こんにちは。
さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のSです。
実際に当院で歯列矯正の治療を受けられた方の症例をご報告します。今回のブログでは、開咬(かいこう)前歯が開いている不正咬合の症例についてお伝えしていきます。
目次
【開咬(前歯が開いている状態)とは】
開咬とは、口を閉じた状態で、奥歯は噛み合っているのに前歯が噛み合っておらず、常に上下の前歯が開いている状態のことです。別名、「オープンバイト」とも言われます。
開咬の原因は、「遺伝的な原因」と「後天的な原因」に分けることができます。
遺伝による開咬は、顎の骨の形態に問題があり、顎の成長とともに進行していくのが特徴です。一方、後天的な開咬の場合は、乳幼児期の指しゃぶりや舌を前に出して前歯に押し当てたり、前歯で舌を軽く噛んだり、舌を出したりするクセなどが主な原因となります。
【開咬(前歯が開いている状態)のデメリット】
開咬は前歯が閉じないため、見た目だけでなく様々な問題を引き起こします。
①食事の問題
前歯で食べ物を噛み切るのが難しいのが大きな問題です。噛み切るのに不自由をすると、しっかり噛まないまま飲み込んでしまうクセがつき、胃腸に負担がかかります。
また、前歯が噛み合わないため、常に奥歯で噛みます。そうすると、顎の関節・筋肉も疲労しやすいため、顎関節症になる確率が高くなります。さらに、奥歯に必要以上の負担がかかるため、奥歯の詰め物・被せ物が外れやすくなったり、奥歯が破折したりする場合もあります。
②発音の問題
常に上下の前歯に隙間ができているため、話をするときに息が漏れて不明瞭な発音になってしまいます。特に、サ行・ザ行が聞き取りにくい発音になってしまいます。
③ドライマウス
開咬の方は唇を閉じにくく、開きがちになります。唇が開いている時間が長いと、ドライマウス(口のなかが常に乾燥した状態)になり、唾液の分泌量が減少します。そうすると、口腔内に細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭を招きやすくなります。
【ご来院の理由】
38歳、女性の患者様です。
前歯が咬んでいないことが気になるということでご来院されました。
こちらの患者様は、一般歯科の定期健診で指摘されたことをきっかけに、ご自身の見た目が気になり始めました。また、前歯が咬み合っておらず食事がしにくいことに困っていました。歯並びを気にせずに笑ったり、美味しいものを食べたりしたいとのことで、当院の初診カウンセリングに来院されました。
【矯正中の不安・装置選び】
患者様のご希望で目立ちにくい装置が良いとのことだったので、マウスピース型矯正装置(インビザライン)で治療を進めていくことになりました!
歯を並べるためのスペースはIPR(ヤスリがけ)を行い確保しました。また、装置の見た目以外にも仕事上滑舌が悪くならないか心配されていました。マウスピース型矯正装置(インビザライン)はブラケット矯正と比較して、違和感が少なく日常生活への支障も少ない装置になっております。
【治療開始・治療経過】
1回目のアライナーは全部で24枚です。
アライナーの交換は、装置に慣れるまでは10日交換で、慣れてから1週間交換で進めて頂きました。最後まで使用して、約7ヶ月で終了しました。
こちらが1回目のアライナーが終了した際のお口の中の状態です。
前歯が咬み合うようになりました。しかし、左上3番目の歯(画像1)と左下1番目の歯(画像2)のねじれが残っています。そのため、追加アライナーで細かい所を調整していきました。
2回目のアライナーは全部で17枚です。
アライナーは1週間交換で最後まで進めて頂き、約4ヶ月で終了しました。
こちらが2回目のアライナーが終了した際のお口の中の状態です。
ガタガタと咬み合わせが改善され上下の歯の中心が揃い、美しい口元になりました!お食事がしやすく、また見た目も気にならなくなり自信を持ってお仕事ができると喜んで頂けました!
【動的治療終了】
こちらの患者様は、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の使用方法や装着時間をしっかりと守っていただけたため、約1年1ヶ月で動的治療が終了しました。
こちらが動的治療終了後のお口の中のお写真です。
前歯がしっかりと咬み合って美しいお口元になりました。また、矯正治療を進めていくうちに歯に対しての意識が高まり、矯正治療の途中からホワイトニングも併用して行いました。歯も白くなり、さらに美しいお口元になりました!!
【まとめ】
主訴:前歯が咬んでいないことが気になる
診断名:開咬
初診時年齢:38歳
装置名:マウスピース型矯正装置(インビザライン )
抜歯or非抜歯:非抜歯
治療期間:1年1ヶ月
費用の目安:96万円(税別)程度
詳細はこちらをご覧ください
リスク・副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り