こんにちは。さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のMです。

矯正中は虫歯になりやすい?!


矯正中の悩みのひとつといえば、矯正装置をつけると、歯磨きがしづらく虫歯リスクが高まることではないでしょうか?いくら歯並びをきれいにしても、虫歯になってしまっては、矯正治療のゴールともいえる「美しい口元」や「お食事の楽しみ」等は成り立ちませんよね。

特にワイヤーを使った矯正は、複雑な装置の形ゆえ、歯のケアも大変です…その点、マウスピース型矯正装置(インビザライン)ならば、いつもと同じように歯磨きできます。当院でも「歯のお手入れは楽なほうが!」という理由でマウスピース型矯正装置(インビザライン)を選ばれる方も多くいらっしゃいます。

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矯正治療中の歯磨きについて

マウスピース型矯正装置(インビザライン)で矯正中の歯磨きの注意点

歯の汚れが溜まりやすい場所ワースト3


みなさんは歯の汚れが溜まりやすい場所をご存じですか?突然ですが、歯の汚れが溜まりやすい場所ワースト3を発表します!逆に、この3か所さえ丁寧に磨いていれば、虫歯になるリスクはかなり抑えらる場所でもあります。

第3位 「歯の噛む面の溝」

第2位 「歯と歯茎の境目」

第1位 「歯と歯の間」

「噛む面の溝」と「歯茎の境目」は、普通の歯ブラシで汚れが落ちます。しかし、「歯と歯の間」は歯ブラシが届きません。そして、虫歯が見つけづらく進行しやすい箇所です。矯正中は虫歯になるリスクがさらに高くなるので要注意。そこで、お勧めしたいプラスワンアイテムがフロスです。

フロスとは


フロスとは、いわゆる「糸」です。面倒くさいと嫌われがちなフロスですが、正しい使い方を知って慣れれば、簡単に普段のケアに取り入れられます。矯正中でなくてももちろん、全ての方に歯ブラシと一緒に使っていただきたい歯のお手入れグッズです。

かくいう私も、歯科衛生士になる前はフロスの重要性を知らず、使っていなかったせいで、お恥ずかしながら只今絶賛虫歯の治療中です(笑)「みなさんはそんな思いをされませんように…」との思いをこめて、フロスの大切さについてお伝えします!

フロスのメリットは、なんといっても虫歯になりやすい歯と歯が接触している部分のお掃除ができること。この部分のご自分でのお掃除は、フロス以外はできません。また、歯周病の原因となる歯肉の中の汚れも取り去ることができます。

緑のラインがフロスの清掃範囲

フロスの種類


まず、フロスは大きく分けて2種類あります。プラスチックの柄に糸が取り付けられている、いわゆる「糸ようじ」と呼ばれているホルダータイプと、必要分だけ糸をカットし、指に巻き付けて使う糸巻きタイプです。

ホルダータイプの種類と特徴

フロス初心者の方におすすめのホルダータイプは、前歯に使いやすい「F字型」と前歯も奥歯もオールマイティに使える「Y字型」の2種類があります。しかし、糸の同じ部分を何度も出し入れするので、1歯ずつ清潔なフロスを使いたいという方には、コスパも悪く不向きかもしれません。

F字型フロス

Y字型フロス

糸巻きタイプの種類

  1. ワックスタイプ

繊維がワックスでコーティングされているため、歯と歯の間に出し入れしやすく、フロスが切れたりしにくいのが特徴です。糸巻タイプが初めての方、不器用な方にもおすすめです。

  1. ワックス無しタイプ

繊維がワックスで固められていないため、繊維に汚れが入り込んで、ワックスタイプより汚れ落としの効果が期待できます。一方、ワックスタイプよりも、歯と歯の間の出し入れがしづらく、切れやすいというデメリットもあります。

