開咬 11歳 女性 治療期間:3年6ヶ月
叢生・開咬 32歳 女性 治療期間:1年11ヶ月
叢生 17歳 女性 治療期間:3年5ヶ月
叢生 28歳 男性 治療期間:1年10ヶ月
上顎前突 27歳 女性 治療期間:2年9ヶ月
前歯が噛み合わない原因とは…それ、オープンバイトかもしれません【弊害や治療法について】
前歯がかみ合わず、食べ物がうまく噛み切れない…
そんなお悩みはありませんか?
その状態は「オープンバイト(開咬)」と呼ばれる、歯や噛み合わせがうまくかみ合っていない状態かもしれません。見た目の問題だけでなく、
- 食事のしにくさ
- 発音への影響
- 歯や顎への負担
など、日常生活にも影響が出ることがあります。
まずは、ご自身の状態を簡単にチェックしてみましょう。
オープンバイトとは?
オープンバイト(開咬)とは、奥歯が噛んでいるのに前歯が上下で接触せず、すき間が空いている状態を指します。
通常は前歯も奥歯もバランスよく接触しますが、オープンバイトは一部の歯に負担が偏ってしまうのが特徴です。

あなたは大丈夫?オープンバイトセルフチェック
以下に当てはまるものはありませんか?1つでも当てはまるものがある場合は、オープンバイトの可能性があります。
- 前歯で食べ物を噛み切れない
- 麺類を前歯で切りにくい
- サ行・タ行の発音がしづらい
- 口を閉じても前歯にすき間がある
- 無意識に口が開いている
オープンバイトを放置するとどうなる?
オープンバイトは「見た目だけの問題」と思われがちですが、実は機能面への影響も大きいかみ合わせです。
食事がしにくくなる
前歯でうまく噛み切れないため、奥歯ばかりを使うようになります。
その結果、麺類・お肉・サンドイッチなど、前歯で噛み切る食べ物が食べにくいと感じる方も少なくありません。
また、お子さんの場合は、うまく噛めないことが原因で食事への意欲が低下したり、好き嫌いが増えてしまうこともあります。
さらに、消化のためには「よく噛むこと」が大切とされているため、噛みにくさが続くことで、体全体への影響につながる可能性もあります。

奥歯への負担が増える
一部の歯に負担が集中することで、将来的に歯のすり減りやトラブルにつながることがあります。特に奥歯に過剰な力がかかり続けると、歯への負担が大きくなり、少しずつダメージが蓄積していきます。
こうした変化はすぐに症状として現れるわけではないため、気づかないうちに進行してしまうことも少なくありません。
そのままの状態が続くと、歯にヒビが入ったり、割れてしまうこともあり、場合によっては抜歯が必要になるケースもあります。

発音への影響
オープンバイトでは、「さ行」「た行」「な行」などの音が、はっきり発音しにくくなることがあります。これは、発音に関わる舌の位置が安定しにくく、空気が前歯のすき間から漏れてしまうためです。
特に、人前で話す機会が多い方や、お子さんの言葉の発達の時期には、発音のしにくさが気になることもあります。
「うまく伝わらない」「聞き返されることが多い」と感じることで、コミュニケーションにストレスを感じてしまうケースもあります。
顎関節への負担
噛み合わせのバランスが崩れることで、顎に負担がかかる場合があります。前歯で噛めない分、奥歯にかかる力が偏りやすくなり、噛む筋肉や顎の関節に負担がかかります。
その結果、
・顎がカクカク鳴る
・口が開きにくい
・顎に痛みを感じる
といった、顎関節に関する症状が現れることがあります。
さらに、顎のゆがみや筋肉の緊張が、肩や首に影響することもあり、肩こりや頭痛につながるケースも少なくありません。
「歯並びと肩こりが関係あるの?」と思われる方もいらっしゃいますが、体はつながっているため、噛み合わせのバランスはとても大切です。
口呼吸につながる可能性
口が開きやすい状態になることで、口呼吸の頻度が高くなり、お口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には、お口の中の環境を整える大切な役割がありますが、乾燥によって唾液の量が減ると、細菌が増えやすくなってしまいます。
その結果、虫歯や歯周病だけでなく、口臭や風邪などの原因につながることもあります。
このように、歯並びやかみ合わせは見た目だけでなく、歯や体の健康を長く保つための大切な土台といえます。

