歯の矯正治療が終わり、歯並びはきれいになったのに矯正する前より「ブサイクになった」と感じる方が一定数いらっしゃるようです。
そこで、大宮SHIN矯正歯科では、患者さまが矯正治療後にブサイクになったと感じることを防ぐために治療を始める前に、歯並びのシミュレーションだけでなく、VTO(顔面的な治療計画の予測)を立ています。
なぜ、歯並びが変わると顔つきも変化し、最悪の場合「ブサイクになった」と感じてしまうのか、また、VTOとは?聞き慣れない言葉だと思いますが、歯列矯正におけるVTOについてご説明します。
目次
歯の矯正で顔つきが変わるのはなぜ?
歯の矯正治療による顔つきの変化は個人によって異なります。目立った変化が見られない場合もありますが、歯の矯正治療が終了すると顔つきに変化が見られる場合があります。
これは主に以下の要因によるものです。
顎の位置の変化
歯の矯正治療は、歯を移動させるだけでなく、顎の位置が調整されることもあります。
わかりやすい例を挙げれば、子どもの歯列矯正です。治療開始時期と終了時期で、およそ1~2年はかかりますが、その間子どもは身体はもちろん、頭自体の大きさも変われば、顎周りの環境も変わっています。
そういった骨格の変化を捉えたうえで、治療終了時に無事正しい歯列となるよう、綿密な計画を立てることが重要となります。
大人の矯正でも、歯並びが変わることで上顎や下顎の前後方向の位置が変化し、顔の長さの比率が変わることがあります。この変化により顔つきが変化します。
顔の輪郭の変化
歯列矯正治療によって歯並びが整い、噛み合わせが改善されると顎の筋肉や組織が適切に働くようになります。張っていたエラがなくなったり、顎下のたるみが緩和され、顔の輪郭線も変化することがあります。
これらの変化は個人によって異なりますが、歯列矯正治療によって顔の輪郭が変わることで、よりバランスの取れた顔の形状や輪郭が得られるといわれています。
口元のバランスの変化
歯の位置や噛み合わせの改善により、口元の形状や口角の位置が変化することがあります。例えば、前歯が突き出していた場合にその突出が軽減されることで、口元がすっきり見えるようになります。
歯の矯正をしたらブサイクになったと感じる原因
歯の矯正治療が終了した後にブサイクになったと感じる場合、一般的には以下のような顔の変化に関連している可能性があります。
顔の長さの割合の変化
歯の矯正治療が終了すると、歯並びが整い顎の位置が調整されることで、顔の長さが変化する場合があります。しかし、個人の美的感覚によっては、この変化が不自然に感じられ、面長になってしまったと感じられることがあります。
口元のバランスの変化
歯の位置が変わることで、口元のバランスも変化する可能性があります。
出っ歯の場合、いわゆる口ゴボと言われる突出した口元が歯列矯正により引っ込んだことで、以前とは異なる口元の形や表情になります。
具体的には、鼻の下が伸びたと感じるようになったり、逆に口元が引っ込んだことでほうれい線が目立つようになる場合があり、それがブサイクに見えると感じることがあります。
顔全体の印象の変化
歯列矯正のために歯を抜くか抜かないかで、顔全体の印象が変化する場合があります。
適応でない非抜歯矯正の場合、歯を並べるスペースが足りないのに歯を抜かずに矯正したことで、前から見た歯並びは整っているけれど、口を閉じた時や横から見た口元のシルエットは突出してしまい、かえって出っ歯になったと感じることがあります。
自己認識の変化
矯正治療が終了すると、以前とは異なる自分の姿を見ることになります。そのため、自己認識が変化し、不慣れで違和感を感じることがあります。
VTO(Visual Treatment Objectives)とは
VTOとは「Visual Treatment Objectives」の略語で、視覚的治療目標という意味です。
矯正歯科医が治療の目標や方針を設定する際にVTOが使用されます。患者さまの顔の形や歯の配置などを考慮して、治療後の予想される顔の外観をシミュレーションし、最適な治療計画を立案するのに役立つツールです。
治療後の歯並びのシミュレーションだけでなく、VTOによって作成された予測画像を患者さまと共有することで、より明確な治療ゴールについての理解を深めるられるコミュニケーションツールとしてVTOが活用されます。
VTOはどうやって作成するの?
顔写真と精密検査で採得した頭部のレントゲン画像と歯型のデータを元に作成されたセファロ分析とクリンチェックによって算出された数値を、専用のソフトウェアやコンピュータープログラムに入力します。
すると、AIが顔のプロポーションや歯の位置を自動的に調整し、治療後の顔の外観をシミュレーションしモーフィング画像を作成します。
VTOはどこでできるの?費用は?
VTOは大宮SHIN矯正歯科で精密検査を受けていただいた方に作成しています。基本的には、上下顎前突など横顔が変化する可能性のある歯並びの症例の方に行っています。
※2024年4月以降に精密検査を受けていただいた患者さまにお見せしています。それより前に検査を受けた方でVTOをご希望の患者さまは歯科医師またはスタッフにお声がけください。
費用は、精密検査代¥33,000~¥66,000です。費用の詳細はこちらをご覧ください。
VTOで作成される顔の外観ははあくまで予測のため、実際の治療結果はシミュレーションと異なる場合があります。
しかし、お顔のイメージを視覚的に把握できるため、治療前に担当医と患者さまの間でどのような変化が期待できるかを明確に理解できることがメリットです。
VTOを活用することで、歯列矯正における顔貌の変化のイメージが伝わりやすくなり、治療後にブサイクになったと感じる患者さまの後悔を未然に防げると考えています。
【関連リンク】
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