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舌突出癖(ぜつとっしゅつへき)とは
舌突出癖とは、文字通り舌を前に突き出す癖のことをいいます。舌突出癖の方は、ものを飲み込む時だけでなく、何もしていない安静時に上下の前歯に舌が当たっていることがほとんどです。

今皆さんは、舌はどの位置にありますか?
実は、無意識のうちに前歯に触れていることが多いです💦
舌突出癖があると様々なデメリットがあります。
今回は、舌突出癖の原因と影響、対策方法についてお伝えします。
舌突出癖の原因
本来の正しい舌の位置は、上の前歯の裏側に少し触れるような位置にあります。これをスポットと言います。

ですが、舌を正しい位置におけず、常に舌が歯に触れている方が多いです。
歯を押し出すような力が加わってしまうと歯並びに影響を及ぼしてしまう可能性があります。
では、なぜこのような癖が出るようになってしまうのでしょうか。理由はいくつか考えられます。
【口呼吸が原因】
アレルギー性鼻炎、アデノイドや口蓋扁桃肥大などの鼻咽腔疾患があると、鼻呼吸が出来ず口呼吸が習慣的になります。この場合、舌が常に低い位置にあるため、ものを飲み込む際に舌を突出する癖がついてしまいます。
【舌小帯が短い】
舌小帯(ぜつしょうたい)とは、舌の裏側と口の底をつないでいるヒダ状の筋のことです。
舌小帯が短いと、舌をしっかり上にあげることができないためこちらも常に舌が低い位置にある状態になるため舌突出を引き起こしてしまいます。

【指しゃぶり】

指しゃぶりの習慣が長く続くと上下の前歯が開く開咬状態になり、その開いた隙間に舌を前に突き出す癖がついてしまいます。他にも毛布やタオルなどを噛む習慣があると、上下の前歯の萌出を妨げ、前歯間にスペースが生じて開咬となります。この結果、舌突出癖に繋がりやすくなります。

【口腔周囲筋の筋力が弱い】

口周りの筋力が弱くなると、舌とのバランスが崩れて必然的に舌で歯を押すようになり、舌を突出させる癖がついてしまいます。
舌突出癖による影響
舌突出癖は前歯や横の歯を押してしまうため、さまざまな不正咬合を引き起こしてしまいます。
舌突出癖による主な不正咬合は、上顎前突、交叉咬合、開咬が代表的なですが、不正咬合の原因は舌癖だけではなく、骨格、唇や頬の筋肉、咀嚼筋とも深く関連しています。
そのため舌突出癖のある方が全て同じ歯並びになるというわけではありません。
しかし、初めはそれほど歯並びに影響がないような癖でも、長年放置することで徐々に症状が悪化し、骨格にまで変化を生じさせてしまうケースもあります。
特に不正咬合の中でも開咬は、前歯でものが噛めないため奥歯の負担が増え、奥歯の寿命が短くなることがあります。
また、舌が正しく使えないために発音が不明瞭になりやすく、特にサ行、タ行を発音する際に影響が出る場合があります。

そのため、舌突出癖が見つかった場合は、なるべく早い時期に正しい舌の位置、正しいものの飲み込み方を覚え、それを習慣化していくことが重要です。
舌突出癖の治し方
間違った舌の位置を大人になるまで放置してしまうと、改善を図るのは非常に難しくなります。
では、この癖を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。
ご自身で意識をすることで治していくことは簡単ではありません。
そこでおすすめな治し方が、MFTトレーニング(口腔筋機能療法)になります。
MFTトレーニングとは?
MFTトレーニングとは、お口周りの筋肉を正しい動きに改善することによって、歯並びを悪くしてしまう原因を改善・予防していくトレーニングのことをいいます。
【MFTの主な目的】
- 正しい舌の位置を習得する
- 唇や頬、舌などの口周りの筋肉の力をつける
- 正しい飲み込み方を覚える
【主なトレーニング内容】
MFTトレーニングは、月1回のペースで衛生士からレクチャーをし、ご自宅で毎日トレーニングを行っていただきます。
- 正しい舌の位置を覚え維持をする”スポットホールド”
- 口周りの筋肉を鍛える”リップホップ”
- 正しい飲み込み方を覚える“水を溜めて飲む”
など、専用のトレーニングをお伝えします。


MFTは継続的な努力が必要になります。
舌突出癖や他の舌癖が原因で歯並びが悪くなっている方は、MFTをおこなうだけで矯正治療が進みやすくなったり、矯正治療後の後戻りを防止する効果があります。
また、お子様のうちに行うと、矯正治療をしなくても歯並びが改善する可能性があります。
綺麗なお口元のため、健康的な歯を保つため一緒に頑張っていきましょう◎
舌突出癖は早めの改善を
MFTトレーニングは、子どもだけではなく大人にも効果はあります。
しかし、MFTのみで歯並びの改善が見込める成長過程にある子どもと違い、大人の場合はMFTだけで歯並びを改善するのは難しくなります。
舌突出癖は、癖が出始めてもすぐに歯並びなどに影響を及ぼすわけではないので、見た目的にも気付きにくく、長期にわたって習慣化されてから気付く可能性もあります。
なるべく早い時期に癖に気づき、治していくことが重要です。
歯並びが悪くなってしまった原因が悪い癖だったのか、そもそも自分には癖があるのか、など気になることがありましたらお気軽に当院の無料初診相談へお越しください◎



