こんにちは。さいたま市 大宮SHIN矯正歯科、院長の矢野です。

”インフルエンザが各地で猛威を振るっている”というニュースが連日流れていますね。インフルエンザの予防方法として、うがい・手洗い・マスクの着用はよく言われていますが、「歯磨き」も効果があることはみなさんご存知ですか?

過去に、老人介護施設や小学校で歯科衛生士による歯磨き指導を定期的に行った施設と、行わなかった施設とを比べてみると、インフルエンザの罹患率がだいぶ減少したというデータがあるそうです。

なぜ、「歯磨き」によってインフルエンザにかかりにくくなるのでしょうか?

インフルエンザのウイルスは、鼻や喉の粘膜の細胞にくっついて体内に侵入します。通常、粘膜はタンパク質で覆われているためウイルスはくっつきにくいのですが、口の中に細菌があるとその細菌は、プロテアーゼやノイラミニダーゼという酵素を作ります。

酵素は、粘膜を覆っているタンパク質を破壊して、インフルエンザウイルスをくっつきやすくするのです。また、口の中の細菌が出す毒素が炎症をおこし、感染を拡大させます。

インフルエンザにかかると処方されるタミフルなどの薬はこの酵素の働きを抑えて、インフルエンザの症状を抑えます。よって、口腔内が細菌だらけだとインフルエンザウイルスは侵入しやすくなり、せっかく処方された薬も効果が発揮できません。

インフルエンザウイルスの侵入を防ぐ歯磨きのポイント


① 朝、起きたらまず歯磨き

最近は空気も非常に乾燥しているので、朝起きた時の口の中が特に不快な感じがしませんか?

寝ている間は、唾液の分泌量が減るので唾液による口腔内の自浄作用が低下します。そのため朝、起床した時のお口の中には多くの細菌が繁殖しており、その細菌の量はスプーン1杯の大便の量と同じくらいと言われています・・・

もし、そのままうがいも歯磨きもせずに朝食を食べたら、その細菌を全部体内に飲み込むことになります。

② うがいは口の中をゆすいでから

朝、歯を磨く時間が無いかたはせめてうがいをしましょう。うがいの仕方にも注意することがあります。お水を口に含んですぐにガラガラとうがいをする前に、お口の中全体をよくゆすぎましょう。

ダイレクトにガラガラうがいをしてしまうと、口腔内の細菌が喉の入り口で震わせたお水を通して、体内に侵入してしまう可能性があります。十分口に水を含んで細菌を落としてから、上を向いてガラガラうがいをします。

③ 舌も磨く

舌にも細菌が付着しています。歯ブラシで舌を軽くこすって汚れを落としても良いですし、舌専用のブラシも販売しています。

④ 夜寝る前の歯磨きは念入りに

朝起きた時の口腔内の細菌の数を抑えるためには、唾液量が減る就寝前に、念入りに歯を磨くことが重要です。ゆっくり時間をかけて歯全面、歯間の汚れをしっかり落としましょう。

当院に通われている患者さまは、矯正装置が歯に装着されている方も多くいらっしゃると思います。改めて、矯正装置が付いた状態での正しいブラッシング方法はこちらの記事でご確認ください。

【矯正治療中のセルフメンテナンス】歯の磨き残しを防ぐ3つの方法

⑤ 歯ブラシは定期的に新しいものと交換する

普段使用している歯ブラシを、いつ交換したか覚えていますか?

毛先が広がってしまった歯ブラシを使用し続けていても、ブラシが歯面に効果的に当たらず、汚れが落とせません。また、長く使用している歯ブラシにはその分、口腔内の細菌が歯ブラシにも付着しています。

歯ブラシは一般的に1ヶ月に1度交換したほうがよいと言われています。今使っている歯ブラシをどれくらい前におろしたか覚えていないかたは、清潔な歯ブラシに今すぐ交換しましょう。

今のところ、当院のスタッフはインフルエンザ罹患率ゼロです。どうかこのまま乗り越えたいと思います。皆さまもどうぞご自愛ください。