正中離開の表側矯正(ワイヤー)症例①

2021.03.02

こんにちは。

さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

実際に当院で歯列矯正の治療を受けられた方の症例をご報告します。今回のブログでは、正中離開(せいちゅうりかい)の歯並び症例についてお伝えしていきます。

【正中離開(せいちゅうりかい)とは】


正中離開とは2本の前歯の真ん中が離れて隙間が開いている状態のことです。

正中離開は、歯と顎のバランスが悪い場合や、歯の数が通常よりも多かったり少なかったりする場合、舌の癖などで歯が押され隙間が開いてしまっている場合もありますし、上唇小帯という歯ぐきのヒモのようなものの異常による場合など、様々な原因があります。

【正中離開(せいちゅうりかい)のデメリット】


正中離開は、見た目が悪く心理的ダメージがあります。また、歯の隙間から空気が漏れて発音が不明瞭になったり、口の中が乾きやすく虫歯歯周病のリスクが高くなります。

【ご来院の理由】


30歳、男性の患者様です。

前歯の隙間が気になるということでご来院されました。

こちらの患者様は、ご自身の顔立ちを見て歯並びが気になり始めました。永久歯が生えそろった段階で前歯の隙間には気が付いていたものの、当時はそれほど気にかけていなかったそうです。

しかし、大人になるにつれて段々とご家族に口呼吸やいびきを指摘されるようになったことで、改めてご自身の歯並びも気になってきたそうで当院の初診カウンセリングを受けられました。

【矯正中の不安・装置選び】


治療をスタートするにあたって、歯を支えている骨への影響などの不安がありました。以前かかりつけの歯科医院で歯茎の骨が薄いと言われたとのことで、矯正への支障がないか心配に思われていたようです。

矯正を始めるにあたり当院で精密検査を行わせていただき、矯正への影響がないことをしっかりとお伝えさせていただいて、そちらの不安は解決されました。特に矯正装置の見た目は気にされないとのことと、ご本人のご希望もあり表側矯正(ワイヤー)に決定しました。

【治療開始・治療経過】


歯を並べるスペースはありましたが、下顎の親知らずが横向きに倒れて生えており手前の歯を押してしまっていたため、親知らずのみ上下4本抜歯しました。

【動的治療終了】


こちらの患者様は、しっかりと定期的に通院していただいていたこともあり約1年で動的治療が終了しました。

※歯の動き方には個人差があります。動的治療には通常2年前後いただいております。

こちらが動的治療終了後のお口の中のお写真です。

正中離開が改善され、口元が美しくなりました!さらに前歯の深い咬み合わせも解消され、咬み合わせなどのバランスが整ったことで口呼吸やいびきも改善してきたとのことです。

【ワイヤー矯正中の豆知識】


今回は、矯正装置と着色についてご案内します!

一般的にカレーやコーヒーなどの色の濃い食べ物・飲み物は装置に着色してしまうのであまりお勧めはできません。主に着色が考えられる部分ブラケットと、モジュールと呼ばれるワイヤーを留めるためのゴム(チェーンのゴムも同様です)です。

しかし、当院で使用している白いブラケット装置はセラミック製ですので、そちらは着色の心配がないのでご安心ください。ゴムの部分はどうしても着色してしまうので、気になる方は色の濃いものは調整日が近くなってからお召し上がりいただくとすぐに交換できるのでオススメです。

また、お飲み物の場合はストローを使うことで装置に触れにくくなり、着色しづらくなります!

また、カラーゴムという色のついたゴムは見た目にも可愛く着色も目立ちにくいので気になる方はお気軽にお声がけくださいね。

【まとめ】


主訴:前歯の隙間が気になる

診断名:正中離開

初診時年齢:30歳

装置名:表側装置(ワイヤー)

抜歯or非抜歯:非抜歯

治療期間:1年

費用の目安:88万円程度

詳細はこちらをご覧ください

リスク・副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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【歯茎がブヨブヨ】矯正中に歯茎が腫れる5つの原因

2020.06.04UPDATE:2023.12.21

こんにちは!さいたま市 大宮SHIN矯正歯科・歯科衛生士のTです。

「歯ぐきが腫れてしまったので見てほしい」と通院中の患者さまからご相談を受けることがあります。腫れているところがあると気になって舌で触ってしまったり、痛みがなくてもブヨブヨとした感覚が続くのは気持ち悪いですよね。

