マウスピース型矯正装置(インビザライン )での歯列矯正治療について話を聞いたり、調べると、度々「クリンチェック」という言葉を耳にすると思います。普段の生活では聞き慣れない言葉ですが、正しい意味をみなさんは知っていますか?

「クリンチェック」とは?


アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した、3次元的に矯正治療での歯の動きをシミュレートすることができるソフトのことで、販売名称は「クリンチェック・ソフトウェア」と言います。

パソコンに入っている、ワードやエクセル、携帯のアプリのようなものです。

「クリンチェック」=「治療計画」と解釈している方もいると思いますが、このソフトウェアによって、コンピューター画面上で歯が移動していく様子を詳細にシミュレーションし、それを見ながら治療開始から完了までの治療計画の検討と立案できるのです。

「クリンチェック」を使用する流れ


① 最先端の口腔内スキャナー(iTero Element アイテロ エレメント)で、患者様の口腔内と歯型をスキャン

②口腔内スキャナー( iTero Element アイテロ エレメント)で読み取ったデータを元に高精度の模型をコンピューター上に具現化

③ クリンチェックを使用して、コンピューター画像上で歯の移動シミュレーションを詳細に見ながら治療開始から完了までの治療計画の検討と立案

クリンチェックが登場するまでは、1本1本の歯がどのように動いていくかを見ることはできませんでした。3D動画を通して途中経過を実際に目で見て確認できるようになったことは、何よりも患者様にとって、治療中の不安が減り、モチベーションの維持にもつながります。

④ 出来上がった治療計画を担当のドクターが確認、修正

世界中の膨大な臨床データがベースの、クリンチェックソフトウェアによる治療計画ですが、機械任せにはせず、最終的には必ずドクターが確認して必要に応じて修正します。

よって、機械が担う部分が大きいマウスピース型矯正装置(インビザライン)ですが、どのクリニックで治療を受けても結果は同じにはなりません。やはりドクターの経験や症例数によって仕上がりや、治療期間が大きく異なってくるのです。

⑤ 米国からマウスピースが治療期間分届き、治療開始

最先端のデジタル技術と、矯正歯科専門医の知識というアナログな技術が融合して、初めてマウスピース型矯正装置(インビザライン)での矯正治療がスタートします。

「クリンチェック」と薬事法


このクリンチェックソフトウェアと、マウスピースを作成するための独自の光造型技術が合わさった歯列矯正のシステムがマウスピース型矯正装置(インビザライン) です。

クリンチェックソフトウェアの一般的名称は、歯科矯正用治療支援プログラムで、X線撮影装置、心電計などと同じ管理医療機器としての承認を得ています。