当院でマウスピース矯正装置(インビザライン)で矯正治療中の患者さまは、20〜30代の女性の方が多く、そのため、矯正治療中に妊娠が発覚、または妊活中という方もよくいらっしゃいます。

 

 

 

妊活中・妊娠中でも、基本的にインビザラインでの矯正治療は可能です。ただし、治療を進める上で、いくつか注意点があります。そこで今回は、妊活中・妊娠中にインビザラインで矯正治療を受ける際に気をつけたい、5つのポイントをお伝えします。

 

 

 

1、治療開始前に、産婦人科の先生・矯正の先生としっかり相談しましょう


 

矯正歯科受診前にあらかじめ、かかりつけの産婦人科の先生に相談して、矯正の先生に産婦人科の先生の意見を伝えましょう。妊婦さんの場合には、妊娠していること、何週目なのか、お母さんの体の健康状態などを伝えましょう。

 

 

またインビザラインでの矯正治療は、適切な診断を行うためにレントゲン(X線)撮影や、治療時に抜歯が必要になる場合があります。妊娠初期や、出産直前などの不安定な時期は、レントゲン撮影や麻酔、薬剤の投与はできません。

 

ただし、そのような処置も安定期(5か月~)であれば可能な場合があります。時期をずらせば、インビザラインでの矯正治療をあきらめなくてもすむかもしれません。先生とよく相談しましょう。

 

 

 

2、妊活中・妊娠中のインビザライン治療を受けるなら必ずお口のケアを行いましょう


 

 

妊娠中のお母さんの口の中は、 つわりの影響や食生活の変化でむし歯や、 ホルモンバランスの乱れにより“妊娠性歯肉炎”という歯茎の病気になりやすい、非常にデリケートな状況です。

 

また、むし歯菌はお母さんから赤ちゃんにうつると言われていますし、お母さんが歯周病に感染していると、早産や低体重児出産になりやすいという報告もあります。 生まれてくる赤ちゃんのために、妊娠中は通常時にも増して、口の中を清潔に保つことが推奨されています。

 

インビザラインで矯正治療中は、常時マウスピースをはめているので、お口の中が乾燥しやすく、むし歯や歯周病になりやすい環境です。そのためより一層、お口のケアは重要です。

クリーニングや歯石取りなど、歯医者さんでの定期的なケアは必ず受けましょう。日々のホームケアも念入りに行ってください。

 

 

3、インビザラインでの矯正治療がストレスになってしまう場合には、治療中断の選択も


 

 

「妊活中のストレスはよくない」と一般的にいわれています。稀ではありますが、インビザラインによる矯正治療で大きなストレスを感じてしまう方がいらっしゃいます。そのような場合には、妊活と矯正治療どちらを優先したいか考えましょう。

 

また、妊娠中のつわりの症状については個人差が大きく、ほとんど症状が出ない方から、つわりの症状が重く、お口の中に矯正装置があると気持ち悪くなってしまう方まで、人それぞれです。妊娠中はお母さんの健康を一番に考えますので、我慢できない場合は治療中断を要することもあるでしょう。

 

インビザラインはマウスピース型矯正装置なので、患者さま自身での取り外しが可能です。ワイヤー矯正のように装置を外すために歯医者さんに行かなくても、自分でマウスピースを外すだけで容易に治療中断できるのがメリットです。

 

治療を中断した場合には、それまで動かしてきた歯は多少後戻りし、再開後に再び動かすため、マウスピースを付ける期間は長くなってしまいます。しかし、中断している間のブランクは後から取り戻すことができますので、状況が落ち着いてから治療を再開しましょう。

 

 

 

4、出産前後の通院は、お休みしましょう


 

 

 

インビザランでの矯正治療の場合、当院では1~2か月に1度の間隔で通院していただいています。しかし、臨月の外出は慎重になりますし、産後のお母さんの体はしっかり休めないといけません。出産前後は、矯正の通院をお休みして、体調が回復してきたら再開するようにしましょう。

 

3,4カ月であれば、通院しなくても大丈夫なように先生の方で治療をコントロールできますので、安心して出産のビッグイベントに臨んでください。

 

 

 

5、分娩の時は、忘れずにマウスピースを外しましょう


 

 

お産の経過によっては、分娩時に急きょ全身麻酔を行う場合があります。お口の中に装置が入っていると気道を確保する際に危険ですので、産気づいたらマウスピースは外しましょう。

 

 

以上が、妊活中・妊娠中にインビザラインで矯正治療を受ける際の注意点になります。

妊娠・出産は女性にとって大きなライフイベントです。

矯正治療を受けるには少しデリケートな時期ではありますが、上記の注意点を守って、健やかで美しい笑顔をかなえていただきたいです。 

 

 


 

さて、本日はSHIN矯正歯科の女医が記事を書かせていただきました。

 

私自身のインビザラインでの矯正治療は、まさに妊娠・出産というイベントをはさみながら無事に完了し、現在はワーママとして診療と子育てに奮闘しています。日々の慌ただしさに追われて、更新がすっかりご無沙汰になってしまいました。

 

当院の衛生士が新たにインビザラインで矯正を開始しましたので、しばらくはそちらの記事をお楽しみくださいね。落ち着いたら、また私もブログを発信させていただきます。