こんにちは!大宮SHIN矯正歯科・歯科衛生士Sです。

「歯列矯正をしたら、ブラックトライアングルができてしまった」という声を聞くことはありませんか?ブラックトライアングルとは、 歯の付け根と付け根の間にできてしまう隙間のことで、黒く三角形になっている見た目からそのように呼ばれています。

ブラックトライアングルができる原因


ブラックトライアングルができてしまう主な原因は、加齢によるものです。年齢を重ねるにつれ歯を支えている骨が痩せていき、歯肉の位置が下がってきます。歯の形は下に行くほど細くなっていますので、歯の付け根にすきまができてしまいます。

そのほかの原因として、口腔内の清掃状態の悪さによるもの、歯の磨き方によるもの、必要以上に歯ブラシで強くこすってしまうと、ブラッシング圧の強さにより、歯肉がすり減ってしまい歯と歯の間にすきまができてしまいます。

ブラックトライアングルができやすい歯並び


叢生(そうせい)と呼ばれる凸凹が強い歯並びは、矯正治療をして歯並びが改善されるとブラックトライアングルが目立つと言われています。

写真のように、奥に引っ込んでいる歯の部分の歯肉の骨はもともと薄くなっています。矯正して歯並び凸凹が無くなると、今まで隠れていた歯ぐきの位置が見えるようになるので、歯肉が下がったように見えてブラックトライアングルが出現してしまうのです。

また、重なり合っている歯の部分は歯ブラシが届きにくいので、歯垢(プラーク)が溜まっていくと、それはやがて歯石になります。歯石は歯間や、歯の付け根に付着することが多く、歯石がたくさん付いていると歯肉に炎症がおきてぷっくりと腫れてしまいます。これは、歯周病の症状です。

歯並びが改善され、歯磨きがしやすくなり汚れが除去されると、腫れていた歯肉が引き締まります。そして、歯石がついていた場所が隙間になり、隠れていたブラックトライアングルが見えるようになります。

ブラックトライアングルができにくい矯正治療方法


マウスピース型 矯正装置(インビザライン )は歯と歯の間のコンタクトポイントにやすりがけをして隙間をつくるIPR(アイピーアール)という処置をして、マウスピース で隙間を閉じることで、ブラックトライアングルを目立たなくすることができます。

また、マウスピース型矯正装置(インビザライン )は、クリンチェック による3Dシミュレーションで、矯正治療前に治療後のブラックトライアングルの量を予測することができます。同時に、IPRで歯をやする量も設定しています。

IPR処置の量は、歯の表面にある厚さ2〜3ミリの硬いエナメル質に対して最大0.4ミリ程度です。エナメル質は再石灰化するので、健康な歯に傷をつけることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、IPRによって虫歯になりやすくなることはありません。

ただし、歯の形やブラックトライアングルの大きさによっては改善されない場合もあります。歯列矯正をしたらブラックトライアングルができてしまうのではないか、と心配な方はぜひ、実際にお口の中を拝見いたしますので、初診のカウンセリングをご利用ください。

ブラックトライアングルの予防方法


できてしまったブラックトライアングルは目立たないようにすることはできますが、治すことはできません。しかし、ブラックトライアングルができないように予防できます。

歯肉へ強い刺激がかかるとブラックトライアングルができやすくなります。普段から強い歯ぎしりや食いしばりをされている方は、歯肉に必要以上に力がかかるので気をつけましょう🤢

毎日の歯磨きの仕方を気をつけることもとても大切です。まず、歯ブラシの毛の硬さは歯肉への刺激が少ないやわらかいものを使用し、鉛筆を持つときと同じような持ち方で歯を磨くと適切な力で歯磨きができます。歯肉をマッサージするような感じで力をかけすぎないようにしましょう。

そして、歯の表面だけでなく歯間の汚れがたまらないように、日頃からフロスや歯間ブラシを使ってお掃除しましょう!

ブラックトライアングルは病気ではありません。ですが、せっかく歯並びが綺麗になったのに、歯ぐきに黒いゴマが詰まったように見えてしまったり、実際に歯と歯の間に食べかすが詰まりやすくなったりしてしまいます。普段から気を付けて、なるべくならないように心がけましょう🤗