一言で「歯ぐきが腫れる」といっても様々な原因があるんです。そこで今回は、矯正中に歯ぐきが腫れてしまう原因とご自身でできる対処法をお伝えします。

歯周炎


ワイヤー矯正中の方はブラケット装置が歯に付いているせいで、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシの毛先が当たりづらくなります。その部分の汚れが残っていると歯肉が炎症を起こしてしまうことがあります。

歯ブラシだけで装置の周りの汚れを綺麗に落とすのはなかなか難しいので、毛先のとがったタフトブラシ歯間ブラシを歯ブラシと一緒に使いましょう。

・タフトブラシ
・歯間ブラシ

親知らず


親知らずが少し顔を出していたり、斜めに生えてきている場合は歯に歯肉がかぶっている分、歯磨きが難しくなります。こちらもタフトブラシを使うと細かい部分までお掃除することができます。また、歯磨きの後にマウスウォッシュでお口をゆすぐと効果的です。

・当院おすすめのマウスウオッシュ

歯と歯の間に食べ物が詰まっている


歯と歯の間に食べ物が強く押し込まれると歯ぐきが傷ついてしまったり、その食片が歯ぐき内に溜まってしまうと炎症を起こすことがあります。

私自身、お肉やニラ・ネギなど繊維質な食べ物はデンタルフロスだけでは上手く掻き出せず、より押し込んでしまって痛みが出ることもありました。そんなときあれこれ試してみて一番使いやすいと感じたのが糸ようじでした!

まず、ピックの部分で歯と歯の間の食片を掻き出してからフロスを通すことで、とてもきれいにお掃除することができます。また、持ち手もついているので外出先でも手を汚さずに気軽にお掃除できるという利点があります。

巻かれているタイプのデンタルフロスでうまくお手入れできないという方は糸ようじをぜひ使ってみてください。

歯磨きの時に力が入りすぎている


ゴシゴシ歯を磨いていませんか?歯ブラシの圧が強すぎると、歯ぐきの腫れだけでなく退縮に繋がってしいます。歯ブラシに力が入りやすくなる磨き方の特徴を挙げてみました。チェックが当てはまる場合は矢印の先の改善方法を試してみてください。

✔︎歯ブラシを握るように持っている→歯ブラシを鉛筆持ちに変える

✔︎固めの歯ブラシを好んで使っている→柔らかめにの歯ブラシに変える

✔︎歯ブラシを大きく動かして磨いている→細かく動かすようにして余計な力を入りにくする

・歯ブラシの鉛筆持ち

ストレスや疲れ


ストレスや疲れが溜まっている時は、身体の防御機能が低下して歯ぐきが腫れることがあります。そんな時は無理をしないでリラックスして、しっかり睡眠をとりましょう。


この5つの原因どれにもあてはまらなかったり、痛み止めを服用しても腫れや痛みが治まらない場合は、遠慮なく当院までご相談くださいね。

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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矯正治療で出っ歯になるってホント?【マウスピース型矯正装置(インビザライン)】

2020.03.12

こんにちは!さいたま市、大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン )は、他の矯正装置だと抜歯の必要がある症例でも、歯を抜かずに治療できることが多くあります。しかし、「歯を抜かないと前歯が押し出されて、もっと『出っ歯』になってしまいませんか?」という質問を受けることが度々あります。

確かに、顎の大きさに対して1本1本の歯が大きくぎゅうぎゅうに詰まった歯並びの方が、誤った診断により、歯を抜く必要があるにもかかわらず、無理に非抜歯で歯並びを整えようとするとこのようなデメリットが起こってしまう可能性があります。

顎の大きさに対して歯がこのような状態だと歯を抜かないと出っ歯になってしまいます

マウスピース型矯正装置(インビザライン)で歯を抜かなくても出っ歯にならない歯並びとは

マウスピース型矯正装置(インビザライン)で抜歯が必要か、そうでないかは、奥歯の噛み合わせの位置が重要になります。正しい奥歯の位置関係は、写真のように下の奥歯が前方に出ていて、それぞれの凸凹が噛み合っています。

この噛み合わせの位置関係は問題ない、または軽いズレの場合は歯を抜かずに、ガタガタの歯並び(叢生(そうせい))や出っ歯の矯正治療が可能です。

歯を抜かずにきれいな歯並びになる3つの方法

ガタガタの歯並び(叢生(そうせい))や出っ歯の原因は、先ほど述べたように、顎の大きさに対しての歯のスペースが足りないからです。それは、奥歯の位置関係が問題なくても同じです。では、歯を抜かずにマウスピース型矯正装置(インビザライン)はどうやって歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保するのでしょうか。

