置とワイヤー矯正を併用する治療とは?適応ケースを解説

マウスピース型矯正装置(インビザライン)が向いていない人の特徴

歯並びの状態だけでなく、患者さまの生活習慣や性格によっても、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の適性は変わってきます。

装着時間を守れない可能性がある人

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、1日20時間以上の装着が必要です。

食事と歯磨きのとき以外は、常に装着している必要があります。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまいます。

仕事の都合で頻繁に外す必要がある方や、装着を忘れがちな方には、取り外しのできないワイヤー矯正のほうが適している場合があります。

自己管理が苦手な人

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、決められた期間ごとに新しいマウスピースに交換する必要があります。

交換時期を守らなかったり、マウスピースの衛生管理ができなかったりすると、計画通りに進まない可能性があります。また、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を紛失してしまうと、治療の進行に支障が出ることもあります。

自己管理に自信がない方は、歯科医師と相談しながら、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)ができない場合の代替治療法

マウスピース型矯正装置(インビザライン)が適さない場合でも、他の矯正治療法が検討されることがあります。

ワイヤー矯正

従来のワイヤー矯正は、歯にブラケットという装置を取り付け、ワイヤーで歯を動かす方法です。

重度の不正咬合や複雑な症例で選択されることがある治療法です。最近では、目立ちにくい白いブラケットや、歯の裏側に装置を付ける舌側矯正もあります。

当院では、大学病院の矯正科で12年以上研鑽を積んだ院長が、ワイヤー矯正の豊富な経験を生かした治療計画を作成しています。

ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)の併用

歯の移動量が大きい場合や、細かい調整が必要な場合には、両方の治療法を組み合わせることがあります。

最初にワイヤー矯正で大きく歯を動かし、その後マウスピース型矯正装置(インビザライン)で仕上げる方法です。これにより、治療期間を短縮しながら、目立たない期間を長く確保できます。

当院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)だけでは難しいと判断した場合、部分的にワイヤー矯正を6〜10ヶ月ほど併用することもあります。

当院のマウスピース型矯正装置(インビザライン)の特徴

当院では、検査結果や口腔内の状態をもとに治療方針を検討しています。

当院の診療体制

大学病院の矯正科で12年以上研鑽を積んだ院長が、すべての症例に関わっています。症例の状態に応じて治療方法を検討しています。

ワイヤー矯正の知識を応用した精密な治療計画により、マウスピース型矯正装置(インビザライン)での治療を提供しています。

精密なデジタル診断

当院では、iTeroという口腔内スキャナーを使用して、3Dスキャンを行います。

従来の粘土による型取りは不要で、嘔吐反射がある方でも負担軽減につながる場合があります。また、スピーディーかつ詳細なデータ取得に活用されています。

治療後の歯並びを事前に確認できる「クリンチェック」により、歯がどのように動き、治療終了時にどうなるかを3Dシミュレーションで確認できます。

遠隔モニタリングで通院負担を軽減

当院では、デンタルモニタリングという遠隔モニタリングシステムを導入しています。

スマホで口の中を撮影するだけで、AIと矯正医が治療経過をチェックします。通院頻度の調整につながる場合があるため、通院や経過確認の方法の一つとして活用しています。

専用アプリで予約、会計、診察券、治療情報確認がスマホ一つで完結します。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)を検討する際の注意点

マウスピース型矯正装置(インビザライン)を選ぶ際には、いくつかの注意点があります。

適切な診断と治療計画が重要

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、一般歯科でも取り扱われることがある治療法です。

しかし、適切な診断と治療計画がなければ、計画通りに治療が進まない可能性があります。矯正歯科を専門に学んだ歯科医師による診察を受けることが一つの判断基準となります。

当院では、大学病院で矯正歯科を専門に学んだ院長が、すべての症例に関わり、精密な治療計画を作成しています。

医療機器として認められた装置を選ぶ

マウスピース型矯正装置(インビザライン)には、医療機器として認められたものと、そうでないものがあります。

医療機器として認められていない機器で作製されたマウスピースによる期待通りの結果が得られない可能性があります。治療を受ける際には、医療機器として認められた装置であるかを確認することが大切です。

当院では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療に対応しています。

まとめ:自分に合った矯正治療を選ぶために

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、透明で目立たず、取り外しができる矯正治療法です。

しかし、重度の不正咬合、骨格的な問題、歯周病、埋伏歯、複数のインプラントがある場合など、適応が難しいケースもあります。また、装着時間を守れない方や自己管理が苦手な方には、他の治療法のほうが適している場合があります。

大切なのは、自分の歯並びの状態や生活習慣に合った治療法を選ぶことです。

当院では、初診相談を実施しています(セカンドオピニオンを除く)。マウスピース型矯正装置(インビザライン)が適しているか、他の治療法が必要か、詳しく診断した上で丁寧に説明いたします。

「マウスピース型矯正装置(インビザライン)を用いた治療が適しているかわからない」「なるべく目立たずに矯正したい」「治療期間や費用が知りたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。口腔内の状態や検査結果をもとに、治療計画についてご説明しています。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)について

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)において承認を受けていない医療機器です。

本装置は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、インビザライン・ジャパン社を通じて、歯科医師の判断のもと入手しています。

日本国内にも、マウスピース型矯正装置(インビザライン)として薬機法の承認を受けている医療機器が複数存在します。

なお、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、米国食品医薬品局(FDA)により医療機器として認証を受けています。

また、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

自分に合う矯正方法を知りたい方へ

マウスピース型矯正装置が向いているかどうかは、歯並びや生活習慣によって異なります。初診では適応や治療方法の選び方をご案内します。

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治療法選びは見た目だけでなく、適応や通院のしやすさも大切です。迷った段階で相談するのが安心です。

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著者情報

大宮SHIN矯正歯科 院長 矢野 晋也

経歴

2001年 日本大学歯学部卒業

2006年 日本大学歯学部矯正科大学院卒業

2008年 日本大学歯学部矯正科専修医

2010年 日本大学歯学部矯正科助教

2013年 大宮SHIN矯正歯科開業

2016年 医療法人社団バリュースマイル

     大宮SHIN矯正歯科理事長就任

 

資格・所属学会

歯学博士

日本矯正歯科学会認定医

日本矯正歯科学会会員

日本舌側矯正歯科学会

日本顎変形症学会

日本口蓋裂学会

日本成人矯正歯科学会

東京矯正歯科学会会員

さいたま市立植竹中学校 校医

日本歯科医師会

埼玉県歯科医師会

大宮歯科医師会

日本医師薬専門学校 非常勤講師(審美矯正学)

日本大学歯学部歯科矯正学講座 同門会 理事

指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)

顎口腔機能診断施設

歯科矯正診断指定施設

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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