さいたま市 大宮SHIN矯正歯科 院長の矢野です。
みなさんのお子さんは、いびきをかくこと、ありませんか?
大人のいびきは、「睡眠時無呼吸症候群」が話題に取り上げられることも多くなり、注意が必要であることはだいぶ知られるようになりました。でも実は、「子どものいびきこそ、要注意!」って知ってましたか?
「家族がいびきをかくから遺伝なんだわ~」などと放っておくと、大変なことになるかもしれません。子どもは通常いびきをかかないものです。風邪をひいたりして鼻づまりを起こし、一時的にいびきをかくことはあっても、1週間以上続くときは特に注意が必要です。
子供のいびき その影響は?
育ち盛りの子供がいびきによる睡眠不足が続くと…
・身長や体重が増えない
・虚弱体質になる
・知能の低下
・運動能力の低下
・心臓への負担がかかる
など、成長や発達に影響が出てくると言われています。「たかが、いびき」のようですが、自覚がないだけに、子供の場合は親が気を付けてあげないといけません。
子どものいびきの原因
何かしらの原因で気道が狭くなっていることが考えられます。
・喉の奥にある「扁桃」や「アデノイド」が肥大している
・アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎など鼻の病気で慢性的な鼻づまりを起こしている
・肥満により喉の奥に脂肪がついている
・生まれつき口蓋垂(のどちんこ)が大きい
☆顎の発育不十分で顎が小さい、もしくは出っ歯である
☆鼻が通っているにも関わらず、習慣的に口呼吸になっている
特に☆印の項目が原因で起こっている場合は、矯正治療を受けることで改善される可能性があります。
矯正歯科で受けられる「いびき対策」
① 顎が小さいことが原因による歯並びの改善
特に下顎が小さいといびきは起こりやすくなります。顎が小さいと歯が並ぶスペースが足らず、歯並びがガタガタに。すると、舌を置くスペースがどうしても狭くなり、置き場を失った舌は日常的に喉の方へ引っ込んでしまいます。これが寝ているときに気道をふさぐ原因(図①)となるのです。
図①
このような場合、歯列矯正で顎の大きさを広げ、ガタガタの歯並びをきれいに並べることで、いびきが改善できる可能性があります。
また、上顎が出ているのではなく、下あごが小さく後ろへ引っ込んでいることが原因で、出っ歯になってしまっている症例(写真①)があります。この場合の出っ歯は、子どものうちは取り外しできる装置を使用して、下顎を前方に誘導する(写真②)ことで、いびきも一緒に治ることがあります。
写真①
写真②
② 習慣的に口呼吸をしている
本来、口を閉じているときの正しい舌の位置は、上顎にベタッとついています。今、これを読んでいるみなさんの舌の位置はどこにありますか?
しかし、口呼吸をしている人の舌は、舌の力を抜いて、下あごまで下げた位置にあります。口の中で気管につながる空気の通り道を作らなければならないので、舌筋を使って舌を上顎にをつけた状態だと気道がふさがれ、息ができません。
口呼吸が癖になると、日常的に舌の力を抜いた状態になるわけですから、舌の筋力は衰えていきます。「だらっ」となった筋力のない舌は、寝ている時に仰向けになった状態になると重力によって自然に喉の方へ舌が下がってきます。(図②)この舌が気道をふさぎ、いびきにつながります。
図②
SHIN矯正歯科では、口呼吸から鼻呼吸へ改善するために、舌の筋肉や口を閉じるための唇の筋力を鍛えるための「MFT」と呼ばれるトレーニングをすることができます。また、子供のうちにMFTを行っておくと、大人になってからの歯並びにも好影響が出て、一石二鳥です。
→MFTと口呼吸について詳しくはこちら
「いびきの治療」というと、耳鼻科や専門外来がまず思い浮かびますよね。矯正歯科で対策ができることは意外と知られていないかもしれません。
「すでに耳鼻科にかかっているけれど、いまいち結果が得られない...」という方。いびきの原因によっては、矯正歯科の治療と併用すると結果が得られるかもしれません。
この文章を読んで、ご自身やご家族の方がもしかしたら該当するかも!?と思われる方は、ぜひ初診相談にいらしてくださいね。