
スピード矯正とは?
「できるだけ短期間で歯並びをきれいにしたい」という方に選ばれているのが、スピード矯正(短期間矯正)です。その名のとおり治療期間を短縮することを目的とした方法ですが、実際には“無理に歯を動かす”治療ではありません。
近年は、口腔内スキャナーやAIシミュレーションなどのデジタル診断技術の発達により、歯の動きをより正確にコントロールできるようになりました。
これにより、従来よりも効率よく、安全に矯正治療を進められるケースが増えています。
スピード矯正=「急ぐ」治療ではありません
「スピード矯正」という言葉だけ聞くと、“歯を無理に動かして早く終わらせる”という印象を持つ方もいますが、実際には、治療効率を高めるための工夫を指します。これらによって、結果的に期間が短くなることがあります。

外科的なスピード矯正「コルチコトミー」とは
スピード矯正の一つに、「コルチコトミー(皮質骨切開術)」という外科的な方法があります。
これは、歯を支える骨(歯槽骨)の表面にごく小さな切れ込みを入れることで、一時的に骨の代謝を高め、歯が動きやすい状態にする処置です。この作用により、矯正期間を短縮できる可能性があります。
ただし、すべての患者さんに必要な方法ではありません。歯ぐきや骨の厚み、歯の移動量などをしっかり確認したうえで、矯正専門医と口腔外科医が連携して安全に行うことが大切です。

コルチコトミーのメリットと注意点
メリット
- 治療期間が短縮される可能性がある
- 固定装置の装着期間が短くなる
- 成人矯正でも歯が動きやすくなる
注意点
- 外科的処置を伴うため、腫れや痛みが出ることがある
- 骨や歯ぐきの状態によっては適応できない
- 専門的な知識と経験が必要
当院におけるスピード矯正の考え方
スピード矯正やコルチコトミーは、魅力的な選択肢のひとつですが、何よりも大切なのは歯や骨に無理のない治療計画です。
当院では、「早く終わること」よりも「確実さと仕上がり」を重視しています。
そのうえで、患者さまの歯並びとご希望(結婚式・転居・留学など)に合わせた、治療期間・方法をご提案いたします。

まとめ
スピード矯正は「早く動かす治療」ではなく、「効率よく進める治療」です。マウスピース矯正装置やAIによる精密計画、そしてコルチコトミーなど、技術の進化によって、より理想的な歯並びを目指せる時代になっています。
大切なのは、焦らず信頼できる矯正専門医と一緒に、“あなたに合ったスピード”で治療を進めることです。