こんにちは。埼玉県さいたま市大宮区にある大宮SHIN矯正歯科の院長の矢野です。

近年、歯列矯正の治療方法として主流になりつつあるマウスピース型矯正装置(インビザライン)。遠隔診療のツール(デンタルモニタリング)が登場し、4〜6ヶ月程、通院の間隔が空いても矯正治療が可能になりました。

マウスピース矯正装置は、少しずつ形の異なるマウスピースを患者さま自身が交換していくことで歯が動きますが、この自己管理が難しそうな方、装置の取り外しがライフスタイルに合わない方は、従来からあるワイヤー矯正の方がおすすめです。

しかしながら、ワイヤー矯正を選択した場合は、定期的に矯正専門医がワイヤー調整を行わないと歯は動かないので必ず調整のための来院が必要です。そもそも、ワイヤーでどうやって歯を動かしているのでしょうか。ワイヤー矯正の治療の進め方を治療の流れと共にご説明します。

装置(ブラケット)を装着する


まず、歯の表面をブラシでクリーニングし、特殊な接着剤でブラケットと呼ばれる装置をつけていきます。そして、そのブラケットの溝にワイヤーをはめて力をかけて歯を動かしていきます。矯正専門医が患者さまの歯に既製のブラケットを一つ一つ装着していきます。

ワイヤーを交換する


矯正治療で使用するワイヤーは普通のワイヤーではありません。曲げても元の形に戻ろうとする形状記憶のワイヤーを使用しており、その戻ろうとする力を利用して歯を動かしていきます。治療の初期段階では、やわらかくて細いワイヤーを使用していきます。

なぜなら、ガタガタしていたり、歯がねじれて生えている歯並びの場合、歯の表面についているブラケットの位置にもガタガタやねじれが反映されます。ガタガタした部分には、太いワイヤーや硬いワイヤーをはめることができないからです。

一か月おきに少しずつ、ワイヤーを太くて硬いものへと交換していきます。ガタガタやねじれのあるところにワイヤーを押し込み、形状記憶のワイヤーが真っすぐに戻ろうとする力を利用して歯を動かしていきます。

抜いた歯の隙間を閉じる(抜歯した場合)


何回かワイヤーを交換していくと、歯列のガタガタが無くなり、硬くて太い素材のワイヤーがブラケットにはまるようになり、矯正治療のために抜歯した場合は抜いた歯の隙間を閉じたり、上下の前歯の位置を調整するゴムを付けたり等、全体的に強い力をかけられるようになります。

細いワイヤーにこのような強い力をかけてしまうと、ワイヤーがたわんで、歯が目的と違う方向に動いてしまうことがあるので注意が必要です。

細かい歯並びの調整


レントゲン写真で細かい歯の向きを調べたり、お口の中でかみ合わせの状態を確認し、必要に応じてブラケットを付け直して歯並びの微調整をします。

保定装置(リテーナー)


歯並びが綺麗になった直後は、歯の周りの骨が柔らかい状態です。しっかり歯の周りの骨が固まり、歯並びが安定するまで、保定装置(リテーナー)と呼ばれる取り外し式の装置を使っていただきます。リテーナーで歯並びが安定したら、矯正治療は終了です。

歯列矯正後のリテーナーの種類

🦷関連記事🦷

歯を抜いた場合の矯正治療の進め方【ワイヤー矯正編】