【リテーナーの重要性】矯正治療は装置が外れたら終わり?

2025.05.30UPDATE:2025.11.25

矯正治療といえば、ワイヤーやマウスピースなどの“歯を動かす装置”を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、矯正装置が外れた=治療終了ではありません。

実は、歯並びがきれいになって装置を外した後も、一定期間リテーナー(保定装置)を使ったメインテナンスが必要です。

 リテーナーの目的とは?

「矯正後、歯が後戻りしてしまった…」という話を聞いたことはありませんか?

後戻りとは、治療前の歯並びに戻ろうとしてしまうことをいいます。せっかく頑張って治療したのに歯が元の位置に戻ってしまったら悲しいですよね。

では、どうして歯は戻ろうとするのでしょうか?

矯正治療後の歯が後戻りしやすい理由

矯正治療では、歯に弱い力をかけ、歯を支える骨(歯槽骨)の中にある細胞が破壊と再生を繰り返すことで歯を動かしていきます。

矯正治療の仕組

しかし、装置を外した直後の骨は作り変わったばかりで、まだ完全に固まっていない状態。

そのため、歯を動かす治療(動的治療期間)が終わっても、歯の位置を安定させる「保定期間」が必要なのです。

リテーナーの装着時間について

では、後戻りを防ぐにはどのくらいリテーナーを使い続ければいいのでしょうか?

ワイヤー、マウスピース、部分矯正…治療方法に関わらず、すべての方に保定期間が必要です。

いちばん後戻りしやすい期間

保定開始〜半年です。装置を外した直後の約半年は特に歯が動きやすいため、基本は1日20時間以上(食事と歯磨き以外は装着)をお願いしています。

その後は、骨の安定に合わせて、、半日→就寝時のみ(約8時間)…と段階的に装着時間を減らしていきます。

リテーナーの使用時間は?

目安として、矯正装置を付けていた期間と同じくらいの期間が必要です。

通院頻度も徐々に半年に1回ほどに減っていくため、負担も少なくなっていきます。

リテーナーの種類

リテーナー(保定装置)にはいくつか種類があります。当院では、矯正方法に応じてリテーナーの種類を使い分けています。

プレートタイプ

取り外しができ、ワイヤー矯正後に多く使用されるタイプ

マウスピースタイプ

透明で目立ちにくく、マウスピース矯正装置(インビザラインなど)後の方に多いタイプ

フィックスタイプリテーナー(固定式)

細いワイヤーを歯の裏側に接着する固定式のタイプ。取り外し不要ですが、清掃性・虫歯リスクに注意が必要です。

プレートタイプとマウスピースタイプは自己管理が必須です。取り外し式だからこそ、使用時間を守れるかが後戻り防止の鍵になります。

【関連記事】矯正治療後に欠かせない「リテーナー」とは?種類・特徴・選び方ガイド

リテーナーの重要性

保定期間も、矯正治療の大切なプロセスのひとつです。矯正装置が外れた直後は、歯が最も動きやすい状態。リテーナーをしっかり支えているかどうかで、歯並びが長期間安定するかどうかが大きく変わります。

装置が外れた解放感から、ついサボりたくなる気持ちもわかります。しかし、リテーナーを怠って後戻りが起きてしまうと、治療のやり直しが必要になり、期間も費用も再びかかってしまう場合があります。

当院では、保定期間中も不安や疑問に丁寧にサポートいたします。
一緒に最後まで頑張りましょう!

リテーナーの重要性 大宮SHIN
矯正歯科

矢野晋也 歯学博士/SHIN矯正歯科院長

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