こんにちは!さいたま市、大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のTです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン )は、他の矯正装置だと抜歯の必要がある症例でも、歯を抜かずに治療できることが多くあります。しかし、「歯を抜かないと前歯が押し出されて、もっと『出っ歯』になってしまいませんか?」という質問を受けることが度々あります。
確かに、顎の大きさに対して1本1本の歯が大きくぎゅうぎゅうに詰まった歯並びの方が、誤った診断により、歯を抜く必要があるにもかかわらず、無理に非抜歯で歯並びを整えようとするとこのようなデメリットが起こってしまう可能性があります。
目次
マウスピース型矯正装置(インビザライン)で歯を抜かなくても出っ歯にならない歯並びとは
マウスピース型矯正装置(インビザライン)で抜歯が必要か、そうでないかは、奥歯の噛み合わせの位置が重要になります。正しい奥歯の位置関係は、写真のように下の奥歯が前方に出ていて、それぞれの凸凹が噛み合っています。
この噛み合わせの位置関係は問題ない、または軽いズレの場合は歯を抜かずに、ガタガタの歯並び(叢生(そうせい))や出っ歯の矯正治療が可能です。
歯を抜かずにきれいな歯並びになる3つの方法
ガタガタの歯並び(叢生(そうせい))や出っ歯の原因は、先ほど述べたように、顎の大きさに対しての歯のスペースが足りないからです。それは、奥歯の位置関係が問題なくても同じです。では、歯を抜かずにマウスピース型矯正装置(インビザライン)はどうやって歯が綺麗に並ぶためのスペースを確保するのでしょうか。
側方拡大
内側に倒れている奥歯を垂直に起こして、歯並びのアーチをU字型に広げます
歯と歯の間をやすりがけ
IPR(アイピーアール)という処置を行います。歯と歯の間を0.2~0.5mmほどやすりがけして、歯を抜かずにスペースを作ります
奥歯の後方移動
奥歯を遠心(えんしん)移動といって後ろに移動させます。この時、親知らずが残っている場合は、親知らずを抜歯することがあります。
この3つの方法によって、抜歯をせずに歯が移動するスペースを作り、マウスピース型矯正装置(インビザライン)のシミュレーションソフト、クリンチェック(下の画像) は、出っ歯にならないように歯並びを整えていくように治療計画をたてます。
しかし、同じ条件の歯並びでも、全ての方にこの方法があてはまるとは限らず、矯正治療で歯を抜くか抜かないかは、実際にお口の中を見てみないと適切な判断はできません。
確かに、適応でない非抜歯矯正は、出っ歯や、後戻り(元の歯並びに戻ってしまうこと)のリスクが高まります。せっかく高いお金を出して、長い年数をかけて歯列矯正をしたのに、このような結果になってしまったら悲しいですよね。
そんな思いをしないためにも、抜歯するか否か含め、熟練の歯科医師による適切な判断がとても大事になってきます。ぜひ皆さんも信頼できる歯医者さん選びをしてくださいね!