マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療を進めている中で、「うっかり装着を忘れてしまった」という経験をお持ちの方は少なくありません。
「一日くらいなら問題ないのだろうか」「治療期間に影響が出てしまうのでは」と、不安になることもあるでしょう。
実際のところ、マウスピース型矯正装置(インビザライン)による治療では、装着時間の管理が治療の進行や結果に大きく関わる重要な要素とされています。ただし、つけ忘れた期間や頻度によって、影響の程度は異なります。
この記事では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)をつけ忘れた場合に起こり得る影響や、期間別の考え方、つけ忘れを防ぐための具体的な工夫について整理して解説します。
目次
マウスピース型矯正装置(インビザライン)に求められる装着時間の考え方
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、ワイヤー矯正と比べて歯にかかる力が穏やかな設計になっています。そのため、長時間にわたって継続的に装着することが、治療計画どおりに歯を動かすための前提となります。
食事や歯磨きの時間を除き、日常生活の大部分で装着することが基本とされており、装着していない時間が長くなると、歯の移動が計画よりも遅れる可能性があります。
また、歯は周囲の筋肉や舌、唇の力の影響を受けやすく、装着を外している間は**歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」**が起こりやすくなります。
装着時間が不足すると考えられる影響

装着時間が不足した場合、次のような影響が考えられます。
治療の進行が遅れる可能性
歯の移動が計画どおりに進まないことで、次のマウスピースへの交換時期がずれ、結果として治療期間が延びる可能性があります。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)が合わなくなることがある
歯の位置が想定より動いていない状態で次のマウスピース型矯正装置(インビザライン)を装着すると、フィット感が悪くなり、違和感や痛みを強く感じる場合があります。無理に装着すると、歯や歯茎に負担がかかることもあるため注意が必要です。
後戻りによる影響
装着と非装着を繰り返すことで、歯が前後に揺さぶられる状態になり、歯周組織に負担がかかることがあります。状態によっては、歯茎の位置に変化が生じるリスクも指摘されています。

つけ忘れの期間別に考える影響の目安

短時間のつけ忘れに気づいた場合
数時間程度のつけ忘れであれば、気づいた時点ですぐに装着することで、大きな問題につながることは少ないと考えられます。食後や歯磨き後は、特につけ忘れが起こりやすいため意識して確認することが大切です。
一日程度つけ忘れてしまった場合
一日程度のつけ忘れであれば、治療全体に与える影響は限定的なケースが多いとされています。ただし、装着を再開した際に違和感やきつさを感じることがあります。その場合は、現在使用しているマウスピース型矯正装置(インビザライン)の装着期間を少し延ばすなど、担当医と相談しながら調整することが望ましいでしょう。
数日以上つけ忘れてしまった場合
数日からそれ以上装着できていなかった場合には、歯の位置が計画からずれている可能性があります。この状態で自己判断で装着を再開するのではなく、必ず担当医に相談することが重要です。場合によっては、ひとつ前のマウスピース型矯正装置(インビザライン)に戻す、治療計画を見直すといった対応が検討されます。
つけ忘れが起こりやすい場面

マウスピース型矯正装置(インビザライン)のつけ忘れは、特定のタイミングで起こりやすい傾向があります。
- 食事や歯磨きのあと
- 外食や会食の場
- 旅行やイベントなど、生活リズムが変わるとき
- 装着初期で違和感が強いとき
これらの場面をあらかじめ意識しておくことで、つけ忘れを減らす工夫につながります。
つけ忘れを防ぐための工夫
つけ忘れを防ぐためには、日常生活の中で習慣化することが大切です。
- スマートフォンのアラームやリマインダーを活用する
- 食後に必ずマウスピースケースを確認する
- 外出時にケースと歯磨き用品を携帯する
- 生活リズムを整え、装着タイミングを固定する
こうした小さな工夫の積み重ねが、治療をスムーズに進める助けになります。
大宮SHIN矯正歯科の矯正治療について

大宮SHIN矯正歯科では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)をはじめ、ワイヤー矯正など複数の治療方法に対応しています。
歯並びや噛み合わせ、骨格、ライフスタイルを総合的に考慮し、無理のない治療計画を立案しています。
治療中に装着時間や進行について不安が生じた場合も、状況を確認したうえで柔軟に対応しています。
まとめ
マウスピース型矯正装置(インビザライン)をつけ忘れた場合の影響は、期間や頻度によって異なります。短時間や一時的なつけ忘れであれば、大きな問題につながらないこともありますが、つけ忘れが続くと治療計画に影響が出る可能性があります。
大切なのは、自己判断で無理に進めるのではなく、気になることがあれば早めに相談することです。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)について
マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)において承認を受けていない医療機器です。
本装置は、米国アライン・テクノロジー社の製品であり、インビザライン・ジャパン社を通じて、歯科医師の判断のもと正規ルートで入手しています。
日本国内には、マウスピース型矯正装置(インビザライン)として薬機法の承認を受けている医療機器が複数存在します。
なお、マウスピース型矯正装置(インビザライン)は、米国食品医薬品局(FDA)により医療機器として認証を受けています。
治療にあたっては、効果や限界、考えられるリスクについて十分に説明したうえで提供しています。
著者情報
大宮SHIN矯正歯科 院長 矢野 晋也

経歴
2001年 日本大学歯学部卒業
2006年 日本大学歯学部矯正科大学院卒業
2008年 日本大学歯学部矯正科専修医
2010年 日本大学歯学部矯正科助教
2013年 大宮SHIN矯正歯科開業
2016年 医療法人社団バリュースマイル
大宮SHIN矯正歯科理事長就任
資格・所属学会
歯学博士
日本矯正歯科学会認定医
日本矯正歯科学会会員
日本舌側矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
日本成人矯正歯科学会
東京矯正歯科学会会員
さいたま市立植竹中学校 校医
日本歯科医師会
埼玉県歯科医師会
大宮歯科医師会
日本医師薬専門学校 非常勤講師(審美矯正学)
日本大学歯学部歯科矯正学講座 同門会 理事
指定自立支援医療機関(育成医療・更生医療)
顎口腔機能診断施設
歯科矯正診断指定施設