オープンバイトの主な原因
原因はひとつではなく、いくつかの要素が重なっていることが多いです。
- 舌で前歯を押すクセ(舌癖)
- 指しゃぶりや口呼吸
- 骨格的なバランス
- 歯の生え方や歯列の問題
特に「舌のクセ」は見落とされやすく、治療後の後戻りにも関係する重要なポイントです。
舌癖についてはこちらの記事に詳しく書かれています。
【舌突出癖】舌の位置で歯並びが悪くなる原因と治す方法を解説
オープンバイトは治る?
多くの場合、改善できます。ただし
- 歯の問題か骨格の問題か
- 年齢
- 症状の程度
によって、適した治療方法は異なります。そのために、まずは正確な診断を受けることが大切です。
オープンバイトの主な治療方法
矯正治療
歯並びが原因の場合は、歯列矯正で改善できます。開咬の治療では具体的に、奥歯の高さを少し下げながら(圧下)、前歯を適切な位置まで動かすことで(挺出)、前歯がしっかり噛み合う状態を目指します。
ワイヤー矯正
歯の細かなコントロールが可能で、しっかり改善したい方に適しています。
アライナー矯正(マウスピース矯正装置)
取り外しができ、見た目が目立ちにくいのが特徴です。
アンカースクリューを併用した治療
歯を効率的に動かすために使用されることがあります。
開咬の症例はこちら

舌や口の癖を改善する「MFT(口腔筋機能療法)」
オープンバイトは、かみ合わせの中でも後戻りが起こりやすい傾向があるといわれています。そのため、矯正治療後に再び前歯にすき間ができてしまう場合もあります。
こうした後戻りには、「舌のクセ(舌癖)」や口の使い方など、日常的な習慣が関係していることが少なくありません。開咬は、歯の位置だけでなく、舌や口周りの筋肉のバランスも大きく影響しています。
そのため、装置による歯列矯正だけでなく、舌や口のクセを改善するトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を併用することで、より安定した状態を維持しやすくなります。
MFTでは、正しい舌の位置や動かし方、口周りの筋肉の使い方を身につけることで、根本的な原因にアプローチしていきます。
外科的治療(外科矯正)
骨格的な影響が大きい場合は、顎の骨の位置を整える外科処置を併用することがあります。
以前は外科手術が必要とされるケースも多くありましたが、現在では矯正治療のみで改善できる症例も増えており、患者さまの負担は軽減されています。
外科処置が必要かどうかは、初診時のカウンセリングで判断いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。なお、外科手術が必要な場合は大学病院などの口腔外科をご紹介し、術前・術後の矯正治療は当院で行います。
よくある質問(FAQ)
Q. オープンバイトは自然に治りますか?
成長とともに改善するケースもありますが、多くは自然に完全に治ることは少なく、経過観察や治療が必要になる場合があります。
Q. 子どもの場合はいつ相談すべきですか?
一般的には、前歯と奥歯(6歳臼歯)が生えそろう6〜7歳頃に一度相談される方が多いです。早期に確認することで、将来の治療方針が立てやすくなります。
Q. 治療期間はどのくらいですか?
症状や治療方法によって異なりますが、目安として1〜3年程度のケースが多いです。
まとめ
オープンバイトは、見た目だけでなく、噛む・話すといった機能にも影響するかみ合わせです。
そのままにしておくことで負担が偏り、将来的なトラブルにつながる可能性もあります。
一方で、適切な診断と治療によって改善が期待できるケースも多く、気になる方は早めの相談がおすすめです。また、オープンバイトを改善することで、見た目や噛み合わせだけでなく、ご自身の歯を長く守ることや、全身の健康維持にもつながります。
「自分もオープンバイトかもしれない」と感じた方は、まずは現在の状態を正確に知ることが大切です。当院では、歯並びやかみ合わせを丁寧に確認し、お一人おひとりに合った治療方法をご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
【歯列矯正と横顔の関係】出っ歯を矯正したら変わる横顔と口元について
矯正治療では、歯並びのガタガタをなおしたり、かみ合わせを良くするだけでなく、横顔や口元の美しさ・バランスを考えて歯を動かしていきます。出っ歯などの歯並びが原因で横顔にコンプレックスをお持ちの方は横顔が改善する可能性があります。