側方拡大

内側に倒れている奥歯を垂直に起こして、歯並びのアーチをU字型に広げます

歯と歯の間をやすりがけ

IPR(アイピーアール)という処置を行います。歯と歯の間を0.2~0.5mmほどやすりがけして、歯を抜かずにスペースを作ります

奥歯の後方移動

奥歯を遠心(えんしん)移動といって後ろに移動させます。この時、親知らずが残っている場合は、親知らずを抜歯することがあります。

この3つの方法によって、抜歯をせずに歯が移動するスペースを作り、マウスピース型矯正装置(インビザライン)のシミュレーションソフト、クリンチェック(下の画像) は、出っ歯にならないように歯並びを整えていくように治療計画をたてます。

しかし、同じ条件の歯並びでも、全ての方にこの方法があてはまるとは限らず、矯正治療で歯を抜くか抜かないかは、実際にお口の中を見てみないと適切な判断はできません。

確かに、適応でない非抜歯矯正は、出っ歯や、後戻り(元の歯並びに戻ってしまうこと)のリスクが高まります。せっかく高いお金を出して、長い年数をかけて歯列矯正をしたのに、このような結果になってしまったら悲しいですよね。

そんな思いをしないためにも、抜歯するか否か含め、熟練の歯科医師による適切な判断がとても大事になってきます。ぜひ皆さんも信頼できる歯医者さん選びをしてくださいね!

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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アタッチメントはいつまで?マウスピース型矯正装置【インビザライン】

2019.11.25

こんにちは!大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

マウスピース型矯正装置(インビザライン )の治療では「アタッチメント」と呼ばれる、直径1㎜程度の虫歯治療にも使われる白い歯科用のレジンという素材でできた、ポッチを歯の表面につけます。以下の写真が「アタッチメント」です。

20160324

この「アタッチメント」どのくらいの期間付くのか、いつまで付いているのか気になりますよね。

アタッチメントを付けるタイミング


「アタッチメント」は、2つ目のマウスピースから付け始める方がほとんどです。1つ目は、まずマウスピース型矯正装置(インビザライン) のマウスピースに慣れていただくために「アタッチメント」は付きません。2つ目のマウスピースに上の歯の「アタッチメント」を、3つ目のマウスピースで下の歯の「アタッチメント」が付きます。

アタッチメントの役割


透明の薄いマウスピースで歯を覆って動かすマウスピース型矯正装置(インビザライン)

は、従来のワイヤー矯正と比較すると、歯の移動の様式によっては不得意なものもあります。しかし「アタッチメント」をつけることで、マウスピース型矯正装置(インビザライン)が不得意な歯の移動を補助することができます。

「アタッチメント」が歯を動かすための固定源になり、より効果的な力を加えます。端的に分かりやすく言えば、「アタッチメント」を利用することで、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を使用した治療の可能性を大きく広げて行きます。

◆「アタッチメント」の役割について他の記事

マウスピース型矯正装置【インビザライン 】アクティブサーフェス

アタッチメントが付いている期間


矯正治療は大きく2つの期間に分けられます。まずは歯を正常な位置に動かすことを目的とした動的期間、そして、正常な位置に並んだ歯列をその位置にキープすることが目的の保定期間の2つです。

「アタッチメント」は、歯の移動をコントロールするためのものですので、動的期間の間は必要な歯にずっと付いています。治療期間は症例によって個人差がありますが、多くの方の動的期間は大体2~3年で、その間がアタッチメントが付いている期間と思っていただいて良いと思います。

アタッチメントが外れるタイミング


歯を動かす必要がなくなる保定期間に入ると「アタッチメント」は全て外します。しかし、動的期間中でも「アタッチメント」を全て外すタイミングがあります。それは、マウスピースを作り直す時です。

写真をたくさん撮るような、例えば、結婚式などの大きなイベントを控えている方は、このタイミングを利用していただくとおすすめです!治療計画を立てる前に遠慮なくご相談くださいね。このように審美的に融通が利くところもマウスピース型矯正装置(インビザライン)の利点の一つですね!

アタッチメントは目立つ?


