【舌突出癖】舌の位置で歯並びが悪くなる原因と治す方法を解説

2022.12.20UPDATE:2025.12.10

舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)とは

舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)とは、舌を前方に押し出す癖のことです。
飲み込む時だけでなく、安静にしているときにも上下の前歯に舌が触れてしまう方が多く見られます。

ところで今、皆さんの舌はどこにありますか?
「気づいたら前歯に触れていた…」という方も少なくありません💦

実は、この“舌の位置のクセ”は、歯並びやお口の機能にさまざまな悪影響を及ぼすことがあります。

本記事では、

  • 舌突出癖が起こる原因
  • 歯並びへの影響
  • 自宅でできる改善方法
    について分かりやすく解説します。
舌突出癖
舌突出癖の口元

舌突出癖の原因

まず、舌の”正しい位置”について確認してみましょう。
理想の舌の位置は、上あごの前歯の裏側あたりに軽く触れている場所(=スポット)です。

舌の正しい位置 スポット
スポット:本来の正しい舌の位置

しかし、舌突出癖がある方は、この位置に舌を保つことが難しく、舌が前方へ押し出されやすくなっています。
舌突出癖が起こる原因はいくつか考えられます。

①口呼吸が習慣になっている

アレルギー性鼻炎、アデノイドや扁桃腺肥大などの鼻咽腔疾患があると鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸が習慣化します。

口呼吸になると、舌は常に低い位置に下がり、その結果、飲み込むときに舌を前へ押し出す癖がつきやすくなります。

②舌小帯(ぜつしょうたい)が短い

舌の裏側にあるヒダ=舌小帯が短い(舌小帯短縮症)と、舌をしっかり上に持ち上げられません。

そのため、舌が常に低い位置に留まり、結果として下を前に突出させる動きが習慣化してしまいます。

舌が低位置になる原因 口呼吸 舌小帯短縮

③指しゃぶりの習慣

指しゃぶりを長期間続けると、上下の前歯の間に隙間ができる「開咬(かいこう)」になりやすくなります。
この隙間に舌を押し出すようなクセがつき、舌突出癖へとつながります。

④口周りの筋肉が弱い

MFT 口腔筋機能療法

口の周囲の筋力が弱いと、舌とのバランスが崩れ、舌で歯を押やすい状態になります。その結果、舌を前へ突き出す動きが習慣化します。

⑤タオルや布を噛むクセがある

毛布やタオルを噛む癖があると、上下の前歯の正常な萌出を妨げてしまい、前歯の間にスペースが生じて開咬になります。
このスペースが舌突出癖のきっかけになることもあります。

開咬
開咬の口元

舌突出癖による影響

舌突出癖は、舌が前歯や側方の歯を継続的に押してしまうため、さまざまな不正咬合やお口の機能に影響を及ぼします。
主な影響を分かりやすく解説します。

① 不正咬合を引き起こす(上顎前突・交叉咬合・開咬など)

舌突出癖があると、舌が歯を前方あるいは横へ押し続けることで

  • 上顎前突(出っ歯)
  • 交叉咬合
  • 開咬(前歯がかみ合わない)

などの不正咬合が生じやすくなります。

特に、開咬になると前歯で食べ物を噛み切りにくくなり、奥歯ばかりに負担が集中し、奥歯の摩耗が進んだり、歯の寿命が短くなる可能性があります。

ただし、不正咬合は舌癖だけではなく、骨格、唇や頬の筋肉、咀嚼筋など複数の要因が関係しています。

そのため、舌突出癖がある方でも全員が同じ歯並びになるわけではありません。

舌突出癖が原因で起こりやすい歯並び  交叉咬合 開咬 上顎前突(出っ歯)

② 放置すると歯並びの乱れが進行し、骨格に影響することもある

軽度の舌癖であっても、長期間続くことで歯並びの乱れが進行します。
さらに、成長期の子どもでは、舌の位置のクセが骨格の発育やかみ合わせの形成に影響する場合もあります。

そのため、舌突出癖は「小さなクセだから大丈夫」と放置せず、早めに改善することが重要です。

③発音が不明瞭になりやすい(特にサ行・タ行)

舌が正しい位置に持ち上げられないことで、

  • サ行
  • タ行

といった音が不明瞭になりやすく、発音のクセとして気づかれることがあります。舌の動きが改善すると、発音が自然と明瞭になるケースも見られます。

舌突出癖の治し方

間違った舌の位置は、大人になるほど習慣化し改善しにくくなります。

では、舌突出癖はどのように治していけばよいのでしょうか。

舌の位置や飲み込み方のクセは、自分の意識だけで治すのは非常に困難です。
そこで有効とされているのが MFT(口腔筋機能療法) です。

MFT(口腔筋機能療法)とは?その目的も解説

MFT(Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)とは、舌・唇・頬などのお口周りの筋肉を正しい動きに整え、歯並びを悪くしてしまう原因そのものを改善・予防するためのトレーニングです。

間違った舌の位置や飲み込み方が習慣化している場合、筋肉の使い方を根本から改善する必要があるため、MFTは非常に効果的です。

MFTが目指すのは次の3つです。

  1. 正しい舌の位置(スポット)を習得する
  2. 唇・頬・舌など口周りの筋肉のバランスを整え、必要な筋力をつける
  3. 正しい飲み込み方(嚥下)を身につける

これらが身につくことです、舌突出癖の改善だけでなく、歯並びやかみ合わせの安定にもつながります。

MFTではどんなトレーニングをするの?

MFTは、月1回の通院で歯科衛生士がレクチャーを行い、ご自宅で毎日トレーニングに取り組む 形で進めていきます。

代表的なトレーニングは次のとおりです。

  • スポットホールド
     正しい舌の位置(スポット)を覚え、その位置を維持する練習
  • リップホップ
     口周りの筋力を鍛えて、唇をしっかり閉じられるようにする練習
  • 水をためて飲むトレーニング
     正しい飲み込み方を身につける練習
MFT スポットホールド リップポップ 

お一人お一人の癖に合わせたトレーニングをお伝えしていきます。

MFTで期待できる効果

MFTは継続が大切ですが、続けることで次のような効果が期待できます。

  • 舌突出癖の改善
  • 矯正治療がスムーズに進む
  • 矯正後の後戻り(リラプス)を予防できる
  • お子さまの場合、矯正治療なしで歯並びが改善する可能性もある

特に成長期のお子さまは、お口の機能が発達しやすいため、早期の取り組みがとても有効です。

舌突出癖は、適切なトレーニングで改善できるクセです。
綺麗なお口元を保ち、健康的な歯並びを維持するために、私たちと一緒に取り組んでいきましょう。

舌突出癖は早めの改善が大切です

舌突出癖は、大人でも改善できますが、成長途中のお子さまのほうが効果が出やすい という特徴があります。
子どもの場合、MFT(口腔筋機能療法)だけで歯並びが改善する可能性もありますが、大人では MFTのみで歯並びそのものを整えることは難しく、矯正治療と併用することが一般的 です。

舌突出癖は、すぐに大きな変化が現れるわけではないため、見た目だけでは気付かれにくく、長い時間をかけて習慣化してしまうケースも少なくありません。
そのため、「気づいたときに早めに対応すること」 がとても重要です。

自分や子どもに舌突出癖があるかどうか知りたい

歯並びが悪くなった原因が舌のクセかもしれない

など、気になることがありましたら、ぜひお気軽に当院の無料初診相談をご利用ください。
専門のスタッフが、お口の状態を丁寧に確認し、適切な改善方法をご提案いたします◎

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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