ワイヤーとマウスピース矯正装置の併用【装置が変わった時に気をつけること】

2025.07.23UPDATE:2025.07.29

ワイヤーとマウスピース矯正装置の併用とは

当院では、歯列矯正治療を進めるにあたり、ワイヤー矯正とマウスピース矯正装置を両方使用して治療計画を立てることがあります。具体的には、ワイヤー矯正で歯を動かしてからマウスピース矯正装置(インビザラインなど)に変更します。

ワイヤーとマウスピース矯正装置の併用が必要な歯並びってどんな歯並び?

装置を2つ使うことに疑問を感じる方や、装置を変更するタイミングに不安を感じる方もいるかもしれません。このブログではその際に気をつけるべきことや、うまく治療を進めるためのアドバイスをお伝えします。

 矯正治療で装置を併用する場合の注意点

もしワイヤーとマウスピース矯正を併用することになった場合は、治療計画をしっかりと理解することが大切です。

それぞれの装置をどのような目的で使い分けるのか、例えば、大きな歯の移動はワイヤー矯正で行い、細かな調整はマウスピース矯正装置で行うことがあります。この併用によって、より効率的に歯列を整えることができます。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正装置の違いを簡単に理解しよう

まず、ワイヤー矯正とマウスピース矯正装置の違いを簡単にご説明します。ワイヤー矯正からマウスピースに変更する前に、それぞれの装置の特徴を理解しておきましょう。

ワイヤー矯正

ワイヤーとブラケットを歯に取り付け、矯正の力で歯を移動させる伝統的な方法です。しっかりと歯を動かす力が強く、複雑な歯並びやかみ合わせに効果的です。

マウスピース矯正装置

透明なマウスピースを使って歯を少しずつ動かす方法で、取り外し可能で目立たないのが特徴です。見た目を気にせず、食事や歯磨きも通常通りできるというメリットがあります。

この二つを併用することで、それぞれの長所を活かしながら、効率的かつ快適な矯正治療が可能になります。

ワイヤーからマウスピース矯正装置に変更した際のメリットとデメリット

ワイヤー矯正からマウスピース矯正(インビザラインなど)の変更は、装置の見た目の改善と通院頻度の減少が大きなメリットです。しかし、取り外しが可能であるがゆえに、患者さま自信での装着管理が必要になる点はデメリットとして挙げられます。

メリット

  • 痛みが少ない傾向にある
  • 口腔衛生を保ちやすい
  • 食事の制限が少ない

デメリット

  • 治療期間が延びる可能性
  • 紛失・破損のリスク

ワイヤーからマウスピース矯正装置に変更する時の注意点

ワイヤー矯正はある程度、装置が装着されている限り歯が動き続けます。しかし、マウスピース矯正装置は自己管理が不十分だったり、装着時間を守れなかったりすると、治療計画通りに歯が動かず、治療期間が延びてしまう可能性があります。

マウスピースの装着時間を守る

ワイヤー矯正と異なり、マウスピース矯正装置は取り外し可能なため、装着時間を守らないと効果が現れにくくなります。1日20時間以上の装着が推奨されますが、食事や歯磨きの時にしか外せないことを忘れずに、なるべく時間を守って装着するよう心がけましょう。

適切な交換タイミングを守る

マウスピース矯正装置は、だいたい1週間ごとに新しいマウスピースに交換します。交換のタイミングを守らず、前のマウスピースを使い続けると、治療が遅れてしまうことがあります。治療計画に従い、必ず指定されたタイミングでマウスピースを交換してください。

マウスピースの適合状態を確認する

マウスピースの適合が良くないと治療の効果が発揮できません。マウスピースを装着するときは、歯全体にフィットしているか、隙間がないかを念入りに確認しましょう。
マウスピースが浮きやすい部位についてはこちら

毎日の口腔ケア

マウスピースは取り外して歯磨きができますが、歯にアタッチメントがついている場合は、その周囲に汚れが溜まりやすいので念入りに歯面をブラッシングする必要があります。

また、マウスピースを清潔に保つための毎日のケアも欠かせません。食後にマウスピースを洗浄し、口の中の清掃も忘れずに行いましょう。マウスピースが汚れたまま装着すると、歯に菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まることがあります。

マウスピース紛失・破損のリスク

取り外しができるゆえの紛失や破損。そうなってしまった場合、新しいマウスピースを作成する必要があります。マウスピース再作成の追加費用がかかり治療費が高くなる可能性があります。

まとめ

ワイヤー矯正からマウスピース矯正装置に変更する際には、これらのメリット・デメリットを踏まえ、特に、装着時間の管理定期的なケアをしっかりと行うことが、治療を成功に導く鍵となります。

最初は違和感があるかもしれませんが、治療を続けていくうちに、自然に慣れ、より快適に治療を進めることができるでしょう。

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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