普段、ご自身やお子さまの呼吸の仕方を意識したことはありますか?
本来、人は鼻から吸って、鼻から吐く「鼻呼吸」が正常です。しかし、近年、
- マスク生活
- スマホやゲームによる悪い姿勢
- 食生活の変化
などの影響で、無意識のうちに口呼吸になっている方が増えています。
口呼吸は一時的なものもありますが、習慣化すると、歯並び・矯正治療の結果・健康・顔つきにまで影響することがあります。
この記事では、
- 口呼吸の原因とデメリット
- 鼻呼吸と口呼吸の見分け方
- 歯列矯正で口呼吸が改善する理由
- 口腔筋機能療法(MFT)の役割
を、患者さま目線でわかりやすく解説します。
目次
あなたはどっち?鼻呼吸と口呼吸のセルフチェック
次の項目にひとつでも当てはまる方は、口呼吸の可能性があります。
- 何もしていない時、口が自然に開いている
- 朝起きたときに口や喉が乾いている
- 寝ている間に口が開いていると指摘された
- 唇を閉じると疲れる
- 口臭が気になる
- 歯列矯正後、歯並びが戻りやすいと言われた
『鼻呼吸』と『口呼吸』の見分け方について詳しくはこちらの記事をご覧ください

口呼吸のデメリット|放置するとどうなる?
口呼吸は一時的な場合もありますが、健康問題のリスクを高める可能性や、お顔の形に影響を与えることがあります。口呼吸のデメリットは次のようなものがあります。
口および歯への影響(虫歯・歯周病・後戻り)
口呼吸では口の中が乾燥しやすくなります。唾液には「細菌の増殖を抑える働き」がありますが、乾燥するとこの作用が弱まり、
- 虫歯
- 歯周病
- 口臭(ドライマウス)
のリスクが高まります。
さらに、慢性的な口呼吸は、歯列矯正の治療を行っても良い結果が得られなかったり、歯列矯正後の後戻りの原因になることもあります。
せっかく歯並びが整っても、口周りや舌の筋肉のバランスが乱れていると歯が動きやすくなるためです。

健康面への影響(風邪・睡眠の質の低下)
鼻には、空気中のウイルスや細菌を除去するフィルター機能があります。口呼吸ではこの機能を通らず空気が体内に入るため、
- 風邪をひきやすい
- 気管支炎・感染症のリスク増加
につながる可能性があります。また、睡眠中も口が開くことでいびき・睡眠の質の低下・睡眠時無呼吸症候群の一因となることもあります。
顔つきへの影響(アデノイド顔貌)
口呼吸が長期間続くと、アデノイド顔貌と呼ばれる特徴的な顔つきになる傾向があります。
- お口がぽかんとあいている面長の顔つき
- 口周りの筋力の低下により口角が下がった口元
- 下顎が後退しており、横顔が平坦な印象

※これらの口呼吸の人の顔の特徴は一般的な傾向であり、全ての口呼吸の人に必ずしも当てはまるわけではありません。
なぜ口呼吸になる?主な原因
なぜ、口呼吸になってしまうのでしょうか。

鼻のトラブル
- アレルギー性鼻炎
- 花粉症
- 鼻づまり・鼻のポリープ
- 鼻中隔湾曲症(鼻の穴を左右に隔てている壁の彎曲)
風邪や花粉症などのアレルギー作用の鼻水や鼻づまり、鼻の中にできもの(ポリープ:粘膜の腫れ物)があると鼻からの呼吸が難しく、口呼吸になってしまいます。
口呼吸の原因となる要素が、鼻づまりや鼻中隔湾曲症などの鼻由来の場合は、鼻の通気性や健康状態について耳鼻科の医師と相談することをおすすめします。


骨格・歯並びの問題
- 狭窄歯列弓(顎の横幅が非常に狭い状態)
- 出っ歯・受け口・開咬


出っ歯や受け口、開咬といった不正咬合は、口を閉じにくい傾向があります。唇の接触が不十分になることが多いため、鼻よりも口で呼吸する癖がつきやすくなります。
口周り・舌の筋力の低下
口輪筋(口周りの筋肉)や舌筋の力が低下していると、常にお口がポカンと開いたままの状態になりやすく、口呼吸を誘発します。
本来、口輪筋の衰えは老化現象でした。しかし、昨今のマスク生活や長時間のスマホやゲームによる悪い姿勢、食生活の変化で年齢を問わず筋力が低下して、口呼吸の人が増えています。

口呼吸は歯列矯正で改善できる?
狭窄歯列弓や出っ歯など、歯並びが原因の場合、歯列矯正で改善することが期待できます。
- 歯列の拡大
- 出っ歯の改善
- 口元の突出感の改善
などにより、唇が自然に閉じやすくなるため、口呼吸の症状の改善につながる可能性があります。
症例紹介
こちらの症例をご覧ください。
上の前歯が前に出ていて口元が閉じにくい印象でしたが、矯正治療を受けていただいて、出っ歯が収まり口元が閉じやすく、横顔もスッキリとした印象がみられます。


【症例詳細】
主訴:出っ歯と横顔が気になる
診断名:上顎前突
初診時年齢:14歳
治療装置:表側矯正(ワイヤー)
抜歯部位:上顎左右4、下顎左右5
治療期間:2年半
費用:85万円程度(税別)
リスクと副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
ただし、矯正だけで口呼吸が完全に改善しないケースも少なくありません。
実は多い「矯正だけでは口呼吸が残る」ケース
- 舌の位置
- 口周りの筋肉の使い方
- 無意識の癖
歯並びが整っても、これらが変わらなければ口呼吸が続いてしまうことがあります。そこで重要になるのが口腔筋機能療法(MFT)です。
口腔筋機能療法(MFT)とは?
MFT(口腔筋機能療法)とは、舌・唇・頬など口周りの筋肉を正しく使えるようにするトレーニングです。
MFTを行うことで、
- 口が閉じやすくなる
- 鼻呼吸がしやすくなる
- 歯列矯正後の後戻り予防につながる
など、口呼吸の根本原因にアプローチすることができます。
歯列矯正と併用する場合はもちろん、「矯正はまだ考えていないが、口呼吸を改善したい」という方がMFTから始めるケースも増えています。

MFTはこんな方におすすめ
- お子さまの「お口ポカン」が気になる
- 矯正後、口呼吸や後戻りが心配
- 口呼吸を根本から改善したい
- できるだけ負担の少ない方法で改善したい
※年齢や症状により適応は異なります。
まとめ|口呼吸は「原因を知ること」が改善の第一歩
口呼吸の原因は人ぞれぞれ異なります。そのため
- 耳鼻科
- 歯科(矯正歯科)
など、専門家による診断が大切です。
歯並びが関与している場合は、歯列矯正+口腔筋機能療法(MFT)を併用することで、より安定した改善が期待できるケースもあります。
「自分や子どもは口呼吸?」
「MFTってどんなことをするの?」
自分は矯正治療が必要なのか?MFTも受けてみたい!など、気になった方はお気軽に当院へご相談ください!
▶︎口呼吸・お口ぽかんが気になる方
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