「歯列矯正やらなきゃよかった」と後悔する前に知っておくべきこと【歯科医師解説】

2021.03.10UPDATE:2024.12.14

こんにちは。大宮SHIN矯正歯科 院長の矢野です。

矯正治療を行っている歯科医院は数多くありますが、その中からどうやって治療先を選べば良いのでしょうか。できれば、矯正専門歯科である当院を受診していただきたいところですが、場所的に通院が難しい方もいらっしゃるかと思います。

「歯列矯正やらなきゃよかった」と後悔する前に、適切な矯正治療を行うために知っておくべきことをお伝えしたいと思います。

歯列矯正で失敗しやすい人の特徴

-治療計画への理解やコミュニケーション不足な人

矯正治療に関する説明を十分に理解していない場合や、治療方針について歯科医とコミュニケーションが不足している場合、期待する結果と現実にギャップが生じやすいです。

-矯正装置の使用・管理が不十分な人

矯正器具を正しく装着しないと治療効果が得られにくい。矯正後のリテーナー(保定装置)を指示通り使用しない場合、後戻りします。

例:マウスピース矯正の場合、装着時間を守らない。

食事後の装置の清掃や、ゴム掛けを適切に行わない。等…

-口腔衛生管理が不十分な人

矯正装置の装着中は歯や装置の清掃が難しくなるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯周病や歯茎の健康状態が悪い場合、矯正の効果が得られにくかったり、思わぬ問題が生じることがあります。これにより矯正治療を中断せざるを得なくなることがあります。

-矯正のモチベーションが低い人

通院スケジュールを守らない、または長期間治療を中断してしまうと、歯列が元に戻ったり、計画通り進まなくなることがあります。

-悪習癖がある人

悪習癖(舌癖、爪を噛む、歯ぎしり等)が治療の妨げになることがあります。

失敗や後悔しないための3つのポイント

-ポイント1:信頼できる歯科医院を選ぶ

矯正治療は専門的な知識と技術が必要で、治療期間も長期にわたります。適切な治療計画を立てられる歯科医師の選択が成功の鍵の1つです。

ポイント2:治療計画とゴールを明確にする

矯正治療は見た目だけでなく、かみ合わせや発音にも影響します。ゴールが明確でないと、途中で後悔する可能性があります。

ポイント3:治療中の自己管理を徹底する

矯正治療は歯科医師任せだけでなく、患者自身の努力も成功のカギを握ります。特に装置の使用や口腔ケアが不十分だと、治療効果が得られなかったりトラブルが発生します。

矯正治療によるリスクとデメリット

-歯根吸収

矯正治療中の歯の移動に伴い、歯根の一部が吸収される歯根が短くなることがあります。

-歯肉退縮

矯正治療中に歯肉が下がり歯根が露出してしまうことがあります。原因としては、矯正治療による歯の移動量が大きい場合、過度なブラッシング圧を与えた場合、歯周病によるもの、元々歯肉が薄い場合の矯正治療によるものなどが考えられます。

-痛みや不快感

ワイヤーの締め付けや装置による口腔内の違和感が伴うことがあります。また、会話や食事がしづらいと感じる場合もあります。

-虫歯や歯周病のリスクが高まる

矯正装置が付くことで歯磨きが難しくなり、口腔内の衛生状態が悪化すると虫歯や歯周病になりやすくなります。

-後戻り

矯正治療後に保定装置を使用しないと、歯が元の位置に戻ってしまう可能性があります。

矯正治療のメリット

矯正治療中の痛みや装置の不快感などネガティブな情報をお伝えしてしましましたが、歯列矯正を行うことで得られるメリットはそれ以上のものがあります。

-口腔内の健康改善

矯正治療により歯並びが改善されることによりお口の清掃性の向上、つまり歯磨きがしやすくなります。これにより虫歯や歯周病の予防ができます。

また、歯列矯正を行うことでかみ合わせも改善されます。食べ物を効率的に噛むことができ、消化を助ける効果があります。また、噛む力が均等に分散されるため特定の歯や顎への負担軽減にもつながります。

-発音の機能改善

歯並びが悪いと「サ行」や「タ行」など特定の音が正しく発音できないことがあります。矯正治療により、発音が改善する場合があります。

-審美的な改善

ガタガタの歯並びや口ゴボ、すきっ歯を整えることで、整った美しい歯並びが得られ、口元が閉じやすくなったり、笑顔に自身が持てるようになります。

-顔のバランスの改善

出っ歯や受け口、過度な歯列のガタつきがある場合、矯正治療で顔全体のバランスが整うことがあります。特に横顔(プロファイル)が改善されることで顔立ちに変化が見られることがあります。

-子供の成長発育を助ける

成長期に矯正治療を行うことにより、顎の成長をコントロールすることができる可能性があります。顎の成長をコントロールすることにより大人の矯正治療で抜歯をしなくてよくなる場合があります。

矯正治療を検討している人へクリニック選びのポイント

-矯正治療の専門性

矯正治療を専門に学んだ歯科医師が在籍しているクリニックを選びましょう。日本矯正歯科学会の認定医や専門医であれば、一定の経験や技術が保証されています。

歯科矯正学を中心とした学問を取り扱う専門学術団体として、公益社団法人日本矯正歯科学会があります。その団体によると「矯正治療を受けたいがどこ行けば良いか?」という質問に対して3つの回答をしています。