理想的な横顔とは?
美しい横顔の基準としてよく用いられるのが、eライン(イーライン)です。
eラインとは、エステティックラインの略称で、アメリカの歯列矯正医師であるロバート・リケッツ氏が横顔の美しさの基準として発表したものです。鼻の先から顎の先に向けて引いた線のことで、上下の唇がこの線の少し内側に入るのが美しい横顔とされています。
矯正治療を行う際にも、eラインと唇の位置関係が良くなるように歯を動かしていきます。

矯正治療で横顔と口元を整えるには?
矯正治療を始める際には、まず精密検査を行います。お顔の写真や横顔のレントゲンを撮らせていただき、横顔・口元のバランスや、歯と骨の位置関係などを細かく分析させていただきます。

① 分析の結果、eラインからかなり唇が出ている場合
唇の位置を後ろに下げるためには、唇の内側にある前歯を後ろに下げなくてはなりません。前歯を後ろに移動するためには、歯を抜いて矯正治療を行う必要があります。
患者さまごとに違いはありますが、抜くのは前から四番目の歯が多いです。抜いた歯の隙間を使って、前歯を後ろに下げていきます。

② eラインから唇があまり出ておらず、ガタガタも少ない場合
もともと横顔のバランスがきれいで、歯並びのガタガタも少ない方は、歯を抜かずに治療を進めていきます。
口元が出ていないのに歯を抜くと、前歯が後ろに下がりすぎてしまい、口元がeラインよりもかなり内側に入ってしまいます。そうなると、ほうれい線が深くなってしまったり、唇の張りがなくなって老けた印象になってしまう可能性があります。
横顔・口元のバランスを変えずにガタガタをなおす場合は、歯を抜くのではなく、歯を少しずつヤスリ掛けして隙間を作る方法で治療を進めることもあります。
③ eラインから唇があまり出ていないが、ガタガタが多い場合
横顔のバランスが整っている方でも、歯並びのガタガタが多い方は歯を抜いて治療を行います。
歯を抜かずにガタガタを直すと、歯はもともとの位置よりも唇側に倒れてしまいます。歯が唇側に倒れることで、治療前よりも口元が出てしまったり、顎の骨から歯の根っこが出てしまうことがあるため、そうならないように歯を抜いて隙間を作ってから歯並びを整えていく必要がでてきます。
症例紹介(歯列矯正で横顔が大きく変化した出っ歯の症例)
では、歯列矯正することによってどれだけ横顔に変化があるのか、前歯(口元)が出ていることを気にされて来院された患者さまの矯正治療前後の横顔の写真で比較してみましょう。

出っ歯を気にして来院された患者さまですが、唇の先端がeライン(写真青線)よりも前に出ており、口元が前に突き出て見えます。上下左右の前から4番目の歯(第一小臼歯)(写真✖️部分)を抜歯し、表側矯正(ワイヤー)を使用して出っ歯を改善しました。
唇側に傾斜していた前歯が正しい位置に戻ったので、唇の先端もeラインの中に収まっています。上顎の前歯を後方にさげることで唇が閉じやすくなり、キュッと引き締まった表情に変わりました。
主訴:出っ歯
診断名:上顎前突・叢生
初診時年齢・性別:22歳・男性
治療装置:表側矯正(ワイヤー)
抜歯or非抜歯:抜歯(上下左右第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし))
治療期間:2年
費用:83万円程度(税別)
詳細はこちらをご覧ください
リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
まとめ
矯正治療を始める際は、横顔や口元のバランスだけでなく、歯の傾きや骨の状態などを細かくみて治療方針を決めていきます。
矯正治療で横顔や口元をきれいにしたいと考えていらっしゃる方は、歯を抜く必要があるのかどうか、また、それによって治療結果がどう変わるのかなど、担当の先生にきちんと確認をしてから治療を始めることをおすすめします。
子どものマウスピース矯正装置は何種類?それぞれの特徴は?
子どものマウスピース矯正装置は、機能型装置とも呼ばれたりします。
大人用のマウスピース矯正装置の目的は歯並びを整えていくことですが、子どものマウスピース矯正装置は、歯並びよりも、口腔周囲機能訓練に重点をおき、成長過程にあける口腔機能の向上を目指します。
子どものマウスピース矯正装置の目的
マウスピースによって口腔周囲筋にアプローチすることで、今後生えてくる永久歯を正しい位置に導くこと、また、かみ合わせの安定を図ること、口腔周囲の間違った習癖を改善させることができます。
子どもの時期に、以下のような癖があるとその癖に合わせて顔の筋肉も発達してしまいます。
- 舌の位置が間違った場所にある
- 鼻ではなく口で呼吸を行う、口呼吸の習慣
- 口腔周囲の間違った習癖
これらを放置すると、顔の筋肉だけでなく歯並びやかみ合わせにも悪影響を及ぼしてしまうので、子どものうちからそれらを改善させ、正しい顔の発育や正常な歯並びを目指すことが子ども用マウスピース矯正装置の目的です。