  1. スポンジタイプ

唾液によって糸がスポンジ状に膨らみ、汚れをからめとってくれます。ワックスでコーティングされているものが一般的なので、歯と歯の間の出し入れもそれほど難しくはありません。また、うっかり力を強く入れすぎてしまっても、歯肉を傷つけにくいのも特徴です。

糸巻きタイプの特徴

ホルダータイプに比べると、歯のカーブに沿って自由自在に形を変えられるのでしっかりお掃除できます。万が一、歯に引っかかってしまった場合も、一方の指の糸を外して引き抜けば簡単です。

そして、1歯ずつ新しいフロスの面を使うことができるので清潔で、必要な分だけの長さを使用できるので経済的です。「矯正をきっかけに、フロスを毎日使ってきちんとケアしたい!」という方には、糸巻きタイプがおすすめです。

その他のフロス

その他にも、「ブリッジ」と呼ばれる被せものが繋がった部分に入れるフロスや、インプラント用の専用フロスもあります。これらはドラッグストアやスーパーなどでは見つけられないかもしれません。フロスって意外と種類がたくさんあるんです。

ブリッジ・インプラント用フロス

矯正治療中におすすめのフロス2選と使い方


Y字型ホルダータイプ

ホルダーと呼ばれるプラスチックの柄に糸が取り付けられている、いわゆる「糸ようじ」と呼ばれているものです。前歯に使いやすい「F字型」と前歯と奥歯オールマイティに使える「Y字型」の2種類がありますが、矯正治療中でフロス初心者の方にはY字型がおすすめです(^_-)

参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=mkvZM6W6iQk

Y字型ホルダータイプの使い方

1.フロスの糸部分を鏡を見ながら歯と歯の間に当てます。

2.ゆっくりと小さく、のこぎりを引くように動かしながら入れていきます。この時、勢いよく入れると歯肉を傷つけてしまうので注意しましょう。

3.糸の抵抗を感じなくなるところまで入れます。

4.歯と歯茎の間に、糸を優しい力でゆっくり入れ込んでいきます。痛みもなくピタッと止まるところがあるのでそこで止まるようにする。

5.奥の歯に糸を押し付けるように当て、上下に糸を動かせるところまで、汚れをこすり落とすイメージで動かします。

6手前の歯にいとを押し付けるように当て、⑥と同様に糸を動かせるところまで、汚れをこすり落とすイメージで動かします。

7.ゆっくりと小さく、のこぎりを引くように動かしながら歯と歯の間から抜いていきます。

フロアフロス

フロアフロスとは商品名で、イタリアの高級繊維を使用した、フロス研究第一人者お墨付きのフロスです。「矯正をきっかけに、フロスを毎日使ってきちんとケアしたい!」という方におすすめの糸巻きタイプの中でも、特におすすめのスポンジタイプのフロスです。

矯正治療中は、歯が動いて歯間の隙間が大きく空くことがありますが、膨らんだ糸が隙間に合わせた太さでお掃除してくれます!ワックスでコーティングされているものが一般的なので、歯と歯の間の出し入れもそれほど難しくはありません。

当院ではお求めやすいミニサイズで販売しています。

参考動画https://youtu.be/4CqUm1WX11khttp://

糸巻きタイプの使い方

1.フロスを40cmくらいにカット。(フロスの先をもって、肘まで伸ばした長さがだいたい40cmです)

2.親指と中指でフロスの両端をそれぞれつまんで中指の第一関節のあたりに巻きけていく。片方は3回くらい、もう片方の中指に残りのフロスを巻き付ける。指と指の間のフロスが15センチくらいになるように巻き付けていく。