かかりつけの一般歯科があれば、その先生に矯正の先生を紹介してもらう

医科の診療科目に内科、外科、小児科、耳鼻科、眼科…などがあるように、歯科は「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」の4つに分かれています。

この中で専門にしている歯科医師が最も多いのが、むし歯や歯周病などの治療を行う「歯科」次に「小児歯科」、「歯科口腔外科」、「矯正歯科」となっています。

一般歯科とは、「歯科」を指します。むし歯の予防や治療、歯周病や歯茎のトラブル全般を診療など、治療の多くが保険の範囲内で行われることから、保険診療のことを一般歯科とも言います。

馴染みのかかりつけの先生が紹介してくださった、矯正歯科の先生であれば安心ですね。

②矯正歯科治療を専門でおこなっている大学病院などの矯正歯科

特にかかりつけの歯科医師がいないという方もいらっしゃると思います。そういった場合は、歯科大学の付属病院の矯正歯科を受診し相談します。

大学病院の矯正歯科であれば難しい症例も対応可能ですし、確実に矯正専門の歯科医師による治療が受けられます。

しかし、診療時間が比較的短いため、予約が取りづらい、待ち時間が長いといったデメリットもあります。

③矯正を専門でおこなっている歯科医院を受診し相談する

矯正専門医を探すひとつの目安として、日本矯正歯科学会のホームページには「日本矯正歯科学会の認定医・指導医・臨床指導医を探す」という項目があります。

そこで、お住まいの地域など、通院しやすい場所にいる矯正専門の歯科医師を探すことができます。

日本では歯科医師免許があれば、例え矯正歯科治療の経験がなくても、上記4つの科目を看板に掲げてよい診療科目となっています。

よくある「〇〇歯科 矯正歯科 小児歯科」など複数の診療科目が書かれた歯科医院の看板は一見すると、歯科の総合病院であるかのような印象を受けます。

もちろん、それぞれの専門の歯科医師が在籍している医院もありますが、極端な話、医科に置き換えると耳鼻科の先生が整形外科の治療を行っている歯科医院もあるということです。

参考文献:日本臨床矯正歯科医会のホームページ

-矯正治療の実績を確認

症例数が多く、さまざまなケースに対応した経験が豊富なクリニックを選びましょう。

症例写真(before、after)を公開しているクリニックは、治療の仕上がりをイメージしやすいです。

-治療方針や説明が丁寧か

初回カウンセリングで、治療の目的や方法、メリット・デメリット、費用について丁寧に説明してくれる。質問にしっかり答えてくれるか、無理な勧誘がないかも重要ポイントです。

-矯正治療方法が複数ある

マウスピース型矯正装置しか取り扱いがない場合、万が一、マウスピースでは治らないという状況になったときに従来型のワイヤー矯正によるリカバリーをする必要性がでてきます。

マウスピース矯正はやっているが、ワイヤー矯正はやっていないという歯科医院で矯正治療は注意が必要です。

-セファロ撮影検査を実地している

セファロとは顔の骨格を調べる矯正歯科専用のレントゲン装置で、上記の学会もセファロレントゲン撮影検査に基づく矯正治療を推奨しています。

見た目は簡単に治りそうに思える歯並びでも、セファロを撮影することで目立つ前歯の歯並び以外に、かみ合わせに問題があることがわかり、部分矯正などでは治らない実は難しい症例である場合が多くあります。

歯根の露出や顎への弊害を回避するためにセファロレントゲン撮影検査をしている歯科医院での受診が大切です。

〈当院のセファロレントゲン(左)〉

-適正価格の医院を選ぶ

従来の矯正治療のイメージを覆すような、「○円で矯正が気軽にできる」「歯列矯正が短期間ですぐにできる」「自宅で歯並びが治る」などの過度に価格の安さや治療期間の短さを強調する広告等を目にしたことはあるでしょうか。

矯正治療の相場は、大人の場合70~90万円です。(裏側矯正は100万円以上します)自費診療なので歯科医院によって料金に差がありますが、相場の範囲を超えた低価格で矯正治療を行っている場合は注意が必要です。

それでも、中には“安いに越したことはないよね?”と思う方もいるかもしれません。しかし、安いのにはそれなりの理由があります。企業努力では解決できないコストカットをしている場合、矯正治療の成功から遠ざかるのは自明の理です。

皆さんは風邪を引いた時に、薬局で風邪薬を買って飲みますか?それとも病院へ行きますか?これを歯列矯正に置き換えると、風邪薬が格安マウスピース矯正で、病院が矯正専門医が行う矯正治療です。まったくの別物ですね。

不適切な矯正治療を行うと、歯列矯正したのに

・食事がしづらくなった

・顎が痛くなった

・かえって出っ歯になってしまった

・いつまで経っても治療が終わらない

といったトラブルに見舞われ、「矯正治療やらなきゃよかった」と後悔につながります。矯正治療前にしっかりと知識を得ておくことが重要です。

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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