マウスピース型矯正装置(インビザライン)は『目立たない矯正』として大変人気があり、マウスピース型矯正装置(インビザライン)を希望する患者さまの一番の理由は、『人に気付かれたくない』です。ですから、「アタッチメント」を付けると目立つのではないか?と心配される方もいます。

人と人が話をするとき、最も近い距離が75cmと言われていますが、マウスピースを付けた人と75cm離れた状態が以下のような状態です。

2016032202

いかがでしょうか。ほとんど気づかれることはないと思います。

それでも、前歯に「アタッチメント」を付けることに抵抗がある方(特に、成人女性)もいらっしゃいますので、可能な範囲でアタッチメントを減らす事もできます。場合によっては歯の裏側に「アタッチメント」を設置する事も可能です。

また、「アタッチメント」を使用した方がマウスピース型矯正装置(インビザライン)は効果的に治療を進めることができるので、治療期間が少し伸びてしまう可能性がありますが、使わない方針でマウスピース型矯正装置(インビザライン)の治療計画を立てることもできます。

◆「アタッチメント」に関連した記事

アタッチメントが取れてしまったら【マウスピース型矯正装置(インビザライン)】

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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口腔内スキャナー(iTero Element2  アイテロ エレメント2)も導入されました!

2019.08.10

こんにちは、大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

このブログやホームページ内でも何回かご紹介している、マウスピース型矯正装置(インビザライン )による治療のための、光学スキャンニングといって光を使って形取りを行う機械・口腔内スキャナー(iTero element  アイテロエレメント)の新しいモデル、口腔内スキャナー(iTero erement2 アイテロエレメント2)を導入いたしました!

口腔内スキャナー(iTero erement 2 アイテロエレメント2)の導入によって、当院ではユニット4台(2019年8月現在)に対して、2台の口腔内スキャナーが搭載されることとなりました!

◆口腔内スキャナー( iTero element アイテロエレメント)2台体制のメリット


① より多くの患者様をご案内可能に

口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)のメリットにすぐに矯正治療をスタートできることがあげられます。口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)は主に、これから矯正治療を始める方のための精密検査時やマウスピース型矯正装置(インビザライン)のマウスピースを作り直すときに使用しております。

従来の型取りの場合は、採得した歯型をアメリカの本社に輸送して、それからマウスピースが作られていたので、実際に矯正治療を開始するまで6週間ほどかかることもありました。しかし、口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)でスキャンすれば、3Dデータを瞬時に送ることが可能です。その分マウスピースが患者さまのお手元に届くまでの時間が短縮されました。

ところが、1台しかないときは、口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)を使用する治療内容の患者さまを同じ時間帯に複数、予約をお取りすることはできませんでした。やはり、比較的患者さまの多い平日の夕方以降や土日などは、さらに予約が取りづらくなってしまい、ご迷惑をおかけしていたと思います。

せっかくの口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)のメリットが、予約が取りづらいという理由で生かせず、心苦しいものがありました。

②口腔内スキャナー( iTero Element アイテロ エレメント)を操作する機会が増えることによる術者の技術力の向上

歯科衛生士の専門学校時代に、歯医者さんで苦手なことによく挙げられる、冷たい粘土のような材料を使って行う型取りの方法は、学生同士で数え切れないほど練習し合いました。しかし、口腔内スキャナーを使用して、患者さまのお口の歯型を採る練習はしたことがありませんでした。

なぜなら、口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)のような口腔内スキャナーが歯科の治療に使用されるようになってからはまだ歴史が浅く、導入している歯科医院も限られているからです。そんな中2台口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)があるこの環境は、患者さまだけでなく、私たち術者にとってもメリットがあります。

口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)に触れる機会が増えることによって、私たち操作する側の技術も向上します。その分、iTeroの操作時間も短縮できるので、より素早く、正確に患者さまの歯型をスキャンできるよう日々時間を意識して行うことを心がけています。

◆口腔内スキャナー( iTero element アイテロエレメント)、口腔内スキャナー(iTero element2 アイテロ エレメント2)の違い


最後に、名前が口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)から口腔内スキャナー(iTero element 2 アイテロ エレメント2)になり、それに伴って向上した機能をご紹介します。

① 画面が大きくなりました!

1点目の変化としては、パネルの画面が19インチから21インチと大きくなったことです。それにより解像度が高くなり、口腔内のスキャン状態がよりはっきりと見やすくなり操作性がアップしました。

② スキャンの読み込みがよりスピーディーに!

