こんにちは!さいたま市 大宮SHIN矯正歯科・歯科衛生士のKです。

ときどき、矯正治療中の患者さまから「顎が痛くなった」「口が開けにくくなった」「顎関節症になってしまったのではないか?」と相談を受けることがあります。

治療を行うことで健康になるはずが、かえって痛みや別の症状が出てしまったら不安になりますよね。そこで、もし矯正治療中に顎関節症のような症状がでてしまった場合は、どうすれば良いかお伝えします!

顎関節症とは


まずはじめに、そもそも顎関節症とはどのような病気なのでしょうか。身体の中の骨と骨を繋ぐ部分には関節が存在し、関節のおかげで日常生活を行う動作が可能になります。顎関節も食事や発声を行うためには欠かせないそのひとつです。

しかし、膝関節は回転すると動きますが、顎関節は回転しながらスライドする、という他の関節と比べると複雑な動きをします。そのため、精密なものが壊れると修理が大変と言われる様に、少しのことで顎関節がズレてしまうと不具合が色々と生じやすいのです。

口を開けようとすると顎が痛い、大きく口を開けられない(目安として指3本も入らない)または、カクッと関節音がするといった症状が出て、親知らずの痛みなど他の病気がない場合に顎関節症と診断されます。

顎関節症の原因


噛み合わせが悪いと顎関節症になる、と聞いたことはありませんか?当院の患者さまの中にも、顎の関節に違和感を感じていて、歯列矯正をすることで噛み合わせが改善され、顎関節症が良くなることを期待して治療を始める方もいらっしゃいます。

もちろん噛み合わせも原因にあげられますが、顎関節症は不正咬合だけが原因でなく、日常生活における習慣や癖、ストレスや不安などからくる顎の筋肉の緊張、外傷など複数の原因が組み合わさって、複雑で壊れやすい顎関節が耐えられなくなってしまった時に起こると言われています。

顎関節症チェックリスト

当てはまる項目がある方は、顎関節症になる可能性があります!

□頬づえ

□食いしばり

□歯ぎしり

□食事の時に片側ばかりで噛む

□唇や頬の内側を噛む

□うつ伏せ寝

□猫背

□パソコンや携帯電話の長時間に及ぶ操作

矯正治療中に起こる顎関節症の原因


歯の移動による一時的な噛み合わせ不良

矯正治療のために抜歯した場合、それまでかみ合っていた歯が無くなるので、その分の負担が他の歯にかかり、顎関節にも影響を及ぼす可能性があります。また抜歯しなくても、矯正治療中は噛み合わせが変化するので、顎関節に負荷がかかり顎に違和感を感じることがあります。

矯正治療に対するストレス

矯正治療に対する不安や、矯正装置の違和感、歯の移動による痛みなどがストレスとなり、顎関節症の症状を感じることがあります。また、ストレス増加による歯ぎしりも顎関節症を引き起こす要因のひとつです。

もし、矯正治療中に顎関節症になってしまったら


先ほどの矯正治療中に起こる顎関節症の原因をみると、矯正治療自体が顎関節症を発症させているわけではないことがわかります。しかし、顎関節に何らかの炎症が起きているので自己判断で対処せず、まずは矯正治療を担当しているドクターに相談しましょう。

矯正治療中の顎関節症はほとんどの場合一時的なものです。顎がカクッと音がすると鳴らしたくなってしまいますが、鳴らさず安静にして様子をみましょう。痛みがある場合、顎を前方に出すような動きや、顎関節症に効くマッサージは効果がある言われていますので試してみてください。

顎関節症の症状を和らげるマッサージ

① 手を拳にして指に力をいれ、首の後ろからゆっくり前へ移動させる。

②人差し指と中指をこめかみにあてて、小さな円を描いてマッサージする

③人差し指と中指に力を入れて、頬からの関節部分を小さな円を描くようにマッサージ