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マウスピースで部分矯正とは
部分矯正とは、主に上下の前歯6本の歯並びを部分的に治療する歯列矯正です。
治療できる歯の本数は1本からできますが、マウスピース型矯正装置の場合は、部分矯正とはいえ、奥歯を含む歯列全体を覆ったマウスピースを使用して矯正治療を進めていきます。
マウスピースで部分矯正のメリット
部分矯正のメリットは、矯正治療の中では低価格・短期間で治療できることです。
-マウスピースの部分矯正の期間は?
通常、歯並び全体をマウスピースで歯列矯正する場合は、歯を動かす期間が2年前後なのに対して、部分矯正であれば10ヶ月〜1年ほどの期間で保定期間に入ることができます。
歯並びの状態・噛み合わせは個人差がありますし、マウスピースの使用時間や装着状態によっても異なってくるのであくまで目安ですが、部分矯正の方が歯を動かす本数や移動する量が少ないので、歯列全体を矯正するよりは治療期間は短くなります。
-マウスピースで部分矯正の費用
当院の場合、マウスピースで歯列全体を矯正する場合の費用は税込100万円前後です。対して、部分矯正は462,000~704,000円(税込)で治療することが可能です。
詳しい治療費についてはこちらをご覧ください。
マウスピースで部分矯正のデメリット
-歯並びの状態によって適応症例が限られる
次のような歯並びの方は、部分矯正での治療が難しい可能性があります。
- ・噛み合わせが大きくずれており、上下両顎とも歯列を全体的に動かす必要がある症例
- ・歯並びの凸凹が大きい症例
- ・八重歯
- ・出っ歯
- ・抜歯が必要な症例
上下の顎骨の大きさや形態や位置関係、口元のバランスは、矯正歯科専用の特別なレントゲン(セファロ)を撮影することでわかります。
-横顔の美しさ(Eライン)の改善は難しい
適切な歯列矯正は、ただ歯並びを綺麗にするだけではありません。正しい噛み合わせにより顎まわりの筋肉が引き締まり、綺麗なフェイスラインを手に入れることができます。
しかし、前歯のみを動かす部分矯正の場合は、美しい横顔の条件であるEラインの改善までは難しく、全体矯正と比べると治療の完成度は低めになるといったデメリットがあります。
-保証期間が短い
当院のマウスピース型矯正装置(インビザライン)の特徴は、精密検査時にスキャンした歯型のデータを元に、複数のマウスピースを作成し、そのマウスピースを交換していくことで歯を動かしていきます。
しかし、何らかの理由で途中でシミュレーション(=治療計画)通りに歯が動かない場合があります。
あくまでシミュレーションなので、人間の歯がその通りに動かないこともありますし、マウスピースの装着時間が短かったりすると、マウスピースの適合不良が生じてきます。
そうなると、もう一度治療計画を立て直しマウスピースを新しく作り直す必要があります。
インビザラインには5年間の保証期間があり、その期間内であれば治療計画の変更が可能であり、マウスピースを作り直すことができます。
しかし、部分矯正の場合はインビザラインであっても保証期間が短くなり、マウスピースの作り直すことになった場合、追加料金が発生する可能性があります。
マウスピースでの部分矯正はこんな方におすすめ
以前、歯の矯正をしていたが後戻りしてしまった方などで、奥歯の噛み合わせに問題がなく、本当に軽度な不正咬合の歯並びに限りマウスピースでの部分矯正の治療が可能です。
短期間、低価格で目立たずに歯列矯正治療ができることは非常に魅力的ですが、適応でない症例を無理やり部分矯正で行った場合、顎が痛くなる、かえって出っ歯になってしまった、などのデメリットがあることをしっかりと踏舞えた上で検討していただきたいと思います。