2点目はスキャンの読み込みが旧式の物よりもスピィーディーになったことです。読み込みが早いということは、口腔内でスキャンする時間の短縮になり、患者様と操作する私たちどちらともの負担を減らすことができます。

口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)と口腔内スキャナー(iTero element2 アイテロ エレメント2)の違いは若干ありますが、患者様目線での一番のメリット「不快感なく型取りを行えること」に変わりはありません。

手の大きさと比べてもそのコンパクトさがお分かりいただけるかと思います。光を使って型取りをすると言ってもなかなかイメージが沸かないかと思いますが、こちらの写真の黒い部分から出る光で歯をスキャンすることで画面上に3D画像が作成されます。

口腔内スキャナー(iTero element アイテロエレメント)を使えばお口の中が型取りの材料でいっぱいになることはありません。また、女性の方は材料がお口周りに付くとメイク崩れの心配もあったかと思いますが、その心配がなくなるのも嬉しいですね!

快適な型取りをぜひ大宮SHIN矯正歯科で体感してみてください!

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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【矯正中の知覚過敏】 歯がしみるときの4つの対処法

2018.09.21

さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

 

前回は、矯正治療中に知覚過敏が起こる理由について書きました。今回は、矯正治療中の知覚過敏の対処法を4つ、ご自宅でできる方法と医院で行う処置をお伝えします。

自分でできる対処法


 

【 清潔に保ち、しばらく様子をみる】

 

「えっ!?」と、驚かれるかもしれませんが、矯正治療中の知覚過敏は一過性のものが多いのです。その理由は、唾液の成分の働きによって歯の表面は再石灰化するからです。

 

実は、歯の表面は食事をするたびに溶けています。ではなぜ、歯は溶けて無くならないのか?それは、唾液の中に「カルシウム」と「リン」という歯と同じミネラル分が含まれていて、溶けてしまった部分に再び沈着し、歯の表面を再生しているからです。これを再石灰化といいます。

 

〈歯の再石灰化のイメージ〉

 

矯正中、何らかの理由で一時的に歯の表面が傷ついてしみても、唾液の成分による再石灰化で歯の表面が再生され、症状が治まることもあります。「ちょっとしみるけど、我慢できなくはない」程度の軽い知覚過敏でしたら、しばらく様子をみるという対処法でいいかもしれません。

 

ただし、その効果を発揮するためには、歯の表面に唾液が触れることが条件です。汚れが残ったままだと、唾液の成分が届きづらいばかりか、汚れから出る「酸」によって歯の表面はどんどん溶かされ虫歯にもなってしまいます。

 

 

【MIペーストを使用する】

 

 

当院で歯がしみる方のセルフケアとしてMIペーストという「歯の栄養剤」のようなものをお勧めしています。先ほどお話した歯の成分であるミネラル「カルシウム」「リン」を豊富に含み、再石灰化を促進します。

 

MIペーストには、「カルシウム」は唾液の191倍、「リン」は21倍含まれ、知覚過敏だけでなく、初期虫歯の改善にも有効と言われており、日常的に使うことによって歯を強くしてくれます。

 

 

〈MIペーストの使い方〉

 

通常の歯磨き後に歯ブラシで歯面に塗り込み、3分以上おきます。マウスピース矯正装置(インビザライン )をされている方は、しみる部分に塗り込んだままマウスピースを付けると、MIペーストがより浸透しやすくなります。

 

マウスピースの中に、MIペーストを1cmくらい出して全体に塗り広げてから装着すれば、知覚過敏だけでなく歯全体の虫歯予防と歯質強化にもなります。汚れを落とす成分が入っていないので、歯磨きの後に歯の栄養剤として使うのがお勧めです。

 

 

※MIペーストについての同様の記事

矯正治療中にあると便利なケアグッズ・歯を削るIPR処置後におすすめのアイテム

 

【 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する】

 

市販されている、知覚過敏用の歯磨き粉には、歯の神経の興奮を抑えるカリウムなどが入っています。これを継続的に使うことによって、症状が治まることがあります。

 

 

ふつうに、この歯磨き粉で磨くだけでも効果はありますが、口をゆすぐと有効な成分が流れてしまうので、少しでも成分を歯に留めておくために、歯磨き後に再度、歯ブラシに歯磨き粉をつけて染みる部分に塗り込み、しばらく置いてからすすぐ使い方もおすすめです。

 

 

