”見た目”と”かむ機能”を改善
「歯列矯正は子どもの頃に受けるもの」と思っている方も多いですが、最近は成人になって治療を始める方が増えています。
八重歯がチャームポイントだった芸能人がいつの間にか矯正してキレイな歯並びに変わっていたり、一般の方でも歯列矯正をしている大人を見かけるようになりました。
「あの八重歯がかわいかったのに…」と嘆く声も聞こえてきそうですが、本人にとっては「長年のコンプレックスだった」ということも多いのです。
矯正歯科治療を始める一番のきっかけは、やはり「見た目をよくしたい」という想いでしょう。
今は治療中の”見た目”も気にならない治療技術や材料が続々と開発されていることも、成人の矯正が増えた理由の一つです。
では、「見た目はきにしない」という方にとっては関係のない治療なのでしょうか。
一般的に歯並びか、噛み合わせが悪い方は
- ブラッシングがしにくいため、虫歯や歯周病になりやすい
- 食べ物を噛む機能が低下する
- 発音がしにくくなる
- あごの関節に負担をかける
- 歯並びがコンプレックスになってしまう
といった症状がみられます。
これらを改善・予防し、人間が健康に生きていく上で重要な”噛む機能”を正常に戻すことが、矯正歯科治療の本来の目的です。
審美・機能の両面に配慮した治療により「見た目」のほか、「かみ合わせ」「清掃性」が改善することで虫歯や歯周病のリスクが減り、将来にわたって自分の歯を残せる可能性も広がるというわけです。
また、自分の健康な歯で噛めるということは、成人病の予防など全身の健康面にも大きなメリットがあります。
実際に、口元の悩みが解決すると、表情や気持ちまで明るくなる方や、姿勢がよくなり腰痛や肩こりが軽減する方もいらっしゃいます。
コンプレックスから解放されて、自分に自信が生まれ、仕事や付き合いに好影響がある方も少なくありません。
そういう意味では、矯正歯科治療は「前向きな人生を送るための有効な手段」
と言えるかもしれませんね。
10年後、20年後の自分のために
そうはいっても、「お金がかかるから無理…」「歯科医院に通う時間もない」と、治療に踏み切れない方は、まだまだ多いようですよね。お子さんの歯列には敏感で、積極的に治療を受けさせても、「自分は我慢」という親御さんも多いのではないでしょうか。
残念なことに、歯列や噛み合わせに乱れのある方は、いくら丁寧に歯磨きをしていても、歯並びのいい方に比べると虫歯や歯周病になりやすいのは事実です。
今は生活に支障がなくても、気づかないうちに歯周病が進行して、将来、歯を失うリスクは当然高くなってしまいます。
不具合があるたびに歯科医院に通う時間やコスト、精神的な負担…。失った歯は二度と元には戻らないことを考えると、一見ハードルが高い矯正治療の方が実はコストパフォーマンスがよく、長い目で見れば健康面でもメリットが大きい治療法なのです。
年を重ねても自分の歯でおいしく食事をし、健康でイキイキとした生活を送る。
人生100年時代の今だからこそ、QOL(生活の質)を高める矯正歯科治療にますます注目が集まっています。
10年、20年後にどんな自分でいたいのか。ご自身の治療の必要性について、そんな視点で考えてみられてはいかがでしょうか。