こんにちは 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のHです。
歯に付いた食べカスやブラッシング不良による磨き残しは、時間が経つとプラークとよばれる細菌の塊(かたまり)になり、こうした汚れはむし歯の原因となるほか、歯周病・口臭といったお口のトラブルを引き起こしてしまいます。
矯正治療が始まると、歯に矯正装置を装着することになります。矯正装置を付けたお口の中は、食べカスが残りやすい状態になるうえに、装置のせいで歯磨きがしにくくなってしまいます。そのため、矯正治療中はとくに歯磨きを丁寧に、時間をかけて行う必要があります。
今日は矯正治療中の、正しい歯ブラシの使い方と歯磨きのコツを伝えします。
目次
■歯ブラシの持ち方
歯の磨く場所に応じて、歯ブラシの握り方を変えます。
ペンのように持つ「ペングリップ」
歯磨きの時、歯ブラシを持つ手につい力が入ってしまいませんか?この持ち方だと、余計な力が入りにくくなります。また、毛先を動かしやすいので、歯面にきちんとブラシを当てて磨くことができます。
手の平で握りこむ「パームグリップ」
歯の裏側が磨きやすい持ち方が「パームグリップ」です。軽い力で持ちましょう。この握り方でギュッと力を入れて、歯ブラシをゴシゴシ強くこすりつけるような磨き方をしてしまうと歯茎が下がってきてしまう可能性があります。
■使用するおすすめの歯ブラシ
TePe®︎(テペ)
予防歯科の先進国スウェーデン発祥、世界の歯科衛生士の協力のもとに造られた、Tepeをおすすめしています。持ち手のデザインが太く握りやすいのに、ブラシの下の方は細長くなっていて、ヘッドの形状も台形で先端が小さく、とにかくお口の中の奥まで届きやすいデザインになっています。
ワンタフトブラシ
いわゆる普通の歯ブラシは、歯面をまんべんなく磨くことを想定しています。矯正治療中のブラケットがついた凹凸のある歯面では、どうしても磨ける範囲に限界があります。こうした問題は、心がけやブラッシング方法で解決できるものではありません。
矯正装置のワイヤーやブラケットと歯の間の細かい隙間に、毛先をくまなく当てて汚れをしっかり落とすためには、毛先が小さく、磨きにくい所をピンポイントで磨くことができるワンタフトブラシをいつもの歯ブラシと併用しましょう。
ワンタフトブラシは、治療を始めたばかりの取り外しができるマウスピース矯正装置(インビザライン )で矯正中の方にもおすすめです。例えば、歯が重なり合ってガタガタしている部分など、歯列矯正が必要な歯並びは、磨き残しが発生しやすいからです。
TePe®︎の歯ブラシもワンタフトブラシも当院の受付でも販売しています。
■汚れの残りやすい場所と磨き方
ブラケットの周り
ブラケットに対して「上・下」に分けて磨く。この時歯ブラシを斜め45度にして歯面に当てる。
歯と歯茎の間
歯ブラシを斜め45度にする。この時に歯ブラシの毛先1~2mmを歯茎の中に入れる。
(健康な歯茎であっても歯周ポケットがあります)
歯と歯の間
ブラケットとワイヤーが歯に付いていると、ふつうの歯ブラシでは、歯と歯の間に毛先がうまく届かず磨けなくなります。そこで、このような時にワンタフトブラシを使用します。写真のように、毛先が当たるようにワンタフトブラシを縦にして磨いてください。
歯列矯正治療をして、せっかく正しい噛み合わせと綺麗な歯並びを手に入れたのに、むし歯で歯がボロボロ・・にはなりたくないですよね。とはいえ、矯正治療中は、むし歯リスクがどうしても高くなってしまいます。適切なケア用品を選択して、正しい歯磨きの知識を覚えることが大切です。
適切なケア用品、といえば、歯ブラシだけでなく歯間ブラシやデンタルフロスの使用もおすすめしています。フロスの使い方はこちらのブログで詳しくご紹介していますので、併せてぜひご覧くださいね!