こんにちは!さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のHです!

矯正治療のために虫歯でもなんでもない健康な歯を抜くことがあります。これは、矯正治療を考える多くの方が不安に感じることのひとつです。抜歯することにあまり積極的でない方に、先生は治療方針を決める段階で抜歯した方がよいが、非抜歯でも出っ歯は治る」と診断することがあります。

できれば歯は抜きたくないですよね。でも、後からやっぱり抜歯すればよかった…と後悔する方もいます。抜歯でも非抜歯でも歯並びを治せると言われた場合、それぞれのメリットとデメリットをお伝えします。

矯正治療で歯を抜く目的


歯の大きさに対して顎が小さいなどの理由で、歯列にきれいに歯が並ばず不正咬合になっている場合、歯並びを整えるためのスペースを歯を抜いて確保します。抜歯する歯は、小臼歯(前歯と奥歯の間の歯)や親知らずを抜くことが多いのですが、それ以外の歯を抜くこともあります。

例えば、一般的には、12歳前後で子供の歯から大人の歯に生え変わり、永久歯(大人の歯)は親知らずを除いて上下顎で合計28本あるのですが、そのうちのどれかが生えかわらず、大人になっても乳歯(子供の歯)が抜けずに残っていることがあります。

先天性欠如歯と言って、本来生えてくるはずの永久歯が生えてこない場合、乳歯は永久歯よりエナメル質や象牙質が薄く歯根も短いため、あまり長持ちはせず、いずれ抜けてしまう可能性が高いので、上下左右4本抜歯するうちの1本はその乳歯を抜いて抜歯矯正をします。

日本小児歯科学界が2011年3月に発表した調査結果によると、小児歯科を受診する、およそ10人に1人はこの先天性欠如歯が認められたそうです。原因は明らかになっておらず、予防することは難しいようです。

歯を抜かない場合どうやってスペースを作るのか


歯を抜かない非抜歯矯正の場合、歯を抜く代わりに歯の表面をやすりがけしたり、歯を後方に移動させて歯列に隙間を作ります。歯が移動する距離が短くなるので、その結果、歯を抜いて矯正治療するより治療期間が短くなることがほとんどです。

抜歯矯正と非抜歯矯正の大きなちがい


それは、口元の仕上がりです。出っ歯の歯並びで、口元の突出感を気にされている方は、口元を下げたい、シャープな印象にしたい場合は、やはり歯を抜く必要があります。

  • 主訴:出っ歯が聞になる、口元が出ている
  • 診断名:上顎前突
  • 初診時年齢:22歳
  • 装置名:マウスピース矯正装置(インビザライン)
  • 抜歯or非抜歯:非抜歯
  • 費用の目安:96万円(税別)
  • リスク・副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り

矯正治療で後悔しないために


抜歯矯正と非抜歯矯正のメリットとデメリットを整理してみましょう。

  • 抜歯矯正のメリット
  • ・歯並びだけでなく口元の印象の変化も期待できる
  • 抜歯矯正のデメリット
  • ・歯を抜く
  • ・治療期間が長くなる(非抜歯矯正と比較して)

  • 非抜歯矯正のメリット
  • ・歯を抜かない
  • ・治療期間が短い(抜歯矯正と比較して)
  • 非抜歯矯正のデメリット
  • 口元の印象はあまり変化しない

治療方針を決める段階で、矯正後の”口元の仕上がり”と言われても、”出っ歯の歯並び”が治れば満足だと思ってしまいませんか?だから、痛くて怖い抜歯の必要がなく、そして少しでも早く出っ歯の前歯が引っ込むなら、非抜歯矯正のほうが魅力的です。

しかし、先ほど説明した大人になっても残っている乳歯の様な歯はいずれ抜けてしまいます。このタイミングで抜歯しなければ、将来、インプラントなどの高額な治療方法、またはブリッジや部分義歯治療で隙間を埋めるために歯科医院に数回通わなければなりません。

そして、非抜歯矯正で短縮される治療期間は長い人生においてほんのわずかです。もし口元の仕上がりを妥協して非抜歯矯正を治療方法に選んだならば、満足していない歯並びで過ごす時間のほうが圧倒的に長くなってしまいます。

矯正治療するにあたって、費用や期間、装置の見た目などの優先順位がそれぞれ違うように、理想とする歯並びや口元のイメージも人によって異なるものです。しかし、目先のことにとらわれず、矯正が終わった後のことをしっかりと考えて自分にあった、後悔のない治療方法の選択をしていただければと思います😊!