【子どものガミースマイル】自然に治る?原因と治療タイミングを矯正専門医が解説

2026.02.12

「笑うと歯ぐきが目立つの気がする…」
「将来、本人がコンプレックスに感じないか心配」

お子さまのガミースマイル(笑った時に上あごの歯茎が大きく見える状態)について、このようなお悩みを持つ保護者の方は少なくありません。実は、子どものガミースマイルは、成長期に適切なアプローチを行うことで、外科手術を伴わずに改善できる可能性が高いことをご存知でしょうか。

今回は、子どものガミースマイルについて原因・自然に治る可能性・矯正治療のタイミングをわかりやすく解説します。

ガミースマイルとは?

ガミースマイルとは、笑ったときに歯ぐきが大きく見える状態をいいます。一般的に3mm以上歯ぐきが見えるとガミースマイル傾向とされます。

ただし、医学的な「異常」というよりも、見た目や骨格バランスの問題として扱われます。

子どもの場合は、成長発育の途中段階であることも多く、「今すぐ治療が必要」とは限りません。大切なのは原因の見極めです。

なぜ子どものガミースマイルが起こるのか?

子どものガミースマイルの主な原因は、単なる「歯並び」だけではありません。

① 上あごの骨の過成長(骨格的要因)

上顎の骨が縦方向に大きく成長していると、笑ったときに歯ぐきが多く露出します。このタイプは成長方向のコントロールが重要になります。

② 前歯の位置(出っ歯傾向)

前歯が前方に傾いていると、唇が引っ張られて歯ぐきが目立つことがあります。いわゆる「口元が前に出ている」状態と関連します。

③ 口呼吸・舌癖などの習慣

子どものガミースマイルには舌の位置(スポット)が大きく関わっていることがあります。舌はとても力の強い筋肉です。

安静時、本来は「スポット」と呼ばれる上あごの正しい位置に軽く触れているのが理想です。スポットは、上の前歯のすぐ後ろのふくらみ(切歯乳頭の少し後方)です。ざっくり言うと、「上の前歯の裏の“少し上”」が目安になります。歯そのものではなく、歯の後ろの粘膜部分です。

しかし、

・飲み込む時に舌が前歯を押している
・下が前に出る癖がある
・舌が下に落ちている
・口がポカンと開いている(口呼吸)

こうした習慣は、上顎の成長や前歯の突出を助長することがあります。そして、笑ったときに歯ぐきが目立つガミースマイルを招きやすくなります。

 

④ 上唇が短い・よく上がる

笑ったときに上唇が大きく持ち上がるタイプもあります。これは骨格というより筋肉の特徴です。

子どものガミースマイルは自然に治る?

これは保護者の方が最も知りたいポイントだと思います。

軽度で成長途中の場合

成長に伴いバランスが整うこともあります。

骨格的要因が強い場合

自然改善は難しいことが多いです。特に、

  • 常に口が開いている
  • 出っ歯傾向がある
  • 下顔面が長い

といった特徴がある場合は、早めに一度矯正歯科で相談することをおすすめします。

何歳から相談すべき?

目安は 6〜10歳(混合歯列期) です。この時期は、

  • 顎の成長をコントロールできる
  • 習癖改善がしやすい
  • 将来の本格矯正を軽くできる可能性がある

というメリットがあります。永久歯が生えそろってからでは、骨格へのアプローチは難しくなります。

子どものガミースマイルの治療方法

原因によってアプローチが異なります。

口腔筋機能療法(MFT)

  • 舌の位置
  • 口呼吸
  • 飲み込み方

といった機能的な問題が影響しているケースの場合、成長期の子どもでは、舌の使い方次第で成長方向が変わる可能性があります。口腔筋機能療法(MFT)では、

・舌をスポットに置く練習
・正しい飲み込み方の習得
・口唇閉鎖力の強化

を行い、舌と口周りの筋肉のバランスを整えます。骨格そのものを大きく変える治療ではありませんが、「悪化を防ぐ」「成長を正しい方向へ導く」ことが目的です。

■ 上顎の成長コントロール

拡大床などの取り外しできる装置を用いて成長方向を調整します。拡大床は上あごを横に広げる装置です。ガミースマイルのお子さまの中には、

・上あごが狭い
・口がポカンと開いている
・前歯が出てきている

という特徴が見られることがあります。上あごが狭いと

  • 舌が上におさまりにくい
  • 口呼吸になりやすい
  • 上あごが縦に伸びやすい

という流れが起こることがあります。その結果、笑ったときに歯ぐきが目立ちやすくなる= ガミースマイル傾向になります。

拡大床を使って、上あごを横に広げることで、

  • 舌が正しい位置に置きやすくなる
  • 鼻呼吸がしやすくなる
  • 前歯が前に出にくくなる

といった効果が期待できます。つまり、「歯ぐきを直接減らす治療」ではなく、拡大床はガミースマイルになりにくい土台を作る治療です。6〜10歳ごろの骨が柔らかい成長期が特に効果的です。

ガミースマイル、拡大床

■ 前歯の位置改善

ワイヤー矯正やマウスピース型矯正装置(インビザラインなど)で歯の位置を整える方法もあります。

※骨格的に大きな問題がある場合、成人後に外科的治療が選択肢になるケースもありますが、子どもの段階でそこまで判断することは通常ありません。

ガミースマイルを改善した症例紹介

ガミースマイルを気にして当院に来院され、治療した患者さまです。拡大床と口腔筋機能療法(MFT)で改善しました。
主訴:ガミースマイルとかみ合わせが気になる
診断名:過蓋咬合
初診時年齢:6歳
使用装置:拡大床
抜歯部位:なし
治療期間:1年10ヶ月
治療費用:¥380,000(税別)
リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
この症例の詳細はこちら

子どものガミースマイル、放置するとどうなる?

必ず悪化するわけではありません。しかし、

  • 出っ歯が強くなる
  • 口呼吸が定着する
  • 歯並びが乱れる
  • 思春期以降に見た目の悩みが強くなる

といった可能性があります。成長期は「治療する」だけでなく“将来悪化させないための管理”ができる時期でもあります。

まとめ

子どものガミースマイルは、

  1. 成長で自然に改善する場合もある
  2. 原因によっては早期対応が有効
  3. 6〜10歳頃の相談がひとつの目安

「まだ様子見でいいのか」
「将来のために今できることはあるのか」

迷われたら、一度矯正歯科で相談を受けることをおすすめします。お子さまの成長を活かせる時期は限られています。将来後悔しないためにも、早めのチェックが安心につながります。

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

ブログ一覧へ

初診相談予約 電話 LINE 初診相談とは?
初診相談予約24時間OK 症例を見る LINE予約ご相談OK 初診相談とは?