 

医院での処置


 

 

【コーティング剤を塗布する】

 

しみている部分に透明の液体のお薬を塗ることで、歯の表面がコーティングされ、刺激から守ってくれます。一時的なものなので、毎日の歯ブラシやお食事で徐々にコーティングは剥がれてしまいますが、再度コーティングすれば効果は復活します。

 

〈当院で使用しているコーティング剤〉

 

 

 

 


 

歯のしみ方には、痛みの感じ方と同様に個人差があります。矯正中に歯がしみるのが気になったら、遠慮なさらずにご相談くださいね♪

 

 

 

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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【矯正中の知覚過敏】矯正中に歯がしみる4つのワケ

2018.09.18UPDATE:2021.02.17

さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。

 

矯正治療中、歯がしみる(>_<)!と感じたことはありませんか?虫歯ではないのに、歯がしみることを知覚過敏といいます。テレビCMなどでよく聞きますよね。知覚過敏の原因はいろいろありますが、矯正治療中は知覚過敏が起こりやすくなります。

 

歯がしみるのはなぜ?


 

歯ぐきから見えている歯の部分は、通常エナメル質という硬い素材で覆われています。そのエナメル質の下は象牙質、その下に歯髄(神経)があります。

 

 

ところが、歯ぐきに隠れている歯根の部分には、硬いエナメル質はありません。歯根の表面はエナメル質よりずっと弱くて薄いセメント質で、その下は象牙質になります。

 

 

通常、歯はエナメル質のおかげで、物が触れたり温度刺激でしみることはありません。しかし、エナメル質がすり減ったり歯ぐきが下がると、刺激が内部の神経に伝達されやすくなり、しみると感じるのです。

 

 

 

 

 

では、矯正治療中に知覚過敏になるのはなぜでしょうか?

 

 

矯正で知覚過敏になる理由


 

【歯と歯ぐきの間に一時的に「すき間」ができる】

 

歯が移動することで、一時的にではありますが、歯と歯ぐきの間に通常よりも大きめの「すき間」ができます。いわゆる「歯周ポケット」の状態です。

 

 

 

その「すき間」から、刺激を感じる象牙質伝わってしみるのです。ただし、この「すき間」は、歯の移動が終わると、徐々になくなっていきます。

 

 

【IPR後の知覚過敏】

 

歯を動かすスペースづくりの為に、歯と歯の間にヤスリがけをする「IPR」という処置をすることがあります。ヤスリがけをするのは、硬いエナメル質の部分なのですが、強い刺激によって神経が過敏になるという理由で、ヤスリがけの刺激により一時的にしみやすくなります。

 

 

 

 

【 矯正装置を付けたことによる磨き残し】

 

 

矯正装置をつけると、どうしても歯磨きがしづらく磨き残しが増えてしまいます。長時間溜まった汚れには「酸」が含まれ、歯の表面にあるエナメル質を溶かしてしまい、刺激を感じやすくなります。

 

特に歯ブラシが届きにくいのが歯と歯ぐきの境目。この付近に汚れが溜まると、歯ぐきが腫れて、歯と歯ぐきの間に「すき間」ができ、汚れから出た「酸」の刺激を歯根の象牙質が感じやすくなります。

 

 

 

【歯ブラシの力の入れすぎ】

 

矯正中、「虫歯にならないように!」と、いつもより念入りに歯磨きをすることは、とても大切。一生懸命になればなるほど、ついつい歯ブラシに力が入ってしまうものです。しかし、歯ブラシの力の入れすぎは、歯ぐきには悪影響でしかありません。

 

強い力で歯ぐきに歯ブラシが当たった場合、痛めつけられた歯ぐきは「退縮」という現象を起こします。退縮とは、歯ぐきがどんどん下がって、歯の根っこ部分が露出してきてしまう現象です。その露出した根っこ部分の象牙質から神経に刺激が伝わり、しみるのです。

 

 


 

今回は、矯正中に知覚過敏になる主な理由をお話ししました。知覚過敏の症状は人それぞれ。冷たいものを召し上がる度にしみたり、ひどい方は「口で息を吸っただけで、しみる(T_T)」なんて方も。次回は、そんなツラーい知覚過敏になってしまった場合の対策方法をご紹介します♪

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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マウスピースの洗い方【マウスピース型矯正装置(インビザライン)】

