矯正治療を始める際、多くの人が気になるのが「痛み」ではないでしょうか? ワイヤー矯正やマウスピース矯正装置に関わらず、歯が動く際には多少の痛みが伴うことがあります。では、なぜ矯正治療中に痛みが発生するのでしょうか?
目次
矯正治療中の痛みの原因
-歯の移動による圧力
矯正治療では、ワイヤーやマウスピースを使用して歯に力を加えます。この圧力によって歯がゆっくりと移動しますが、歯を支える骨や歯根膜に負担がかかり、一時的に炎症が起こることで痛みを感じることがあります。

-矯正装置が口内に当たることによる刺激
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが口の内側の粘膜や舌に当たり、傷つけてしまうことがあります。また、マウスピース矯正装置でも最初のうちは装置が歯ぐきに当たって違和感を覚えることがあります。

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-歯の神経の過敏反応
歯が動く過程で神経が刺激を受けることがあり、特に強い力がかかると一時的にズキズキとした痛みを感じることがあります。
-装置の調整後の違和感
矯正治療では定期的に装置の調整を行います。ワイヤーを締め直したり、新しいマウスピースに交換すると、歯にかかる力が変化し、痛みを感じることがあります。
痛みの感じ方には個人差があり、慣れてくると違和感が減ってくることがほとんどです。しかし、矯正の痛みは一時的なものであり、適切に対処すれば乗り越えることができます。
痛みのピークと期間
矯正治療中の痛みは、いつどのくらい続くのでしょうか?

-痛みのピーク
矯正治療で最も痛みを感じやすいのは、装置をつけた直後やワイヤーの調整直後です。特にワイヤー矯正の場合、装置を装着した初日から2~3日後に痛みのピークを迎えます。マウスピース矯正装置でも、新しいアライナーに交換した直後は歯に圧力がかかるため、1~2日間は痛みを感じることが多いです。
-痛みが続く期間
一般的に、矯正装置を調整した後の痛みは3~5日ほどで落ち着くことが多いです。ただし、食事の際に噛むときに違和感を覚えることが1週間ほど続く場合もあります。
痛みが長引く場合は、装置の不具合や過度な負担が原因の可能性もあるため、歯科医に相談することをおすすめします。
痛みを和らげる対処方法
矯正治療の痛みを和らげるために、いくつかの対処法があります。
-鎮痛剤の使用
市販の鎮痛剤(例:ロキソニン、イブプロフェン)を服用することで、一時的に痛みを和らげることができます。服用する際は、必ず用法・用量を守りましょう。

-冷たいものを口に含む
氷水で口をすすぐ、冷たい飲み物をゆっくり飲む、アイスを食べるなどすると、口の中が冷やされて痛みが軽減されることがあります。ただし、知覚過敏がある場合は注意が必要です。
-柔らかい食べ物を選ぶ
矯正装置をつけたばかりの頃は、硬い食べ物を噛むと痛みが増すことがあります。お粥やスープ、ヨーグルト、豆腐など、柔らかいものを中心に食べると負担を減らせます。

-歯を優しくマッサージする
指や舌で歯ぐきを優しくマッサージすることで血行が良くなり、痛みが軽減されることがあります。
-矯正ワックスを活用する
ワイヤー矯正の場合、装置が口内に当たって痛むことがあります。矯正専用のワックスを装置に貼ることで、口内の粘膜を守ることができます。

痛みがあるときに避ける食べ物や生活で気をつけること
痛みがあるときは、食事や生活習慣にも気をつけることで、負担を軽減できます。
-避けたほうがいい食べ物
◼︎硬い食べ物(せんべい、ナッツ、フランスパンなど)
強い力で噛む必要がある食べ物は、歯に大きな負担をかけるため、痛みが悪化することがあります。

◼︎粘着性の高い食べ物(キャラメル、ガム、餅など)
矯正装置にくっつきやすく、外れたり壊れたりする原因になります。
◼︎極端に冷たい or 熱い食べ物(アイス、熱々のスープなど)
知覚過敏がある場合、刺激となり痛みが増すことがあります。
-生活で気をつけること
◼︎歯を無理に噛みしめない
歯を強く噛みしめると痛みが増すことがあります。リラックスを心がけましょう。
◼︎口内を清潔に保つ
矯正装置があると、食べかすが詰まりやすくなります。歯磨きを丁寧に行い、虫歯や歯周病を予防しましょう。
◼︎無理せず適度に休む
痛みが強いときは、無理に動かず体を休め、リラックスすることも大切です。

まとめ
矯正治療中の痛みは誰もが経験するものですが、適切な対策を取れば乗り越えられます。
不安なことがあれば、ぜひ当院にご相談ください。痛みを最小限に抑えながら、快適に矯正治療を進められるよう、しっかりとサポートいたします!