こんにちは。
さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のSです。
実際に当院で歯列矯正の治療を受けられた方の症例をご報告します。今回のブログでは、開咬症例(前歯が開いている状態)についてお伝えしていきます。
目次
【開咬(前歯が開いている状態)とは】
開咬とは、口を閉じた状態で、奥歯は噛み合っているのに前歯が噛み合っておらず、常に上下の前歯が開いている状態のことです。別名、「オープンバイト」とも言われます。
開咬の原因は、「遺伝的な原因」と「後天的な原因」に分けることができます。
遺伝による開咬は、顎の骨の形態に問題があり、顎の成長とともに進行していくのが特徴です。一方、後天的な開咬の場合は、乳幼児期の指しゃぶりや舌を前に出して前歯に押し当てたり、前歯で舌を軽く噛んだり、舌を出したりするクセなどが主な原因となります。
【開咬(前歯が開いている状態)のデメリット】
開咬は前歯が閉じないため、見た目だけでなく様々な問題を引き起こします。
①食事の問題
前歯で食べ物を噛み切るのが難しいのが大きな問題です。噛み切るのに不自由をすると、しっかり噛まないまま飲み込んでしまうクセがつき、胃腸に負担がかかります。
また、前歯が噛み合わないため、常に奥歯で噛みます。そうすると、顎の関節・筋肉も疲労しやすいため、顎関節症になる確率が高くなります。さらに、奥歯に必要以上の負担がかかるため、奥歯の詰め物・被せ物が外れやすくなったり、奥歯が破折したりする場合もあります。
②発音の問題
常に上下の前歯に隙間ができているため、話をするときに息が漏れて不明瞭な発音になってしまいます。特に、サ行・ザ行が聞き取りにくい発音になってしまいます。
③ドライマウス
開咬の方は唇を閉じにくく、開きがちになります。唇が開いている時間が長いと、ドライマウス(口のなかが常に乾燥した状態)になり、唾液の分泌量が減少します。そうすると、口腔内に細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭を招きやすくなります。
【ご来院の理由】
21歳、女性の患者様です。
前歯が咬んでいないことが気になるということでご来院されました。
こちらの患者様は、大人の歯に生え変わるころから見た目が気になっていました。また、前歯が咬み合っておらず見た目が気になるそうです。コンプレックスである歯並びを改善したいとのことで、当院の初診カウンセリングに来院されました。
【矯正中の不安・装置選び】
特に装置の見え方は気にしておらず、1番安く矯正したいとのことでしたので、表側矯正(ワイヤー)のシルバーワイヤーで、治療を進めていくことになりました!
全体の治療期間や治療中の痛み、歯を抜くことへの不安などがありました。Consの際に担当Dr.から、治療期間や歯を抜く必要性について、しっかりとご説明させて頂き、治療に対する不安はなくなったとのことで、当院での治療がスタートしました。
【治療開始・治療経過】
口元の突出感もありました。前歯を咬ませながら口元を引っ込めたいとの患者様からのご希望もあり、抜歯(上下左右第一小臼歯)をして、歯並びを改善しました。まずはガタガタを改善して、その後、抜歯スペースを利用して口元を下げながら前歯を咬ませる作業を行いました。
【ワイヤー矯正中の豆知識】
今回は、パワーチェーンについてご案内します!
パワーチェーンとは下のイラストのように、つながっているゴムのことを言います。
今回のように、抜歯症例の場合、ガタガタをほどいて硬いワイヤーを入れたあと、抜歯スペースを閉じる際に使用します。その他にも、ゴムのかけ方によっては、細かい歯のねじれ改善や牽引などに使用します。ゴムが繋がっているため汚れが溜まりやすくなります。しっかりと歯磨きするようにしましょう!!
【動的治療終了】
こちらの患者様は、通院間隔等しっかりとお守り頂けていたため、約1年6ヶ月で動的治療が終了しました。
こちらが動的治療終了後のお口の中のお写真です。
前歯がしっかりと咬み合い、口元の突出感も改善され、美しい口元になりました!
【まとめ】
主訴:前歯が咬んでいないことが気になる
診断名:開咬
初診時年齢:21歳
装置名:表側矯正(ワイヤー)
抜歯or非抜歯: 抜歯(上下左右第一小臼歯)
治療期間:1年6ヶ月
費用:88万円程度(税別
詳細はこちらをご覧ください
リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り