さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 院長の矢野です。
歯の矯正を始めるにあたって、日常生活の中で、ご不便をおかけしてしまう部分がでてきてしまいます。その一つが「食事」です。治療方法や、使用する矯正装置によって注意点が異なりますが、まずは、歯列矯正と聞くと多くの人がイメージする「ブラケット矯正」についてお話したいと思います。
ブラケット矯正は、固定式の装置になるので、食事中も装置を付けたままになります。ですから、ワイヤーに食べ物が絡まったり、どうしても食事がしづらくなってしまいます。
今日は、ブラケット矯正治療中は、避けた方がよい食べ物のご紹介と食事制限によるストレスを軽減するために、矯正中の食べ方のコツをお伝えします。
目次
ブラケット矯正中は絶対に避けたい食べ物
粘着性の強い食べ物
例:ガム、お餅、キャラメルなど
粘着性の強い食べ物は矯正装置にくっついてしまい、取れなくなってしまいます。
ブラケット矯正中はなるべく避けたい食べ物
粘着性の強い食べ物ほどではありませんが、矯正中はあまり召し上がらない方が良い食べ物をご紹介します。
装置に着色しやすい食べ物
例:カレー、ミートソースなどトマトソース系の食事、キムチなど
コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなどの飲み物
(主に色の濃い食べ物は注意が必要です。)
金属の矯正装置に着色することは、ほとんどありませんが、ブラケットにワイヤーを固定する
「モジュール」と呼ばれるゴムは着色しやすくなります。
色の付いていない透明や白いゴムは特に色が付きやすいです。
色が変わってもさほど気にならなければ、治療の上では特に問題はありません。
また、1か月に1度の来院の際に必ずゴムの交換をさせていただきます。
装置に挟まりやすい食べ物
例:繊維質な食べ物(ほうれん草など)、細めの麺類(ラーメン・そば・パスタなど)
「挟まりやすいので不快感がある」といったものです。
だんだん、お食事のコツもつかんで、歯ブラシにも慣れてくるので、時間の経過とともに気にならなくなってくるとは思います。
ブラケット矯正中工夫すれば食べられる食べ物
固い食べ物
例:せんべい、フランスパンなどの固いパン、リンゴなど
歯にワイヤーを固定している装置「ブラケット」が取れやすくなります。
噛みちぎって食べる食べ物
例:固めのステーキ肉や、骨付きのお肉
前歯で噛みちぎる際に「ブラケット」に強い力がかかり、取れやすくなります。
これらを食べるときのコツとしては、
『1口サイズに小さくし、前歯を使わないように、なるべく奥歯付近を使うようにする』
ことです。
基本的に「奥歯」は「すりつぶして消化しやすくする」、「前歯」は「噛みちぎって、奥歯で磨り潰しやすい大きさにする」ことが主な役割ですので、前歯の役割である「食物を小さくすること」を事前にして、なるべく奥歯で磨り潰すだけの状態にして食べればいいわけです。
歯の矯正は、大半の方が治療期間が数年間にわたります。そんな長い間、お食事を制限されることは、悩ましい問題ですよね。治療を開始した直後は不自由でも、次第に慣れて「食べられない、食べづらい」ストレスもだいぶ楽になると思います。
次回は、「ブラケット矯正より比較的食べ物の制限が少ない」と言われている、『マウスピース矯正装置(インビザライン )のお食事の注意点について』と、『矯正治療中にお痛みがあるときのお食事のアドバイス』をお話したいと思います。