アデノイド顔貌は治せる?矯正治療でできること・できないこと

2026.02.17

「鏡で横顔を見たとき、顎のラインがはっきりしない」
「口元が前に出ているように感じる」

このような悩みを抱えている方は、もしかすると「アデノイド顔貌」と呼ばれる状態に当てはまるかもしれません。

アデノイド顔貌は、単に見た目の印象だけの問題ではなく、呼吸や噛み合わせ、口腔内環境などの機能面とも関係することがあります。成長過程や生活習慣の影響を受けやすいため、気づかないうちに形成されているケースも少なくありません。

一方で、「矯正治療で治るのか」「大人になってからでも改善できるのか」といった疑問を持つ方も多く、インターネット上ではさまざまな情報が見られます。中には、実際の治療効果以上に期待を持たせる表現もあるため、正しい理解が重要です。

この記事では、アデノイド顔貌の特徴や原因を整理したうえで、矯正治療でできること・できないことを分けて解説します。

アデノイド顔貌とは?その特徴と原因

アデノイド顔貌とは、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)の肥大や、口呼吸の習慣が長期間続くことによって形成されるとされる特徴的な顔立ちを指します。

アデノイドは本来、細菌やウイルスの侵入を防ぐ役割を担っています。しかし、幼少期の感染症やアレルギー反応などが影響し、肥大した状態が続くと、鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸が習慣化しやすくなります。

この状態が長期間続くことで、顔の成長や顎の発達、歯並びに影響が及ぶことがあります。その結果、次のような特徴が見られることがあります。

  • 口元が前方に突出して見える
  • 下顎が後退し、顎と首の境目が分かりにくい
  • 鼻の下が長く見える
  • 面長な印象を与える
  • 口が開いたままになりやすい

これらは見た目の印象に関わるだけでなく、口呼吸による口腔内の乾燥、むし歯や歯周病のリスク増加、発音や咀嚼への影響など、健康面にも関係する可能性があります。

アデノイド顔貌の主な原因

アデノイド顔貌の原因は一つに限られず、複数の要因が重なっていることが多くあります。

アデノイドの肥大

幼少期にアデノイドが肥大すると、鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸が習慣化しやすくなります。この状態が成長期に続くと、顎や顔貌の発達に影響を与えることがあります。

口呼吸の習慣

口呼吸が続くと、舌が本来あるべき上顎側に位置しにくくなり、顎の成長バランスが崩れやすくなります。これが歯並びや噛み合わせ、顔立ちの形成に影響すると考えられています。

遺伝的要因

顎の大きさや骨格の形には、遺伝的な要素も関係します。家族に似た顔立ちや噛み合わせが見られる場合、その影響を受けている可能性もあります。

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矯正治療で改善が期待できるケース

アデノイド顔貌は、原因や重症度によっては矯正治療で改善が期待できる場合があります。
特に、歯並びや噛み合わせが主な原因となっているケースでは、矯正治療が有効となることがあります。

改善が期待できる主なケースには、次のようなものがあります。

  • 歯並びの乱れ(叢生)が原因で口元が前に出ている場合
  • 前歯の角度が不適切で、口元が突出して見える場合
  • 上下顎前突により横顔のバランスが崩れている場合
  • 開咬など噛み合わせに問題がある場合

これらのケースでは、歯の位置や噛み合わせを整えることで、口元や横顔の印象が変化する可能性があります。ただし、どの程度変化するかは個人差があり、すべての方が同じ結果を得られるわけではありません。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療の考え方

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、歯を段階的に動かす矯正治療の一つです。歯列全体のバランス調整や奥歯の移動が可能なケースもあり、抜歯を行わずに治療できる可能性が検討されることもあります。

また、歯列を側方に広げたり、歯の形を微調整してスペースを確保する方法を併用することで、歯並びの改善を図る場合もあります。ただし、すべてのアデノイド顔貌に適しているわけではなく、歯や骨格の状態を詳しく確認したうえでの判断が必要です。

矯正治療だけでは改善が難しいケース

一方で、骨格そのものに問題がある場合、矯正治療だけでは十分な改善が難しいことがあります。

下顎の骨が小さい、または後退している場合、歯の位置を調整することで見た目の印象が変わることはあっても、顎のラインそのものを大きく変えることは困難です。このようなケースでは、矯正治療単独では限界があることを理解しておく必要があります。

