さいたま市、大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のMです。

先日、47歳の品川庄司庄司智春さんが「マウスピース矯正やってました!」というネットニュースを見ました。

その記事の中で印象的だったのが、「始めた時には遅いかなと思ったんですけれど、全然遅くないです」という庄司さんの言葉です。

40代から歯の矯正治療はできるの?

「矯正するなら若い方がいい」とか「高齢になると矯正はできない」といった先入観から、なかなか重い腰が上がらない、という方も多いのではないでしょうか?

ずばり、40代からでも歯の矯正はできます!

歯の状態が健康であれば、50代、60代ともっと上の年齢からでも歯を矯正治療は可能です。

40代で始める歯列矯正、治療期間はどのくらい?

当院の40代の患者さまの治療期間は平均して約2年ほどです。大人だからといって、歯が動くのに時間がかかるということはありません。

ただし、この期間とは別に保定期間が2年ほどあります。保定期間とは、新しい歯並びを固定させるためにリテーナーの装着が必要な期間です。

当院40代の患者さまの症例はこちらから

40代、矯正治療中の口元・外見への影響は?

マウスピース型矯正装置(インビザライン)はもちろんのこと、ワイヤー矯正の場合でも、セラミックブラケットとホワイトワイヤーの組み合わせを用いれば、歯に矯正装置を付けていることが目立ちません。

40代からの歯列矯正、メリットとリスク

  • 【40代の歯列矯正のメリット】
  • ・審美的なコンプレックスの解消
  • ・歯の健康を保つことができる
  • ・全身の健康にもつながる

審美的なコンプレックスの解消】

「大人になって歯並びがガタガタになってきた」「昔から歯並びがコンプレックスだった」といった悩みから解放され、笑顔に自信がもてるようになります。

歯の健康維持

凸凹のないきれいな歯並びは歯磨きがしやすく、虫歯や歯周病のリスクが軽減され、お口の中を清潔に保つことができます。

全身の健康にもつながる】

歯列矯正は、歯並びだけでなくかみ合わせも改善されます。

食べものがよくかめるようになるので、消化がよくなって、内臓の健康維持にも役立ちます。また、正しいかみ合わせは、お口周辺の筋肉の負担軽減にもなり、その結果、肩こりや頭痛の改善につながることもあります。

このようなメリットがある反面、40代からの歯列矯正は治療に伴うリスクやデメリットもあります。

【重度の歯周病の場合、歯列矯正の治療が始められないことも】

歯周病とは、歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

歯周組織は、矯正で歯を動かしていく仕組みに深く関係していますそのため、歯周病が進行している場合は、そちらの治療を先に行う必要があります。

ところが、自覚症状がほとんど無いまま進行し、中には治療を始める前に行う精密検査で初めてご自身が歯周病にかかっているとわかる方もいらっしゃいます。

厚生労働省の調査で、30~50代の8割が歯周病にかかっているという報告があり、40代から歯列矯正を始める場合はその可能性が高くなります。

40代から歯の矯正はできるの?の章で、”歯の状態が健康であれば”とお伝えしたのはこのためです。

【歯肉退縮によるブラックトライアングル】

歯肉退縮は、歯茎(歯肉)が矯正治療の過程で後退し、歯の根元部分が露出する状態を指します。歯肉退縮が進行すると、歯と歯茎の間に隙間ができ、その隙間の形が三角形に見えることから「ブラックトライアングル」と呼ばれています。

40代の方は、一般的に若い頃のような歯茎の弾力性や治癒能力が低下していることがあります。加えて、長年の咬合力や歯の位置による負担が加わることで、歯肉退縮が起こりやすくなる傾向があります。

歯列矯正では、歯を移動させるために軽い力がかかります。この力によって、一部の方では歯茎の血行が悪化し、歯肉退縮が生じる可能性があります。特に歯の根元部分や歯と歯茎の接触点周辺が弱くなり、ブラックトライアングルが形成されることがあります。

歯肉退縮やブラックトライアングルのリスクを最小限にするためには、正確な診断と適切な治療計画が重要です。歯科医師や矯正歯科専門医との十分な相談と検査を通じて、自身の口腔状態やリスクを理解しましょう。また、定期的な歯科健診と適切な歯磨き、口腔ケアを行うことも重要です。

気になる費用は?40代からの歯列矯正、保険は効く?

歯列全体を矯正すると、だいたい100万円前後が治療費の目安となります。40代となると、ご自分より子どもの歯並びを優先させたいと考える方もいるでしょう。

基本的には歯列矯正には保険が適用されません。そのため、気軽に支払える金額ではありませんが、当院では分割で回数によっては手数料無しでお支払いいただくことが可能です。詳細はこちらをご覧ください。

40代の歯列矯正まとめ

40代からの歯列矯正は、老後、歯を失う原因となる「虫歯」や「歯周病」のリスクを減らし、全身の健康維持にも繋がるので、これからのご自分の大切な時間を、より快適に楽しく過ごすためには、大きなメリットがあると言えます。

もっと年齢を重ねるにつれ、矯正治療のハードルが上がるのは事実です。しかし、視点を変えれば矯正治療を迷っている今こそがハードルが一番低い時かもしれません。

思い立ったが吉日。40代で歯列矯正をした庄司さんの「始めた時には遅いかなと思ったんですけれど、全然遅くないです」という言葉は非常に説得力があると感じました。