さいたま市、大宮SHIN矯正歯科 歯科衛生士のOです。
歯列から飛び出た八重歯を矯正治療しようと思う方は「どうやって歯の凸凹をきれいに並べていくのかな?」と疑問に思うことがあると思います。
八重歯とは
他の歯と重なって生えていたり、極端に外側に出た状態の歯のことをいいます。通常、矯正歯科で八重歯の治療する場合は、八重歯のすぐ後ろにある小臼歯を抜歯して、歯列に隙間を作り、歯並びを整えていくことが多いです。
なぜ、八重歯を抜いてしまわないのでしょうか?もともと歯列からはみ出している八重歯を抜歯してしまえば、簡単に歯並びが綺麗になると思いませんか?
犬歯とは
対になっている前歯から数えて、三番目のとがった歯のことを犬歯といいます。糸切り歯とも言われますね。犬歯は生えてくるのが、他の歯より遅いため、個々の歯の大きさに対して顎が小さい場合など、萌出するスペースが残っていないことがあります。
そのため、唇側に飛び出して生えてきてしまうことがあり、この犬歯を一般的に八重歯と呼びます。全ての八重歯がこれに該当するわけでは無いので、必ずしも犬歯が八重歯であるとは限りませんが、犬歯が八重歯であることは多いです。
しかし、犬歯には他の歯と比較すると、犬歯ならではの大切な役割がたくさんあると言われています。今日は、”犬歯の役割”と、なぜ、八重歯になってしまった犬歯を抜いてはいけないのか・犬歯が無くなることによるデメリットを見ていきたいと思います。
犬歯の役割
犬歯は、他の歯より長くて丈夫な根を持っており、歯の中で最も寿命が長い歯です。
動物の犬歯は食物を捕らえ、切り裂くための歯ですが、人間の犬歯は、前歯と奥歯の橋渡し的な役割を果たしています。顎を左右に動かしたり、上下の歯を噛み合わせたときに、犬歯は前歯と奥歯にかかる負担を和らげたり軽減してくれるのです。いわば、前歯と奥歯の補佐役です。
しかし、犬歯が八重歯の場合、他の歯が犬歯のかわりに前歯と奥歯にかかる力を負担することになります。それを放っておくと次第に、歯が割れたりひびが入ったり、知覚過敏になることもあります。また、歯の根にかかる負担が歯周病が進行させたり、顎関節症を引き起こすことも少なくありません。
犬歯を抜歯するデメリット
歯には1本1本にそれぞれ役割があります。その中でも最も頑丈な犬歯を抜いてしまうと、歯並びのバランスが悪くなってしまいます。上記で述べたように他の歯が犬歯の役割を負担することになり、歯周病や虫歯、知覚過敏などの原因や、顎関節症にもなることがあるのでおすすめしません。
また、見た目にも変化があります。八重歯を抜いて綺麗な歯並びになったとしても、口元のふくらみがなくなり不自然に見えたり、表情が変わってしまうこともあります。
まとめ
このような理由で、八重歯を矯正するときに抜歯が必要な場合は、八重歯(犬歯)ではなく、その後ろにある前から4番目の第一小臼歯(しょうきゅうし)を抜いてスペースを作り、理想的な歯並びにしていきます。
なるべく短期間で治してしまいたいからと言って、一度、健康な歯を抜いたり大幅に削ってしまったら、元に戻すことが出来ません。特に犬歯は、生涯お口の健康を維持していくためには大事な歯です。後悔する前に、一度歯列矯正専門の歯科医師に相談することをお勧めします。
それぞれの歯の役割を知って矯正すれば、口元に自信がもてる事にも繋がると思います。八重歯の治療症例はこちらからご覧ください。
▼八重歯に関するブログ記事
https://shin-ortho.com/invisalignblog/1867/