骨格的な問題が主な場合の選択肢

外科的矯正治療

顎の骨格に大きなズレがある場合、外科的矯正治療が検討されることがあります。顎の位置を調整することで、横顔のバランス改善が期待できるケースもありますが、適応には慎重な判断が必要です。

小児矯正と成人矯正の違い

小児期の治療

成長期のお子さんは顎の骨が柔軟で、成長途中にあります。そのため、矯正治療や筋機能療法(MFT)によって、アデノイド顔貌の進行を抑えられる可能性があります。口呼吸の改善や舌の位置のトレーニングを行うことで、将来的な影響を軽減できることがあります。

成人の治療

成人になると骨格は完成しているため、自然な成長誘導は期待できません。ただし、歯並びや噛み合わせが主な原因であれば、成人でも矯正治療による改善が期待できるケースがあります。

自力で改善することは可能か

口呼吸の改善や舌の位置を意識するトレーニングによって、進行を抑えることは期待できます。しかし、すでに形成された骨格や歯並びを自力で根本的に改善することは難しいとされています。

大宮SHIN矯正歯科の考え方

大宮SHIN矯正歯科では、見た目だけでなく、噛み合わせや機能性、将来的な安定性まで考慮した診断を重視しています。
ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置(インビザライン)の特性を踏まえ、患者さま一人ひとりの状態に合わせた治療計画を立案しています。

まとめ:できること・できないことを正しく知ることが大切

アデノイド顔貌は、原因や重症度によって矯正治療で改善が期待できる場合があります。一方で、骨格的な問題が大きい場合には、矯正治療だけでは限界があることもあります。

重要なのは、「治るかどうか」を一括りに考えるのではなく、自分の状態で何ができて、何が難しいのかを正しく知ることです。そのためにも、専門的な診断を受けたうえで治療方法を検討することが大切です。

よくある質問(Q&A)

Q. アデノイド顔貌は矯正治療で必ず治りますか?
A. すべてのケースで改善できるわけではありません。歯並びや噛み合わせが主な原因の場合には、矯正治療によって印象が変わる可能性がありますが、骨格的な要因が強い場合には限界があります。

Q. 大人になってからでも改善は期待できますか?
A. 成人でも、歯並びや噛み合わせが原因となっている場合には、矯正治療による改善が期待できるケースがあります。ただし、成長期のような骨格の変化は起こらないため、できること・できないことを理解したうえで検討することが大切です。

Q. マウスピース型矯正装置(インビザライン)でも対応できますか?
A. 症例によっては対応できる場合がありますが、すべてのアデノイド顔貌に適しているわけではありません。歯や骨格の状態を確認したうえで、適応が判断されます。

マウスピース型矯正装置(インビザライン)について

マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)において承認を受けていない医療機器です。

本装置は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、インビザライン・ジャパン社を通じて、歯科医師の判断のもと正規ルートで入手しています。

日本国内には、マウスピース型矯正装置(インビザライン)として薬機法の承認を受けている医療機器が複数存在します。

なお、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、1997年に米国食品医薬品局(FDA)により医療機器として認証を受けています。

治療にあたっては、効果や限界、考えられるリスクについて十分に説明したうえで提供しています。

著者情報

大宮SHIN矯正歯科 院長 矢野 晋也

経歴

2001年 日本大学歯学部卒業

2006年 日本大学歯学部矯正科大学院卒業

2008年 日本大学歯学部矯正科専修医

2010年 日本大学歯学部矯正科助教

2013年 大宮SHIN矯正歯科開業

2016年 医療法人社団バリュースマイル

     大宮SHIN矯正歯科理事長就任

 

資格・所属学会

歯学博士

日本矯正歯科学会認定医

日本矯正歯科学会会員

日本舌側矯正歯科学会

日本顎変形症学会

日本口蓋裂学会

日本成人矯正歯科学会

東京矯正歯科学会会員

さいたま市立植竹中学校 校医

日本歯科医師会

埼玉県歯科医師会

大宮歯科医師会

日本医師薬専門学校 非常勤講師(審美矯正学)

日本大学歯学部歯科矯正学講座 同門会 理事

指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)

顎口腔機能診断施設

歯科矯正診断指定施設

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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