さいたま市、大宮SHIN矯正歯科院長の矢野です。
歯並びや噛み合わせが悪い状態のことを、歯科用語では不正咬合といいます。
不正咬合は特徴に応じて、いくつかの種類に分類されており、当院の過去のブログでは「出っ歯」や「八重歯」について触れました。
今日は日本人に多いと言われ、一般的に「受け口」や「しゃくれ」と呼ばれる不正咬合について、詳しくご説明します。
症状
「受け口」や「しゃくれ」の症状を歯科では「下顎前突」や「反対咬合」といいます。
歯の土台となる顎の骨の位置関係で、下顎の骨が上顎の骨より前方に出ていることを「下顎前突」、前歯の噛み合わせが、上顎の歯より下顎の歯が前方に位置することを「反対咬合」といいます。
「下顎前突」の人は相対的に、下の歯が上の歯より前に出てくるので「反対咬合」となります。
「下顎前突」「反対咬合」の弊害
1、噛みづらい
2、外見の影響
3、歯茎が下がりやすくなるので、歯周病や歯肉炎にかかりやすい
4、サ行・タ行の発音がしづらい
5、顎関節症になりやすい
などが挙げられます。
原因
「下顎前突」や「反対咬合」になってしまう原因は大きく分けて3つあります。
①成長期における骨の発達によるもの
・上顎の成長が不十分
・上顎より下顎が過成長
・混合歯列期に前歯の生え替わりが上手くいかなかった
②環境的要因
・指しゃぶり
・舌で下の前歯を押す舌癖
・口呼吸
・頬杖
③遺伝
・両親のどちらかが同じ症状による遺伝
②の後天的な環境要因は、ご自身や周囲のご家族の人が意識して癖を改善すれば、予防することができます。
そのためのトレーニング法もありますので、積極的に取り入れましょう。
治療症例
過去に当院で、反対咬合で治療された患者さんの2つの症例を紹介します。
1人目は、治療を開始した年齢は8歳、治療期間は1年1ヶ月の患者さんです。
マウスピースタイプの取り外しできる装置を使用しました。
次は大人になってから治療を始めた患者さんです。こちらの方は治療期間は2年1ヶ月。マウスピース型矯正装置(インビザライン )で治療しました。
まとめ
反対咬合は、成長期である子どもの時期から治療した方が良いと言われています。
中には、永久歯に生え変わるまで様子をみる場合もありますが、成長期の反対咬合は、上顎の発達を妨げ、下顎の成長を促進させると言われています。
そのため、骨格のゆがみが大きくなる前に早めに、正しい顎の位置に改善しておいたほうが効果的なのです。
大人になってからの、上顎に対して下顎の突出が大きすぎる重度の「下顎前突」は、矯正のみで治療を行うことが難しくなり、”骨切り”と呼ばれる骨を移動させる外科手術を併用した治療になる場合もあります。
「受け口」や「しゃくれ」といっても、その症状や原因はひとりひとりの骨格によって様々で、矯正の治療法も年齢や症状で異なります。
もし、ご自分やお子様で「下顎前突」や「反対咬合」の疑いがある場合は、早めに歯列矯正専門の歯科医院で実際に噛み合わせの状態を診てもらうことをお勧めします。
SHIN矯正歯科でも初診相談は無料で行なっています。詳しくはこちらからお問い合わせください。