3.両手の親指と人差し指で1センチくらいの長さになるように糸をつまんでピンと張る。

4.歯と歯の間にフロスを当て、ゆっくりと小さく、のこぎりを引くように動かしながら入れていきます。

この時、ホルダータイプと同様に、勢いよく入れると歯茎を傷つけてしまうので注意しましょう。

5.糸の抵抗を感じなくなるところまで入れます。

6.歯と歯茎の間に、糸を優しい力でゆっくり入れ込んでいく。痛みもなくピタッと止まるところがあるのでそこで止まるようにする。

7.奥の歯に糸を押し付けるように当て、上下に糸を動かせるところまで、汚れをこすり落とすイメージで動かします。

8.手前の歯に糸を押し付けるように当て、⑦と同様に上下に糸を動かせるところまで、汚れをこすり落とすイメージで動かします。

9ゆっくりと小さく、のこぎりを引くように動かしながら歯と歯の間から抜いていきます。

10.たくさん糸を巻き付けた方の指からひと巻きほどき、反対の手の方にひと巻き、巻き付けます。1か所終わるたびにこれを繰り返すことで、常に清潔な糸でお掃除することができます。

11.①から⑪を繰り返しながら、奥から順番に進めていくと通しわすれが減らせます。

12.万が一、糸がひっかかって抜けなくなった場合は、片方の糸を指からほどき、引っ張ることで簡単に抜くことができます。

【ワンポイントアドバイス!】

上の前歯は口の外側にある親指の腹の部分に。その他の部分も人差し指の腹の部分に糸を押し付けるようにすると、動かしやすくなります。

フロスを使っている当院の患者さまからよくいただく質問


Q1.糸巻きタイプとホルダータイプ、おすすめはどっちですか?

A1.できれば、糸巻タイプがおすすめです。

糸巻きタイプの方が汚れの取れる範囲が広く、1か所ごとに清潔なフロスを使用することができます。ですが、ちょっと使い方が難しそう‥という方は無理をせずにホルダータイプを使ってくださいね。

実は私も大のめんどくさがり。小さな子供を抱えていることもあり、なかなか自分の歯磨きに時間が取れません。そこで現在「忙しい日はホルダータイプ、休日は糸巻タイプでスペシャルケア」という方法を取っています。皆さんもそれぞれの続けられる方法を見つけてみてくださいね!

Q2.歯ブラシとフロス、どっちを先にすればいいですか?

A2.どちらが先でも大丈夫!ご自分のやりやすいタイミングで。

こちらは意見の分かれるところですが、結論から言うとどちらでもいいと思います。長年、歯ブラシの前にフロスを入れると歯と歯の間に汚れを押し込んでしまうため、「歯ブラシの後にフロス」というのが定説でした。

しかし、最近では「フロスの後に歯ブラシをしたほうが、歯と歯の間にまで歯磨き粉の虫歯予防成分であるフッ素が歯と歯の間までいきわたる」という論文がでてきているようで、専門家の間でも意見が分かれています。

でも、大切なのは『フロスをいれること』だと私は思います。「歯ブラシの後でフロスを入れるのをつい忘れてしまう。」という方はフロスを始めにする習慣をつけるといいと思いますし、長年の習慣でもともとフロスは歯ブラシ後にしていればそのままでいいと思います。

Q3.フロスは歯磨きをするたびにしないといけないですか?

A3.可能であれば毎回が理想的

でも、毎回が難しければ1日1回「夜寝る前」がおすすめです。お口の中の細菌たちは、口が動いたり、食べ物がながれてきたりしない夜に元気に活動します。その前に虫歯などの原因となる歯垢を落としてしまおうという作戦です。

Q4.フロスを入れると歯ぐきから血が出てきます。

A4.痛みがなければ出血して問題ありません。

歯垢などが原因で歯ぐきに炎症が起こっていたのもしれません。通常であればフロスを続けることによって、出血はおさまってきます。1~2週間以上続く場合は、何か他に原因が考えられますのでご相談ください。


いかがでしたか?今回おすすめしたフロスはドラッグストアやスーパーなどでも売られているので、気軽に購入できます。お買い物のついでにぜひ覗いてみてくださいね。

せっかくきれいな歯並びを手に入れるなら、健康な歯でいたいですよね!ご自分にぴったりのフロスとケア方法を見つけて虫歯予防の参考にしていただけると嬉しいです。