子ども用マウスピース矯正装置の種類
子どものマウスピース矯正装置は、目的に合わせてさまざまな種類があります。
歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)

歯列矯正用咬合誘導装置(プレオルソ)は、歯並びの種類によって、タイプが分かれます。
Type-1は出っ歯(上顎前突(じょうがくぜんとつ))や咬み合わせが深い(過蓋咬合(かがいこうごう))場合に使用されます。

Type-2は前歯が咬み合わない(開咬(かいこう))の場合に使用されます。

Type-3は反対の咬み合わせ(反対咬合)の場合に使用されます。

口腔筋機能トレーニング装置(T4K(ティーフォーケー))

T4Kは「TRAINER FOR KIDZ」の頭文字をとったものです。主にこの装置では口腔筋のトレーニングをすることが目的です。変な癖がついてしまった舌の位置や、口呼吸、舌の突き出しなどの悪い癖を直し、正常な顔と顎の発育、正常な歯列の発達を促します。
継続したトレーニングを行うことで正しい歯と顎の位置付けができます。T4Kは、“永久歯が生えてくる子供の成長段階”に使用することで、歯並びを整えることができます。1日1時間以上はT4Kを装着し、トレーニングを行います。就寝時にも装着することで口呼吸の改善に繋がります。
バイオネーター

バイオネーターはマウスピース型とは少し形態が異なりますが、こちらも取り外しができる装置で、筋肉の動きを利用して下顎の骨の成長を前方へと促す装置です。
主に使用される症例は上顎前突(出っ歯)と診断された場合ですが、下顎前突(かがくぜんとつ)と呼ばれる受け口、過蓋咬合(かがいこうごう=かみ合わせが非常に深い状態)の場合にも使用されることがあります。
下顎の成長を促すための装置なので、適応症例は下顎の成長が遅いと診断された場合です。使用時間は1日10時間以上ですので、就寝時や在宅中に使用されることが多いです。
バイオネーターは装着時の違和感が大きく、最初のうちは慣れるまで大変ですが2週間ほどで慣れてくるのでそれまでは頑張って使用を続けましょう。
子ども用マウスピース矯正装置の注意点

子どものマウスピース型矯正装置において最も注意すべきことは「お子さまが装置をお口の中に適切に装着していないと、治療が進まない」という点です。
メリットは、取り外しができるので食事や歯磨きの際に装置がストレスにならずに普段通り行えますが、反対に、取り外しができるせいで、お子さまが自分で装置を外してしまう可能性があります。
最初は装置の違和感や痛み、喋りにくさ等から、全く装置を付けたがらないお子さまも大勢いらっしゃいます。
小児矯正は大部分が親御さん発信ですので、お子さまがなぜ今この装置が必要なのか、を理解していないと治療を行うのが非常に難しいです。
さいごに
小児矯正は、生涯の歯並びを保証するものではありません。子どもはまだ成長期ですので、骨や筋肉もこれからどんどん成長していきますし、歯も生え変わります。そこで、成長期であるからこそマウスピース矯正装置によってより正常な筋肉、歯並びへと導く手助けをすることができるのです。
ただし、マウスピース矯正装置は取り外しができるため、装置を外している間は矯正力がかかりません。積極的に骨にアプローチしたい場合などは、取り外しができるマウスピース型よりも取り外しのできない固定式の装置の方が適しています。
お子さまが、一体どのような状態で何を目的として矯正治療が必要なのかを親御さんがしっかりと理解し、お子さまにもその治療が必要なのかを理解して協力してもらうことで小児矯正は治療をスムーズに進めていくことができます。



