こんにちは。大宮SHIN矯正歯科の院長 矢野です。

矯正装置にはいくつか種類があり、特に多く利用されているのが、ブラケットを用いたワイヤー矯正と、近年シェアを伸ばしているマウスピース型矯正装置です。どちらも歯並びを治すのに効果的な装置ですが、症例によって向き不向きがあります。

どちらの装置を選ぶかによって、治療期間や歯の動き方が変わることがあります。矯正治療を始める際には、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、ご自身に合う治療法を選んでいただくことが重要です。

透明のマウスピースを歯の上からかぶせ、そのマウスピースを交換しながら少しずつ歯並びを整えていくマウスピース型矯正装置は、一般的にはワイヤー矯正よりもやや治療期間が長くなると言われておりますが、マウスピース型矯正装置の方がスムーズに治療が進む症例もあります。

今回は、当院で行っているマウスピース型矯正装置(インビザライン)で早く治りやすい症例を5つご紹介させていただきます。

かみ合わせが深くてブラケットが付きにくい歯並び


例えば上の前歯が下の前歯を覆ってしまい、下の前歯になかなかブラケットが付けられないような歯並びもマウスピース型矯正装置(インビザライン)であれば関係なく治療を始めることができます。マウスピースを装着することでスムーズに治療を進めていくことができます。

かぶせ物が多くブラケットが付きにくい歯並び


虫歯の治療をたくさんしていて、歯に金属やセラミックのかぶせ物が多く入っていると、ワイヤー矯正のブラケットが外れやすくなる可能性があります。ブラケットを歯面つける時に使用する接着剤と人工歯は相性があまりよくないからです。

歯を抜かずにガタガタを治す症例や、抜歯をしても前歯の移動量が少ない症例


ガタガタの量が少ない症例や、歯を移動する量が少ない症例は、マウスピース単独でも治療期間がそこまで長くなることはありません。

虫歯のリスクが心配な歯並び


ワイヤー矯正の場合、患者さまご自身で装置を外すことができません。治療の間(約2年程度)、ずっと歯に装置がついたままなので、歯ブラシがしっかりできないと虫歯になってしまいます。

途中で虫歯になってしまうと、矯正装置の一部を外して治療を行う必要が出てくることがあり、その場合、治療期間が延びてしまう可能性があります。マウスピース型矯正の場合は、ご自身で装置を外して歯ブラシができますので、虫歯のリスクが少ないのがメリットです。

金属アレルギーがある方


ワイヤー矯正では、金属のブラケットやワイヤーを使用してかみ合わせを治していきます。アレルギー症状が出ないように工夫されたワイヤーやブラケットもありますが、使用してみて身体に合わない場合、装置や治療法を途中で変更しなくてはならないこともあります。

マウスピース型矯正の場合は、初めから金属を使わずに治療を行うことができますので、時間のロスがありません。


かみ合わせや歯並びの状態だけでなく、お口の中の環境や、ライフスタイルによっても、どちらの装置が適しているかが変わってきます。きちんとした医療機関で検査を行い、現在のお口の中の状態をしっかり確認した上で、ご自身に合った治療方法を選んで頂くことが重要です。

症例によっては、マウスピースでの治療とワイヤー治療を組み合わせ、両方の利点を取り入れて治療を行っていくことも可能です。矯正専門医とよく相談をして、装置や治療法を選んで頂くことをおすすめします。