さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 院長の矢野です。

歯の矯正を始めとお口の中に矯正装置が装着されることで、日常生活で不便になってしまうことがあります。その一つが食事です。

治療に使う矯正装置によって注意点は異なりますが、歯の矯正と聞くと多くの人がイメージする、歯に装置が固定されるワイヤー矯正は、特にワイヤーとブラケットの間に食べものが絡まりやすく、食事がしづらくなります。

そこで、ワイヤー矯正中は気をつけたい食べものの紹介と、食事制限によるストレスを軽減するためにワイヤー矯正中の食事のコツをお伝えします。

ワイヤー矯正中は絶対に避けたい食べもの

①粘着性の強い食べもの

例:ガム、お餅、キャラメルなど

粘着性の強い食べものは矯正装置にくっついてしまい、取れなくなってしまいます。

ワイヤー矯正中はなるべく避けたい食べもの

②装置に着色しやすい食べもの

例:カレー、ミートソースなどトマトソース系の食事、キムチなど

コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなどの飲み物

(主に色の濃い食べものは注意が必要です。)

金属の矯正装置に着色することは、ほとんどありませんが、ブラケットにワイヤーを固定する「モジュール」と呼ばれるゴムは着色しやすくなります。色の付いていない透明や白いゴムは特に色が付きやすいです。

1か月に1度の来院の際に必ずゴムの交換をするので、どうしてもカレーを食べたい時は、交換する前日に食べましょう。

色が変わってもさほど気にならないという方は、治療の上では特に問題はありません。

③装置に挟まりやすい食べもの

例:繊維質な食べもの(ネギ、ほうれん草など)、細めの麺類(ラーメン・そば・パスタなど)

これらの食べものはワイヤーとブラケットの隙間に挟まりやすく、絡まってしまうと不快感があります。

ワイヤー矯正を始めたばかりで歯磨きに慣れないうちは、絡まった食べものの除去に苦労します‥歯ブラシだけでなく歯間ブラシを使うと磨きやすくなります。

ワイヤー矯正中工夫すれば食べられる食べもの

④硬い食べもの

例:せんべい、フランスパンなどの固いパン、リンゴなど

歯にワイヤーを固定しているブラケットが取れやすくなります。

⑤噛みちぎって食べる食べもの

例:固めのステーキ肉や、骨付きのお肉

前歯で噛みちぎる際にブラケットに強い力がかかり、取れやすくなります。

ワイヤー矯正中の食事のコツ

硬い食べものやお肉を食べるときは、、

1口サイズに小さくカットして、前歯を使わず、なるべく奥歯で噛むようにする

基本的に歯の役割は、それぞれ次のような役割があります。

前歯→噛みちぎって、奥歯で磨り潰しやすい大きさにする

奥歯「食べものをすりつぶして、体内に取り入れたとき消化しやすくする

前歯の役割である「食物を小さくすること」をお口の外でして、なるべく奥歯で磨り潰すだけの状態にして食べればいいわけです。

歯の矯正は、大半の方が治療期間が数年間にわたります。そんな長い間、お食事を制限されることは、悩ましい問題ですよね。

矯正治療中の食事制限が不安な方は、ワイヤー矯正より比較的食事の制限が少ないと言われている、マウスピース方矯正装置(インビザライン)がおすすめです。

とはいえ、ワイヤー矯正を開始した直後は不自由でも、しばらくすると歯に矯正装置がついた生活に慣れてはいきます。「食べられない、食べづらい」ストレスも次第に軽減されていきます。

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