2018.05.09UPDATE:2024.05.02

マウスピース型矯正装置(インビザライン )で歯の矯正治療を始めると、ひとつのマウスピースを10~14日間、1日20時間以上、歯に装着することになります。

そのため、清潔でないマウスピース使い続けていると、むし歯のリスクや口臭、マウスピースが着色する可能性があります。

そのようなことを防ぐために、歯の矯正中のマウスピースの正しい洗い方をお伝えします。

マウスピースの洗い方

-毎日の洗い方

①マウスピースを20~40°の流水で汚れを流す

②薄めた食器用洗剤をつけて、指または柔らかい歯ブラシでこすり洗い

③よく乾かして、すぐにつけない時は専用のマウスピースケースに保管する

-マウスピース専用の洗浄剤を使う

毎日洗っていても、次第に汚れや臭いが気になってきます。週に1~3回マウスピース専用の洗浄剤を使用しましょう。洗浄剤はコストもかかりますし、毎日使う必要はありません。

大宮SHIN矯正歯科では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の洗浄には、インビザラインクリーニングクリスタルをおすすめしています。

なぜなら、市販の入れ歯洗浄剤などは薬の作用が強く、マウスピースを劣化させる恐れがあります。

–マウスピース専用洗浄剤の使い方

  1. ①コップに90ccのぬるま湯(40°)にクリーニングクリスタル1袋を溶かします。
  2. ②マウスピースを入れ15分間浸しておきます。
  3. ③洗浄剤がマウスピースに残らないよう、流水でよく洗い流します。

–マウスピース専用洗浄剤を使うタイミング

朝がおすすめです。朝起きてマウスピースを外したタイミングで洗浄剤に浸し、その間に朝食と食後の歯磨きを済ませると清潔なマウスピースで1日を過ごすことができます。

-超音波洗浄器を使う

マウスピース専用の洗浄剤と超音波洗浄器の組み合わせが、マウスピースの汚れの付着率が最も低かったというデータがあります。

水を超音波により振動させ、細かい部分に付着した汚れを落としてくれる超音波洗浄器。メガネ屋さんの店頭で見かけるイメージですが、歯科医院の裏側でも患者さんに使用した器具や装置を洗浄するのに使用しています。

家庭用の小型の超音波洗浄器が家電量販店やネットで購入することができるので、マウスピースで歯の矯正をしている人はご自宅にあると何かと便利です。

マウスピースを洗うときに絶対にしてはいけないこと

-40°以上のお水で洗う

熱湯消毒はできません。マウスピースが変形してしまいます。

-歯磨き粉を使う

多くの歯磨き粉には研磨剤が含まれています。そのため、研磨剤によってマウスピースが傷つき、かえって汚れが付着しやすくなります。

-硬い歯ブラシでゴシゴシ擦る

研磨剤と同様に、硬い歯ブラシもマウスピースに傷がつく原因になります。

-マウスピースを水につけっぱなしにする

マウスピースを長時間水につけっぱなしにすると、逆に細菌が繁殖する可能性があります。洗った後はよく乾かしましょう。

マウスピースを洗わないとどうなる?

-むし歯のリスクが高まる

マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリットは、歯に器具を固定するワイヤー矯正と比較すると、歯磨きがいつも通りできることが大きなメリットです。

それなのに、汚れが付着したままのマウスピースを使い続けることは、かえって汚れが密着し、むし歯になりやすい環境になります。

-マウスピースが臭くなる

不衛生なマウスピースは細菌やカビが繁殖、有害な化学物質を生成し、不快な臭いの元となります。そしてそれが口臭にも影響します。

口臭に関する詳しい記事はこちら

-マウスピースが黄ばむ

マウスピースが着色する主な原因はお茶やコーヒーなど飲食物に含まれる色素ですが、透明のマウスピースは使っているだけでもだんだん黄ばんできます。専用の洗浄剤を使うことで効率よく落とせます。

このようなことが起こらないように、マウスピースは外す度に必ず洗って清潔に保ちましょう。出先などでゆっくり時間が取れないときは、お水で流すだけでも充分です。

お水が近くにない時は、マウスピース専用の除菌スプレーも市販されています。

そして食後は、歯磨きとフロスなどを使って食物残渣(食べ物の残りカス)がお口の中に残っていない状態で、清潔なマウスピースを装着しなおしてください。

正しい洗い方で洗浄したマウスピースを使用して、清潔な口腔内を保って歯列矯正の治療を進めていきましょう。

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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