こんにちは。
さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のSです。
実際に当院で歯列矯正の治療を受けられた方の症例をご報告します。今回のブログでは、反対咬合=受け口の歯並び症例についてお伝えしていきます。
【反対咬合=受け口とは】
本来、上の前歯は下の前歯の上に2ミリ程度重なるものですが、反対咬合とは、それが反対になっている不正咬合です。下顎が上顎を受けるように噛み合わさるので、俗に受け口ともいわれています。
反対咬合の主な原因は、不十分な上顎の成長や生まれつき上顎が小さい、上顎よりも下顎が大きい、舌で下の前歯を押す癖がある等が考えられます。
【反対咬合=受け口のデメリット】
反対咬合は、見た目が悪く心理的ダメージがあること以外にも様々な問題があります。
①発音障害
正しい咬み合わせではないため、発音がしにくく、舌ったらずな喋り方になってしまう場合があります。特に、サ行の発音や英語の発音に発音障害が出ることが多いです。
②虫歯や歯周病になりやすい
反対咬合の方は唇を閉じにくく、開きがちになります。唇が開いている時間が長いと、ドライマウス(口のなかが常に乾燥した状態)になり、唾液の分泌量が減少します。そうすると、口腔内に細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病、口臭を招きやすくなります。
③体に不具合が起こる
咬み合わせが悪いと、咀嚼機能が低下し、胃腸障害など体に不具合が起こる可能性が高くなります。その他にも、肩こりや頭痛など起こる場合があります。
また、咬み合わせが悪いと噛むたびに余計な力が加わるため、歯はダメージを受け、顎関節には負担がかかります。そのため、8020達成者には、反対咬合(受け口)はいなかったという報告もあります。
※8020とは?
80歳で20本以上の歯を持つことを言います。
20本以上の歯があるとおせんべいやフランスパン、お肉やごぼうなど、たいていのものを噛むことができます。80歳で20本以上の歯を持つ人は、好きなものを不自由なく食べることができるので、外で友人と食事をすることもいといません。
その結果、歯の数が少ない人に比べて社交的であったり、おしゃれであったり、常に機嫌がいいなどの傾向がみられるとの調査もあります。
【ご来院の理由】
46歳、女性の患者様です。
受け口が気になるということでご来院されました。
こちらの患者様は、ご自身の顔立ちを見て歯並びが気になり始めました。日常生活でも食事がしにくく、また話しにくいなどの不便もあったそうです。歯並びを気にせず笑いたい!とのことで、矯正治療をしようと決めました。難症例でも対応できる矯正専門医院で、矯正認定医の治療を受けたいとのことで、当院の初診カウンセリングを受けられました。
【矯正中の不安・装置選び】
矯正治療を始めるにあたって治療中の痛みに不安がありました。咬み合わせの改善は、下の前歯を1本抜き、IPR(やすり掛け)と顎間ゴムで改善する方法をご提案しました。
目立ちにくい装置を希望されていたので、インビザラインでの治療をご提案しました。インビザラインはブラケット矯正と比較して、痛みや違和感が少なく日常生活への支障も少ない装置になっております。
【治療開始・治療経過】
1回目のアライナーは全部で39枚です。
アライナーの交換は、装置に慣れるまで14日交換で進めて頂き、慣れてからは7日交換で進めて頂きました。No.34まで使用して頂き、約9カ月で終了しました。
こちらが1回目のアライナーが終了した際のお口の中の状態です。
患者様の主訴である「受け口」は、1回目のアライナーで改善されました。しかし、奥歯と2番目の歯の咬み合わせが十分ではないため、追加アライナーで細かい所を調整していきました。
2回目のアライナーは全部で27枚です。
今回は顎間ゴムを併用し、最初から7日交換で進めて頂き、約7ヶ月で終了しました。
こちらが2回目のアライナーが終了した際のお口の中の状態です。
奥歯もしっかりと咬むようになり、全体の咬み合わせが良くなりました。
【動的治療終了】
こちらの患者様は、インビザラインの使用方法や装着時間をしっかりとお守り頂けていたため、約1年6ヶ月で動的治療が終了しました。
こちらが動的治療終了後のお口の中のお写真です。
受け口が改善され、前歯が正しく咬み合っています。全体の咬み合わせも良くなり、さらに横から見ても美しい口元になりました。
【まとめ】
主訴:受け口が気になる
診断名:反対咬合
初診時年齢:46歳
装置名:マウスピース型矯正装置(インビザライン )
抜歯or非抜歯:抜歯(下顎左側側切歯)
治療期間:1年6ヶ月
費用の目安:96万円程度
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リスク・副作用:痛み、歯根吸収、歯肉退縮、虫歯、後戻り
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