こんにちは。

さいたま市大宮区 SHIN矯正歯科 院長の矢野です。

 

先日3.11東日本大震災から8年目を迎えました。毎年この時期になると特集して報道される福島第一原発について、8年立っても未だ解決できていない問題が山積みなことを知り、改めて私たちの生活を便利にするために開発された放射能の代償の大きさに心が痛みます。

 

 

しかし、歯科の治療で放射線を浴びてしまう機会があります。それは、診断に使われるレントゲン撮影や、CTスキャンのエックス線です。エックス線とは、何種類かある放射線のうちのひとつです。放射線は目に見えないので、より恐ろしく不安に感じてしまいますよね。

 

 

SHIN矯正歯科でも、矯正治療前の診断をするための精密検査でレントゲンやCTを撮影することがあります。今日はみなさまが安心して精密検査を受けていただけるよう、医療用の放射線の安全性レントゲンとCTの違いについて、お伝えしていきたいと思います。

 

 

 

自然放射線と人工放射線


 

日常生活の中の放射線は、自然から発せられる「自然放射線」と、医療用のレントゲンやCTスキャンに用いられる放射線や原子力発電所で生まれる放射線の「人工放射線」があります。

 

原発に関するニュースが流れていると、必ず「ベクレル」とか「シーベルト」という言葉を耳にします。放射能を出す方に注目した単位が「ベクレル」で、放射能を受けた方に注目する単位、つまり人体への影響を表す単位が「シーベルト」です。低い放射線量のときにはシーベルトの1000分の1のmSv(ミリシーベルト)を使用します。

 

 

自然放射線とは宇宙・大地・食物・大気から受ける放射線のことで、日本人ひとりが1年間に受ける量は平均1.5〜2.1mSv言われています。飛行機に乗ると宇宙からの放射線を浴びることになり、地上から高いところほど量が多くなります。例)東京からニューヨークを往復すると0.2mSvの被曝量

 

 

 

歯科用エックス線の種類


 

SHIN矯正歯科では通常、矯正治療前の診断をするための精密検査で、横長のお口の中のレントゲン写真(パノラマ)と、顔の骨格を調べるために横向きの頭部のレントゲン写真(セファロ)を撮影しています。そして、必要に応じてCT検査を導入しています。

 

 

↑パノラマ写真

↑セファロ写真

 

※精密検査の詳しい流れについてはこちら

マウスピース矯正装置(インビザライン)体験① マウスピース装着までの流れ

 

CT検査とは


 

CTとはComputed Tomography (コンピュータ断層撮影)の頭文字をとった言葉です。レントゲンに高度なコンピュータを組み合わせて詳しく検査する機械で、からだの周囲を回転しながらエックス線を照射することで、頭部の輪切りの画像を撮影します。骨などの影になって見えなかった部分も鮮明に見ることができます。

 

 

通常のレントゲン写真は2次元の平面なのに対して、CTは立体的に様々な方向から画像を見ることができる3次元画像です。顎の骨の形や硬さがわかり、神経の位置なども調べることができます。今までよく見えなかったものが見えることで、より正確な診断ができます。

 

 

 

下の写真の機械で、デジタルレントゲン画像とCT画像両方撮影することができます。CT検査にかかる時間は、機械の前に立っていただいて撮影するまで3分くらいです。短時間で分析能力の高い資料を採取することが可能です。

 

 

 

 

 

 

歯科用エックス線の被曝量


 

 

医療用のレントゲンとCTには医科用と歯科用があります。歯科用は医科用のものと比較すると、頭部しか撮影しないこともあり低被曝です。パノラマ写真を撮影する際の被曝量は0.03mSv、CTは1枚につき0.1mSvと言われています。

 

ものを突き抜けることができる放射線ですが、エックス線は鉛で遮ることができます。歯科医院でレントゲンの撮影をする時に重いエプロンを着用させられるのは、念のため身体にエックス線が当たらないようにするためです。

 

また妊娠中の方に関しては、1回のパノラマ撮影は0.03mSvなのに対し、妊娠初期に100〜120mSv以上もの被曝を受けたときに奇形や精神発達遅滞が生じる恐れがあると言われており、影響はありませんが、当院では安定期前の妊婦さんのレントゲンの撮影は控えております。

 

 

 

※妊活中・妊娠中の方の矯正治療についての記事はこちらから

 

妊活中・妊娠中のマウスピース矯正装置(インビザライン)について 

 

 

 

 

先ほど述べたように、日本人が浴びる平均年間自然放射線量が1.5mSv〜2.1mSvなので、歯科治療におけるエックス線の影響はごくわずかです。それでも、レントゲンより被曝量が若干多くなるCT検査は必要な方にしか受けていただいておりません。

 

 

 

CT検査が必要な場合


 

このような症状のときに、こちらから患者さまにCT検査を受けていただくように提案いたします。また、CT検査を受けていただく場合は通常の検査に料金が加算されます。

 

・埋伏歯(まいふくし)がある

・親知らずの抜歯

・親知らずの状態を確認したい

・レントゲンではわからない歯根の状態を確認したい

・欠損歯(けっそんし)または過剰歯(かじょうし)がある

 

 

 

 

CT検査によるメリット


 

①ハイリスク・ハイリターン

 

身体を透過するエックス線が医療用の検査に使用される以前は、からだの表面を視たり、触ったり、聴いたり、叩いたりして体内の様子を推定してい たのですが、エックス線検査によってからだを傷つけることなく体内の異常を診断できるようになりました。

 

原発事故のニュースの影響で、エックス線を利用したレントゲンやCT検査を懸念される方もいらっしゃると思います。放射線の量は少量で影響は無いと言っても、全く被曝しないわけではないので無害とは言い切れませんが、現在のところこれらの検査が、他の病気のリスクを増加させるかどうか科学的に証明されていません。

 

 

②安心して、最適な治療法を提案

 

その中でもCTは従来のレントゲン画像では曖昧だった部分が、3次元画像のおかげで見えなかった部分が見えるようになり、より正確な診断が可能になりました。患者さまに安心して治療を受けていただけますし、最適な治療法を提案することができます。

 

 

③治療期間の短縮

 

従来、歯科用CTの機械は大学病院など大きな病院にしか導入されていませんでした。もし、レントゲン写真で疑いがあった場合はCTの撮影のために、他の病院に通院していただくことになり、患者さまの負担が増加してしまいます。その点、当院ではCTの撮影はいつでも可能ですので、その分治療期間の短縮にもつながります。