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ワイヤー矯正とは?
ワイヤー矯正は、歯にブラケット(小さな装置)を装着し、それをワイヤーでつなぐことで歯を理想の位置に移動させる矯正治療の一種です。
この方法は、多くの歯並びやかみ合わせの問題に対応できるため、一般的に使用されています。ここでは、ワイヤー矯正の治療がどのように進むのかを、ステップごとに詳しく解説します。
ワイヤー矯正のステップ
1.初回相談と診断
矯正治療は、まず歯科医院での初回相談から始まります。このステップでは、次のようなことを行います。
–歯並びやかみ合わせの確認
お口の中と顔の写真を撮影します。問診票と撮影した画像を見ながら歯科医が現在の状態をチェックし、どのような治療が必要かどうか判断します。
–治療の説明
患者さんの希望や歯並びの悩みをヒアリングし、矯正の種類や大まかな治療期間、費用について説明します。
より詳しい治療計画を立てる場合は、レントゲン撮影、歯型の採取、口腔内写真の撮影を行います。これらのデータを収集する検査を精密検査と呼びます。
2.治療計画の立案と説明
精密検査の結果に基づき、矯正治療の具体的な計画が立てられます。
-治療目標
どのような歯並びにするのか、かみ合わせをどのように改善するのか治療目標を設定します。
–治療期間
通常、1.5年から3年程度ですが、個人の状態によって異なります。
–使用する装置
ワイヤー矯正に使うブラケットの種類(メタルブラケット、セラミックブラケットなど)や、追加の装置が必要かどうか検討します。
–費用
治療全体にかかる費用を算出します。
そして、これらの情報を患者さんに共有し、この段階で治療内容に納得した場合は治療を開始します。
3.ワイヤー矯正装置の装着
治療がスタートすると、最初に矯正装置を装着します。
–ブラケットの装着
歯の表面にブラケットを一つずつ接着剤で装着します。これは痛みはほとんどありません。
–ワイヤーの取り付け
ブラケット同士をつなぐようにワイヤーを通し、矯正が始まります。このワイヤーが歯に力を加えて、徐々に歯を動かしていきます。
–違和感への対応
装置を装着して数日間は、口の中に異物感を感じたり、歯が軽く痛むことがありますが、通常1週間程度で慣れます。
4.定期調整(毎月1回程度)
ワイヤー矯正中は、1カ月に1回程度のペースで定期的に通院し、装置の調整を行います。
–ワイヤーの交換や調整
歯の動きに合わせてワイヤーを交換したり、強さを調整します。
–歯の動きの確認
歯が計画通りに動いているかを確認し、必要に応じて計画を微調整します。
–追加の装置
ゴムやパワーチェーンなどの追加装置が必要な場合、装着します。
調整後は、数日間歯が痛むことがありますが、軽い不快感に留まる場合がほとんどです。
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5.治療後半:微調整
治療が進むにつれて、歯の位置がほぼ整ってきます。
–かみ合わせの調整
歯の位置だけでなく、上下のかみ合わせも正しくなるよう微調整します。
–最終確認
治療計画の最終段階に入り、ゴールに向けた細かい調整が行われます。
6.装置の取り外し
治療が完了したら、矯正装置を取り外します。
–ブラケットとワイヤーの除去
装置を外し、歯の表面をきれいにします。ワイヤー矯正感動の瞬間
–クリーニング
接着剤を取り除き、歯を徹底的にクリーニングします。
7.保定(リテーナーの使用)
矯正が終わった後も、歯が元の位置に戻らないように「保定」という段階が必要です。
–リテーナーの装着
取り外し可能なリテーナーや固定式のワイヤーを装着して、歯を新しい位置に固定します。
–定期チェック
矯正後も数カ月に一度、歯科医院でリテーナーの状態や歯並びを確認します。
–保定期間
保定装置の使用期間は、1年から数年とされますが、場合によっては継続的な使用が推奨されることもあります。
まとめ
ワイヤー矯正は、初回相談から保定までを含めると数年にわたる治療プロセスです。一つひとつのステップを確実に進めることで、理想的な歯並びと噛み合わせを手に入れることができます。初めての方でも安心して治療を受けられるよう、疑問や不安は歯科医に相談しながら進めていきましょう。