マウスピース型矯正装置(インビザライン )で歯の矯正治療を始めると、ひとつのマウスピースを10~14日間、1日20時間以上、歯に装着することになります。

そのため、清潔でないマウスピース使い続けていると、むし歯のリスクや口臭、マウスピースが着色する可能性があります。

そのようなことを防ぐために、歯の矯正中のマウスピースの正しい洗い方をお伝えします。

マウスピースの洗い方

-毎日の洗い方

①マウスピースを20~40°の流水で汚れを流す

②薄めた食器用洗剤をつけて、指または柔らかい歯ブラシでこすり洗い

③よく乾かして、すぐにつけない時は専用のマウスピースケースに保管する

-マウスピース専用の洗浄剤を使う

毎日洗っていても、次第に汚れや臭いが気になってきます。週に1~3回マウスピース専用の洗浄剤を使用しましょう。洗浄剤はコストもかかりますし、毎日使う必要はありません。

大宮SHIN矯正歯科では、マウスピース型矯正装置(インビザライン)の洗浄には、インビザラインクリーニングクリスタルをおすすめしています。

なぜなら、市販の入れ歯洗浄剤などは薬の作用が強く、マウスピースを劣化させる恐れがあります。

–マウスピース専用洗浄剤の使い方

  1. ①コップに90ccのぬるま湯(40°)にクリーニングクリスタル1袋を溶かします。
  2. ②マウスピースを入れ15分間浸しておきます。
  3. ③洗浄剤がマウスピースに残らないよう、流水でよく洗い流します。

–マウスピース専用洗浄剤を使うタイミング

朝がおすすめです。朝起きてマウスピースを外したタイミングで洗浄剤に浸し、その間に朝食と食後の歯磨きを済ませると清潔なマウスピースで1日を過ごすことができます。

-超音波洗浄器を使う

マウスピース専用の洗浄剤と超音波洗浄器の組み合わせが、マウスピースの汚れの付着率が最も低かったというデータがあります。

水を超音波により振動させ、細かい部分に付着した汚れを落としてくれる超音波洗浄器。メガネ屋さんの店頭で見かけるイメージですが、歯科医院の裏側でも患者さんに使用した器具や装置を洗浄するのに使用しています。

家庭用の小型の超音波洗浄器が家電量販店やネットで購入することができるので、マウスピースで歯の矯正をしている人はご自宅にあると何かと便利です。

マウスピースを洗うときに絶対にしてはいけないこと

-40°以上のお水で洗う

熱湯消毒はできません。マウスピースが変形してしまいます。

-歯磨き粉を使う

多くの歯磨き粉には研磨剤が含まれています。そのため、研磨剤によってマウスピースが傷つき、かえって汚れが付着しやすくなります。

-硬い歯ブラシでゴシゴシ擦る

研磨剤と同様に、硬い歯ブラシもマウスピースに傷がつく原因になります。

-マウスピースを水につけっぱなしにする

マウスピースを長時間水につけっぱなしにすると、逆に細菌が繁殖する可能性があります。洗った後はよく乾かしましょう。

マウスピースを洗わないとどうなる?

-むし歯のリスクが高まる

マウスピース型矯正装置(インビザライン)のメリットは、歯に器具を固定するワイヤー矯正と比較すると、歯磨きがいつも通りできることが大きなメリットです。

それなのに、汚れが付着したままのマウスピースを使い続けることは、かえって汚れが密着し、むし歯になりやすい環境になります。

-マウスピースが臭くなる

不衛生なマウスピースは細菌やカビが繁殖、有害な化学物質を生成し、不快な臭いの元となります。そしてそれが口臭にも影響します。

口臭に関する詳しい記事はこちら

-マウスピースが黄ばむ

マウスピースが着色する主な原因はお茶やコーヒーなど飲食物に含まれる色素ですが、透明のマウスピースは使っているだけでもだんだん黄ばんできます。専用の洗浄剤を使うことで効率よく落とせます。

このようなことが起こらないように、マウスピースは外す度に必ず洗って清潔に保ちましょう。出先などでゆっくり時間が取れないときは、お水で流すだけでも充分です。

お水が近くにない時は、マウスピース専用の除菌スプレーも市販されています。

そして食後は、歯磨きとフロスなどを使って食物残渣(食べ物の残りカス)がお口の中に残っていない状態で、清潔なマウスピースを装着しなおしてください。

正しい洗い方で洗浄したマウスピースを使用して、清潔な口腔内を保って歯列矯正の治療を進めていきましょう。